シドニーから始まったオーストラリアのワーホリも気付けば11カ月が経ちました。
スタート時には存在すら知らなかったバンバリーという町で大きな衝撃を受け、なぜかインド行きを決定。
今後の生活は大きく変化していきます。
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去りゆく者
バンバリーの冬
7月。オーストラリアは冬ど真ん中です。
冬になるとバンバリーの人口は半分になると言われていますが、まさにその通りで動植物と同じようにバンバリーからは人がいなくなりました。
住処にしていたワンダーインも、夏から仲が良かった人たちはほぼ去ってしまい、前のような活気がありません。
▼仲が良かった人たち
カズユキとスネオはあの事件で去り、どうぶつくんもビザが終わって帰国しました。
そしてメタルちゃんも北部へ移動。
キアラやイタリア軍団をはじめ仲が良かったヨーロピアンたちもほとんどいなくなり、ついに石川ちゃんもビザ終了で帰国となりました。
他のメンバーよりもちょっと歳上で私と同い年だった石川ちゃんとは、ある時期を境にグッと距離が縮まり、側から見れば「あれ付き合ってんじゃないの?」という風に見られていたかも知れません。

しかしお互い大人であり、暗黙の了解で彼氏彼女になりましょうという話はありませんでした。
なぜなら私はタイ・ラオス編からシドニー,クイーンズランドまで一緒にいたシズちゃんと別れたことで、自分の感情よりも相手の人生を考えることや近くにいることのほうが大切だと知ってしまったからす。
アホの私、アホなのに成長しております。
バックパッカーは常に誰かと一緒にいれるという保証はありません。
彼女もまたお互いの道がまったく別の方向を向いていることを理解している大人でした。
寂しさはMAXですが仕方ありません。
第2の地元ともいえる世界一美しい街バンバリーを彼女と見てまわってお別れしました。





セカンドビザを取得したてのチバギャルはこれからまた丸1年バンバリーで生活をするとのこと。
私はオーストラリアの2年目をこのバンバリーからスタートすることに決めたので、チバギャルさんとはまたお会いできそうです。
バンバリーだけでなく季節が変わればオーストラリア中のワーホリの民は移動しています。
ワンダーインのようなバックパッカーホステルに残るのは何かしら訳ありで長期で住み続ける怪しい地元民ばかり。
▼酔っ払って人に絡む変なおじさん


▼宿のトースターを盗もうとする炎上系おじさん
もうこんなのばっかり。
大事な物まで去ってゆく
去って行くのは人だけではありませんでした。
これはバンバリー生活終盤の2016年7月頃の話。
なんと2013年から使っていたiPhoneの写真を逐一バックアップしていた外付けHDDがぶっ壊れてしまったのです!
消えた…
これは私が小学生の時に命をかけて描いた漫画を母親にビリビリに破り捨てられた時のショックに匹敵するほどの絶望感!
当時はクラウド上にバックアップを取るようなオシャレな人間ではなかったので、9割の思い出が消えてしまったのです。
たまに出てくる写真はiPhone以外のカメラで撮ったもの、当時SNSにあげたもの、友達にもらったもの、奇跡的に他のものでバックアップしていたもの。
じつは「旅行記なのに写真が無い」という理由で私はブログ記事に絵を描いていたのでした。
バンバリー終活
仕事を辞める
これから私は一旦オーストラリアを出るのでバンバリーを去る準備を始めます。
まずは半年間死ぬ気で働いたミートファクトリーを辞めました。
お前はとっても便利だ!
便利はすっごい失礼!
面接でふざけたことにより工場内でケンシンと呼ばれるようになったサムライの私は「超イエスマン」として言われるがまま地獄の労働を続けました。


さらに掛け持ちの仕事で体がぶっ壊れましたが、歯を食いしばって続けていれば不思議と慣れるもので、自分がブラック企業向きの体であることを再確認しました。
働いた日数は108日。
セカンドビザ取得のための88日間をクリアできてひとまず安心です。
セカンドビザ
2nd Working Holiday Visa
通称セカンドビザ。
オーストラリアのワーホリにのみ適用されるシステムで、政府指定の農場や工場で88日以上働くともらえる2年目のワーホリビザのこと。
1年目でオーストラリアに滞在している時にセカンドビザを申請した場合、ビザをもらえた瞬間から2年目がはじまってしまいます。
私の場合は一旦オーストラリアを出る予定で、いつバンバリーに戻ってこれるか未定なのでセカンドビザの申請は帰国してからすることにしました。
そしてこの選択が大変な事態をもたらすのですが、それはまたずぅ〜っと先の話。
タックスリターン(確定申告)
私は以前カナダで入国時期のチョイスミスと働き過ぎにより、タックスリターンで大失敗しています。

しかし今回のオーストラリアは半年間シドニーでキャッシュジョブ(現金払い)をしていたため、その心配は無さそうです。
申請はネットで検索したら超簡単にできました。
カナダの時はまだまだ英語にビビっていたのでエージェントに金を払ってやってもらいました。
しかし気付いたらこんなことまでひとりでできるなんて、バックパッカーも成長するものです。
愛車・クライスラー
パースで購入した私の愛車クライスラーさん。


購入してバンバリーで働きはじめてからからタイヤ交換、オイル交換、ワイパーもイケてるやつに交換しました。
そしてしょっちゅう洗車もするほど愛着が湧いています。
じつは私がセカンドビザでバンバリーに戻って来ると決めた理由はこの車をまた使いたかったから。
私が働いていたミートファクトリーには悩みゼロ・ハイテンションおばちゃんのクリッスィー(55)がいました。
生まれた時からバンバリーに住んでいて、職場の近くのデッカイ一軒家に家族と暮らしています。
仕事中も常に歌っていて無感情で働く工場員を活気付けてくれます。
仲間想いの優しい彼女になら私がセカンドビザで戻って来るまで安心して車を預けられると思ったので頼んでみました。
あのね
イェス!イェース!
ケンシンどうしたの?
いいわよ!OK!
全部あたいに任しときな!
フォォーウ♪
フンフンフン♪
すごいテンション!
これはOKということでしょう。
またバンバリーに戻ってくるので、購入したギターや生活用品を車に詰め込んでクリッスィーの家に置きに行きました。
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オーストラリアを去る前に
バックパッカーってこんなもん?
こっちにいるうちにやることもやり終えてバンバリー生活も残すところ1週間を切りました。
仕事を辞めるのがちょっと早すぎて、1週間ほど時間を持て余しています。
酔っ払って気付いたらミイラにされていたり

ダンクをキメれるようになったり
と相変わらずくだらないバックパッカーのこの私。
チバギャルさん遊ぼう
暇なので懐かしい人に連絡してみます。
ワーホリスタート時に部屋が同じだというだけで私をブラザーだと慕ってくれたイケてる3人組。


その中でも特に仲が良かったフランチェスコの電話番号だけ知っていたのでSMSを送ってみました。
まだシドニーにいるの?
私はあれから西海岸に移動してセカンドビザを取得することにしたよ
もしチャンスがあればどこかで会いましょう
キミとはどこで会ったんだっけ?
覚えていらっしゃらないと⁉︎
そういやバックパッカーってこんなもんでした。
シドニーで働いていた店のパーフェクトイケメンじゅんぺい君に連絡してみました。

彼は相変わらずシドニー大学に通いながら私もお世話になった店「Restaurant Sakura-咲良レストラン 」でバイトしているそうです。
シドニーに戻ってきてくださいよ
まあほらバックパッカーってそんなもんだから
- [ボス]

私はこの怪しすぎる男がいるからシドニーに戻りたくないのです。
「移動」は人を変える
シズちゃんは私とブリスベンで別れてからずっとクイーンズランドでファームジョブをやっていて、1年目が終わり次第そのまま2年目をスタートするとのこと。
新しい彼氏がお弁当を食べてくれないとか、フルーツピッキングのやり過ぎで爪がボロボロだとか、トロリーの漕ぎすぎでお尻が痛いなどと過酷な生活をよく報告してくれていました。
しかしそれでもなんとか楽しくやっているようで、彼女はオーストラリアを離れずこのまま連続で2年目をスタートさせるそうです。

今はもうバンダバーグの仕事辞めて普通に私たちと一緒に働いてるんだけど、じつはいい人だったんだよ!!私すっごい仲いいんだもん!
彼女はビザのために魂を売った日本人女性。
精神が崩壊し叫び続ける日々を私は見ていました。

52話に及ぶオーストラリアワーホリの話はこれで終わりですが、書ききれないくらいのたくさんのことがありました。
それはもちろん私だけではなくシズちゃんやキヨミさんも移動をして住処が変わり、生活が変わって考えを変えたのです。
何がどう転ぶかは分かりませんが「あの人じつはすごくいい人だったんだよ」と自分が知らない所で言われているキヨミさんは良い選択をしたのではないかと思いました。
これからオーストラリアを出てインドへ向かうことが良い選択になるかどうかはもちろん分かりませんが、「移動」が人を変えるのは間違いありません。
[バンバリー出発前日]
うわ!ジャンプ力やば!
そうでしょう?
ダンクをキメている私のところにチバギャルが現れました。
シンに渡してくれって
誰から聞いたのか私がバンバリーを去ることを知って、一瞬だけワンダーインに現れたようです。
しかし私に会うこともせず、Tシャツをチバギャルに預けて消えたハイデン。
私は慌てて外へ出てハイデンを探しましたが結局会うことはできませんでした。
- [ハイデンがくれたジョンレノンTシャツ]
彼は相変わらず渋い男です。
▼ハイデンの話

ハイデンは29年間「移動」をせずバンバリーに引きこもっています。
変わらないでいいものはそのままでいて欲しいと彼を見て思うのでした。
バックパッカーの死

これからインドへ行くためにまずはタイのバンコクへ向かいます。
ふふふ
1週間ほど滞在してインドへ飛ぶ予定です。
はじめてのインドは3年前でしたがその時にデリーで知り合ったカードちゃん。

その後世界一周を終えた彼女はカナダを最後の国として、トロントでワーホリをしていた私に会いに来てくれました。

さらにその後私が一時帰国した時に彼女とは福岡でも再会しています。
とんでもない行動力と迷いのない彼女の冒険は当時多くのバックパッカーに影響を与えていたと思います。
その8ヶ月後、私がゴールドコーストに滞在している時に彼女はアフリカで死にました。
死因など詳しいことは知りません。
「これで死ねたら本望だ」と思って生きていたとは思いませんが、彼女は間違いなくバックパッカーとして死んだのです。
SNSでカードちゃんが死んだことを知った時、私はそれまでセカンドビザを取りに行くかどうかというしょうもないことでかなり迷っていました。
目をキラキラさせた彼女のインドでの迷いのない発言をその時思い出して、私もくだらないことで迷わず直感で行動に移したのです。
どうせ死ぬならそれまでに面白いことをやっておきたい。
迷いなく思ったことをやっていきたいです。

バンコクへ飛ぶためにまずはバンバリーを出て国際空港があるパースへ移動しました。
一足先にバンバリーを離れていた、バンバリーでとても仲が良かったおもしろフランス人のイルワとパースで再会してビールを飲みます。
インドにタトゥーの修行に行くのか!
今度会った時は俺のケツにカタツムリのタトゥーを彫ってくれよ
なんでカタツムリ⁉︎
俺もカタツムリに生まれてゆっくり生きていきたかったよ
ぬはははは
インドに行っていきなり死ぬんじゃねぇぞシン
焦らずゆっくりで良いんだぜ
イルワも海に飛び込んで死なないようにね
イルワの言う通り、インド行きを決めた時の私は少し焦っていたのかもしれません。

私の目標のためであることを知るまわりの者はそれを否定することはありませんでしたが「この人大丈夫かな?」と心配している感じはガッツリ伝わっていました。
インドってやばいんでしょ?
病気になるかもよ?
保険入ってんの?
金あんの?
旅行者が何人も消えてるって聞いたよ?
死ぬかもよ?
死ぬかもよ?
死ぬかもよ?
でも実際に死んどる人もおるから人は死ぬときは死ぬ!
けどそれをやるのがバックパッカーなんですよ!
誰から言われたわけでもないのに、いつも脳内で再生される誰かからの忠告。
これが聞こえているうちは私は死なないでしょう。
焦らずなるべく気をつけて
でもやりたいことがあるんだった迷わず動く
死ぬまでに
オーストラリアではいろんな人と出会い、いろんなことを考えました。
「人生で1番楽しい1年間だった」と感極まる思いでタイヘむけてパース空港を出発します。
バンバリーにビーサン忘れた〜!
オーストラリアは冬ですが北半球のタイは真夏。
ブーツのまま灼熱の国へ向かうアホな私。
先が思いやられます。
オーストラリアワーホリ1年目
おしまい
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