オーストラリアのワーホリも残り3ヶ月というところで仕事が減り、ついに掛け持ちの仕事を始めました。
怪我を無視、疲労を無視、睡眠不足を完全無視した『無感情労働』を続けていた私ですが、精神力に体力がついて来ずついにぶっ壊れてしまいました。
しかし働いているのは週4日の毎週末3連休です。
この週末の3日間で体を回復させて月曜から4日かけてまたぶっ壊すというルーティンが生まれています。
時期は5月。
オーストラリア西海岸は夏も終わり毎週3連休で正直暇を持て余していた時、事件は起きたのです。
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それは差別か?
私は「それは人種差別だ!みんな!叫べ!差別をー!するなー!」とくだらないことで声高らかに人権を主張する人が好きではありません。
何故ならそのほとんどは差別ではなく区別だからです。
あの人性格悪いよね
あいつは人の話聞かないから嫌い
タバコ吸う人無理
あのタイプは一緒にいるだけでストレスだから無視無視
同じ人種内でさえも自分と自分以外の人を自分の中での道徳で判断区別し、態度を変えるわけです。
なのにそこに国境を挟むだけで差別だというのはおかしなことではないかと思います。
日本人は英語下手だな!
日本人は醤油臭えな!
日本人は顔がブスだな!
魚にわさび塗って食ってんだろ!
アメリカに負けた負け犬だ!
こんな事ばっかり言うやつは世界中にいるし、またそれは日本人にだけでなくあらゆる人種へ向けてあらゆる事が言われています。
私は正直なんとも思いません。
事実や世界共通の日本のイメージを言われているだけだし
と哀れむだけです。
なのに事実を言われただけでブチギレる人たちがいます。
もちろん言われたくないことは人それぞれあるとは思いますが、個人的なことで国際的な問題に発展させるのはちょっとおこがましいのではないかと思います。
事実を言われただけで怒るということはその自分が属しているコミュニティと自身に対して大きくうしろめたさを感じているということです。
国籍や人種、宗教等に依存し、あたかもそのコミュニティ全部が否定されたような言い分。
さらには自分の犯した失態や不適切な発言は棚に上げ、まわりのなんとも思っていないような人間を巻き込み大変な事態にまで発展させてしまうというバカっぷり。
私は西オーストラリア州のバンバリーという小さな街のバックパッカーホステルに住んでいます。
せっかくこうやって多種多様な人種が集まってオーストラリアという他民族国家で共同生活をしているのだから、自分から異文化に歩み寄り、人種や国籍間の違いの知識を得るべきだと私は思います。
なのに…
なのに…
宿全体を巻き込む世界対戦を引き起こした男がいたのです。
世界対戦の登場人物
韓国人カズユキ
- [カズユキ(韓国人)]
彼は私がこのワンダーインという最高の宿にはじめてチェックインした時からとても仲良くしていた男です。
私のひとつ年下で同時28歳。
いつも極端なほどの優しさを振り撒く彼をみんながしたっています。
もちろん私も彼の柔らかい性格とすべてを包み込むような大人な性格に惹かれてとても仲良くしていました。
バンバリーにはミートファクトリーがあるため多くの韓国人が住んでいますが、そのほとんどは韓国人だけでシェアハウスを借りて韓国人だけで住んでいます。
しかし彼は韓国人のその「外国に来てまでも自分たちだけで群れる」という閉鎖的な性格が嫌いなので、こうやって多くの人種が集まるバックパッカー宿に住んでいるそうです。
彼のマエダ・カズユキというジャパニーズネームもある日本人からつけられた名前だそうで、他国民に対して非常に友好的です。
それほど私がイメージしていた韓国人像とカズユキの性格は大きく違っていました。
▼それまで私が思っていた韓国人像
デンマーク人スネオ
- [デンマーク人スネオ]
彼もまた私のバンバリー生活初日から仲良くしていた男です。
名前は彼の本名がそう聞こえたからそのままそう呼んでいます。
その長身でイケメンすぎる顔面がもったいないほど、根暗のもじもじ男。
日本のアニメオタク。
さらに聞いたこともない日本の謎のアイドルの動画を夜通し閲覧するほどの仕上がりです。
私が日本人だというだけで興味を持ってくれたのが始まりで、それからというもの特別仲が良かったのです。
台湾人イナヤン
- [台湾人イナヤン]
私がバンバリーに住みはじめて数ヶ月が経ち、上記のカズユキやスネオなどとだいぶ親密度が深まっていた時にフラッとひとりで現れた台湾人の女の子イナヤンです。
上下グレーのスウェットに、車高をベタベタに下げたセダン車をくわえタバコで運転しながら現れた彼女の第一印象は「田舎のヤンキー」
お化粧がいつもめちゃめちゃテキトーなところも好感が持てます。
比較的おとなしめの性格でいつも静かにニコニコしている彼女ですが、それは英語が苦手なだけであってじつはなかなかの魔性の女だったのです。
ドイツ人ベンジャミン
- [ドイツ人ベンジャミン]
本来落ち着きのあるドイツ人とは到底思えない元気な19歳。
わんぱくという言葉のほうがふさわしいでしょう。
毎晩の飲酒量は異常で、酔っ払って多くの人に迷惑をかけている問題児です。
オーストラリア人イアン
- [イアン]
何を隠そう話の舞台であるこの宿ワンダーインの若きオーナーです。
イタリア人キアラ
- [イタリア人キアラ]
私のマヨネーズを直飲みしたのか1日で使い切ってしまうほどの身も心もワガママボディ。
イタリア軍団
- [イタリア軍団]
感情的で短気なやつらです。
台湾人リンリン
- [台湾人リンリン]
謎の完全メンヘラ女です。
24時間厚化粧をしている彼女のスッピンを見た事がある人間はこの世に存在しません。
日本人おしんぽこ
いつもやっちゃいけないタイミングでやっちゃいけないことをやってしまって怒られるアホな日本人です。
上記で紹介した人たちやその他の宿泊者、すべての人が互いを尊敬し合い、もともとはとても仲が良かった我々。
だからこそこのブログで何度もサイコーの宿としてワンダーインを紹介しています。
事の発端は前回ドライブに行った時に感じた1号車での違和感。
世界対戦などと大袈裟なタイトルではありますが、小競り合いのようなくだらない喧嘩が何故そうなったのか。
各々が『国名を発言しながら相手を罵倒する所を目の当たりにしてただの喧嘩ではない』と思ったからです。
人は自身を否定されるよりも、個人では変えることのできない普遍的な依存先を否定されるほうが感情的になる。
争いはいつも些細なことから始まります。
これらの多国籍な人間達が些細なことから大喧嘩をはじめてしまったのです。
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