2nd Working Holiday Visa
通称セカンドビザ。
オーストラリアのワーホリにのみ適用されるシステムで、政府指定の農場や工場で88日以上働くともらえる2年目のワーホリビザの事。
セカンドビザを取得すべく西オーストラリア州のパースに降り立ったこの私。
目的は車の購入そしてセカンドビザの取得であります。
空港でドイツの大男・ジョナス(190cm)と知り合いこれから始まる西海岸での生活に期待が膨らみます。
今回は車を買いに行った話。
前回▼
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CONTENTS
大男と共に車を見に行く
[パース2日目]
楽しそう!
今日も朝からジョナスと行動を共にします。
▼車の購入についての記事
Gumtreeと言うオーストラリアのコミュニティサイトで検索しました。
狙いは3,000ドル以下のイケてる日本車。
▼ここに条件を入力して検索
そして20分くらいでテキトーに決めたのがこちら。
- MITSUBISHI Lancer(ランサー)
- 2005年製
- 11,000km
- Rego残り2週間
- $2,200
見た目はかなりダサい昔のおっさん車ですが,Regoの期限が短い事以外はなかなかいいのではないでしょうか。
これはやめた方がいい
まず色が好みじゃない
ホイールも純正だからクールじゃない
まずランサーならリアウイングがないと!
あとこれは多分小さいから俺には…
と言う事で車の事となるとうるさいドイツの大男・ジョナスと共に電車で向かった場所はパース郊外のCannington-カニントンと言う所。
Call me when you get the station.
「駅についたら電話して」との事なので
車の所有者と連絡を取りながらカニントン駅へ向かいます。
2,200ドル!?
安い!
絶対買った方がいい!
色はダサいしホイールもダサいけど,2005年製で11万キロならありだよ!
絶対買おう!
絶対に!
値段の安さを知るなりいきなり買おう買おうと興奮してきたジョナスと30分ほどで到着。
とドキドキしながら早速車の所有者に電話してみますがここでハプニング発生。
つい30分ほど前までテキスト(SMS)でやりとりしていたのになぜか電話に出てくれないのです。
何度かけても全く出ません。
住所も教えてもらっていなかったので駅から動けないのであります。
朝からやりとりしていた感じでは,
「連絡してくれて本当にありがとう」
「ピカピカに掃除しとくね」
「駅まで迎えに行くからね」
「会えるのを楽しみにしているよ」
などと非常に感じの良い印象だったのでバックレるとは思えないのです。
しばらく折り返しの電話を待っていましたが一向に電話は鳴りません。
わざわざ来たのに
すると胴体は長いのに気が短い男ジョナスは怒りだしてしまいました。
そいつの番号教えて!
多分そいつ面倒臭くなったんだよ!
俺の番号からかけると出るよきっと!
文句言ってやる!
すぐさま電話をかけ始めたジョナス。
まあどうせ出ないでしょうと横からジョナスを見ていた所なんと彼の言う通り1回でつながったのです!
おそらくジョナスもまさか電話に出るとは思っていなかったのでしょう。
文句言ってやる!
と意気込んでいたのにビックリしすぎてテンパっておられます。
あ…ハロー…
え?
ちょ…
あの…
車を見に来たんすけど…
住所を…
駅についた事をジョナスに伝えてもらった後,今度はすぐに私の方にテキストメッセージが届きました。
xxxx xxx st, Cannington WA(住所)
You can cancel it if you want
「キャンセルしても良いよ」
と言われてもせっかく来てるし私は買う気満々なので指定された住所まで歩いて行く事にしました。
15分程歩きあと20メートルくらいで指定の住所に到着と言うところ,我々はあり得ない光景を目にしました。
ジョナス!
あれ見て!!
なんで!?
あれって……
なんとこれから見に行こうとしている車が我々二人を横切って行ったのです!
あれネットで見たやつ!
追いかけてもしょうがないのでとりあえず所有者の家に行ってみるとそこはモノが散乱したゴミ捨て場のようなシェアハウス。
そしてそこにいたのはかなりムカつく顔をした汚い黒人の男。
白のランサー見に来たんだろ?
さっき売れたぜメーン
ウッヘッヘッヘッへ
どうやら私より数分先に見に来ていた人に売ってしまったらしく,先ほどすれ違ったのは間違いなくその車だったようです。
その前に連絡くらいしろよ!
こっちはわざわざ来てんだよ!
もう売っちゃったも〜ん!
じゃあな!
分かったら帰ってくれよ!
ウッヘッヘッヘッへ!
その黒人の態度にブチギレのジョナス。
お前!
ぶっころす!
うおぉぉぉ〜!
もういいよ…
帰ろう…
なかなかこれほど良い条件の車を見つける事は難しいので,非常に残念な気持ちになりましたが
と酸っぱいぶどうの話さながら敗者丸出しで帰宅する私とジョナスでした。
Chrysler-クライスラー
[次の日]
前日は悔しい思いをしましたが、悔やんでも車は帰って来ないので気持ちを入れ替えて再び車探しをします。
Gumtreeを開いて検索した所、前日には出ていなかったとっても良い車の情報が!
- Chrysler NEON (クライスラー ネオン)
- 2002年製
- 14,000km
- Rego残り2ヶ月
- $1,800
なんと13分前にポストされた超新鮮情報であります!
なんと幸運でしょう!
とすぐさま連絡しました。
そして返事もすぐに返って来たのでさっそく出発です。
デカいくせに酒があまり飲めないジョナスは、昨晩黒人へのイライラを治めるべくワインをたらふく飲んだらしくひどい二日酔いなので今回は私1人で車を見に行きます。
懸念されるのは日本車じゃない事。
また18,000ドルだと大体20年落ちの走行距離20万kmくらいが相場なので何かあるに違いないと思わせる程の値段だったのであります。
しかし
という事で到着したのはJoondalupというパースから北へ電車で40分くらいの場所。
駅に到着したのでChryslerの持ち主へ電話をかけてみましたが…
またもや電話に出ません。
と嘆きながらも、今回は住所を教えてもらっているので直接家まで行く事にしました。
着いた場所はめちゃめちゃ金持ちであろう豪邸でした。
すっごい気が引ける!
まず玄関がどこなのか分からぬまま侵入。
気付いたらもうガッツリ敷地内です。
アメリカやったら撃たれてるわ…
と少々ビビりながら恐る恐る庭まで侵入してみると
首から指先まで落書きの様なタトゥーがビッシリ入った19歳くらいの若者に声をかけられました。
こ…こんにちは!
お姉ちゃんから聞いてるよ
車見にきたんだろ?
こっちだよ!
どうやら車の所有者は彼のお姉ちゃんらしいのですが、今日はLGBTフェスなる謎の祭に参加しているらしく弟のタトゥービッシリ君に案内してもらいます。
ビッシリ君に連れられて駐車場の様な場所へ。
ありました!
ネットで見たChryslerの車です。
形や大きさはマツダのアクセラくらいでしょう。
若干丸っこい変わった形をしています。
そんな事よりも気掛かりな事が1点。
オーストラリアに限らず海外ではこの様に個人間で簡単に車を取引します。
なのでダンボールにFor Sale等と書き外から見えるようにフロントガラスに貼り付けたりするのですが…
ネットで見た情報は1,800ドルです。
あのさ
これ3,000ドルなの?
騙された!
どおりでおかしいと思っていたのです。
こんなにいい条件の車が1,800ドルなはずがないのであります。
しかしここで食い下がるわけにはいきません。
1,800ドルは無理でもせめてあと数百ドルは値切りたい所です。
一応私1,800ドルっていう情報を見てパースからわざわざ来たんですよ
そう言いながらGumtreeのページをビッシリ君に見せてみました。
すると思いもよらぬ展開に!
マジ?
ちょっとお姉ちゃんに確認してみるわ!
と電話をかけるビッシリ君。
…
…
うんうん
…
あーそうなんだ!
OK
バーイ
3,000でも2,500でも全然買い手が見つからなかったから今日1,800まで下げたらしいよ
あんたラッキーだね
やった〜!!
とてもついています!
まだ触ってもいないのに大喜びの私であります!
しかし安い理由はお姉ちゃんが早く手放したかったことの他に、実はもう一つあったようです。
くっくっくっ
ほらここ少し凹んでるでしょ?
ここに…(笑)
くくくくく(笑)
カンガルーに蹴られた跡が(笑)
あっはっはっは(笑)
オーストラリアならではのアクシデントであります。
ビッシリ君はモロのオーストラリア英語なので何を言っているのか正直半分も分かりませんが、ボンネットを開けていろいろと説明してくれました。
また彼に運転してもらい走行もチェック。
特に大きな問題は見つかりませんでしたが、カンガルーアタックにより運転席側のサイドミラーの電気系統がイカれてるらしく、ボタンで調整する事が出来ないようです。
壊れてんじゃん!
手でやるよそのくらい
これは姉ちゃんに電話だわ!
あのさサイドミラー動かねぇぞ!
安くしてやれよ!
…
…
うん
分かった
OK
良かったね
見た目とは裏腹に誠実なビッシリ君のおかげで,なんと1,700ドルまで下がったのです!
その場で購入を決意し、名義変更の紙に記入しました。
現金での支払いを希望との事なので手付金200ドルをこの日渡し、次の日残りの1,500ドルを払って車に乗ってパースに帰ると言う流れになりました。
本当に!
お姉様にもよろしくね!
全然良いぜ!
…
あの…
あのさ…
何やらモジモジし始めたビッシリ君。
100ドルチップくれよ
もともとは払う予定だった金だから
あんたにとっちゃ別に変わんねぇだろ?
そういう事か若者よ。
気分がとても良い私はちょっと嫌でしたがもともと1,800ドルだったので惜しまず彼に100ドル渡すことにしました。
あのさ!
お姉ちゃんにはチップの事黙っといてくれよ
1,700ドルで買った事にしてくれよ
頼む!
という事でついにこの私、車をゲットしセカンドビザ取得に1歩近づいたのであります。
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ショーヘイヘイと海外初ドライブ
[次の日]
ヘイヘイ!
Good morning Shin!
彼は私とジョナスが滞在しているホステル・The Hive Hostelの住人のショーヘイ。
韓国人ですがメガネが黄色なのでショーヘイという名前がピッタリでしょう。
これから取りに行く
ヘイ!ヘイ!
マジかよ⁉︎
俺もついてって良い?
ついて来てよ!
という事でショーヘイと共に再びJoondalupへ車代の支払いと車の受け取りに行きました。
結局この日もお姉ちゃんはいなかったのでビッシリ君に料金を支払い、キーを受け取りました。
あとはそっちで名義変更の紙をポストに投函してネットから税金と手数料払って終わりだよ
ありがとう!
あと一応お姉ちゃんにキーを受け取ったって連絡しといてよ
でも……チップの事は秘密な?
男の約束だぜ
ところでビッシリ君いくつなの?
思いのほかヤング過ぎたビッシリ君と固い握手をしてパースへ向けて出発です。
海外での運転は人生初ですが、オーストラリアは日本と同じく左側走行のため思ったより難しくありませんでした。
助手席のショーヘイにGoogleマップで案内してもらいながら高速道路をひたすら走ります。
良いよなシンは!
日本はこっちと同じ左側の運転だから慣れてるだろ?
韓国は右だからさ
俺は怖くて運転出来ないよ
確かに
彼の気持ちはよく分かります。
何故なら以前カナダでワーホリ中に一度だけ運転をする機会があったのですが、カナダでの左ハンドル右側走行が怖すぎて1kmも走らぬままギブアップしてしまったからです。
などと考えながら運転に慣れて来た頃、大ピンチが訪れます。
シン!
止まれ止まれ!
なんじゃこれ!!
我々の目の前に現れたのは
Round About-ラウンドアバウトと呼ばれる日本ではお目にかかれない信号が無いタイプの交差点であります!
行っていいの⁉︎
どうなの⁉︎
ヘイヘイ!
車きてるって!
案内してよ!
知らないよそんな事!
とりあえず止まれ止まれ!
パーーーー
(後ろからクラクション)
行け行け!
ラウンドアバウトの抜け方が全く分からない私と左側走行によりパニックになったショーヘイ。
危険を感じたまらず高速道路から離脱し、路肩に停めて
「丸い 交差点 オーストラリア」
などと検索してラウンドアバウトのルールを勉強したのでした。
ルールは右側優先
慣れればめちゃ簡単でした。
なんだかんだでついに車をゲットしたこの私。
これからすぐにでも動き出したい所ですが,まだまだパースに居残ります。
その話は次回。
前回▼
次回▼