彼女のシズちゃんとワーホリ中。
オーストラリアのセカンドビザ(2年目のワーホリビザ)を取得すべく、ファームジョブを求めて訪れたバンダバーグ。
約3週間ほど滞在しましたが内容はひどいものでした。
一応頑張ってみたのですが、いい結果は得られずギブアップ。
再びブリスベンに戻りセカンドビザ取得へ向けての作戦会議です。
前回▼
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ブリスベンへ戻って大事な話
日系の仕事はもうやりたくない
バンダバーグに行く前にも3泊していたので今回で2回目のブリスベンです。
▲で泊まった宿に再び宿泊。
前回のブリスベン訪問の時は毎日歩きまわり、毎日遊んでいましたが今回は違います。
今後どうするかについて真剣に語り合うのです。
我々の状況
まず大前提としてセカンドビザを取りたい。
残りのビザの期間は6ヶ月を切り5ヶ月半ほど。
この半年弱の期間で優良ファームを探して88日間の勤務記録を残さなければなりません。
▼詳しくは▼
日数カウントは今のところ0日。
しかもまたイチからのファーム探しになるのでかなり厳しい状況ですが、これまでと違うことがひとつ。
バンダバーグに約3週間滞在してみて「ファームジョブとはどんなものなのか?」が身を持って体験したことにより分かってきたのです。
そして私の考えは「もう日系で仕事を探すのはやめよう」というもの。
海外生活といえどオーストラリアには日本語だけで働ける場所が山ほどあります。
しかしそういう場所は総じて稼げないというイメージがあるし、それが事実であると私は思っています。
またアジア人(台湾人、香港人、韓国人)が多い町も避けたいところ。
理由は上記と同じ。
さらにバンダバーグがそうであったように、我々アジア人はかなり舐められています。
特にほぼアジア人しか居ないような環境には少なからず英語力や生活への不安を抱えている人ばかりなので、そこにつけ込んだ性格の悪いやつからまるで犬同然のような扱いを受けるのです。
▼こいつは典型例【旅行記165より】
そして個人的にこういう場所にいる群れている日本人がめっちゃ苦手です。
前回の話に出てきましたが、日本人は群れると頑張る人を見下す傾向にあるのです。
また日本人は見栄を張り素直になれない生き物なので何かとやりづらい。
日系の稼げないファームにいることがそんなにうしろめたいですか?
少しでも金欲しいから泥まみれになってでも頑張るっす!
でも英語環境は怖いから日本人がいる所でお世話になってるっす!
だから全然稼げないけど我慢してするっす!
小銭でも何でも拾いに行くつもりで毎日歯食いしばって生きてるっす!
と素直になれる人は少ないです。
なので全体的に上っ面でお互いを探り合ったような薄っぺらい会話しか聞こえてこず、正直面白くありませんでした。
ということから日系ジョブからしばらく離れたいと思ったのです。
西に行きたい
ではアジア人が多いエリアを避けるにはどうすれば良いのか?
アジア人がそもそも多いオーストラリアですが、ダントツで多いのはクイーンズランド州やシドニーがあるニューサウスウェールズ州です。
【旅行記145】から始まったオーストラリア生活ですが、見事にこのふたつの州で私は生活していました。
これまでずっと可能性を止めているような感じがして、モヤモヤしてしょうがなかったのです。
もっとイケてるところがあるはず
私はみんな(群れてる日本人)と違うことをしたい
ということで私は旅行記カナダ編で一緒だった、オーストラリア経験者である伊達さんに話を聞きました。
- [伊達さん]
今どこいんの?
えぇ!?オーストラリア!?
アツ〜い!それはアツイな〜!
西オーストラリア州にマーガレットリバーっていう町があるんだけどそこアツいよ!
オーストラリアは西がアツい
伊達さんの情報によるとオーストラリア第4の町であるパースの近くの町『マーガレットリバー』のワイナリーやブドウファームがアツいとのこと。
最低時給がオーストラリアで一番高く、アジア人も少めな州。
さらにマーガレットリバーに限らず西オーストラリア州は東海岸と違って違法営業している場所が少ないのがとってもアツいとのこと。
車が必要?
そもそもバンダバーグでなぜあんな酷い目にあったのかを考えると、オーストラリアの田舎では仕事も生活も車持ちの人間に依存しなければならなかったからではないかと思います。
足が無いというだけで車持ちの人間よりも立場が弱くなり、いろんなことが制限されるのです。
仕事においての車の重要性
まだ3時間しかやってないよ?
もうちょいやるんだったら他の人に送迎頼んでください
あんたしかおらんから私も帰るっす…
生活においての車の重要性
スーパーに買い物に行きたいんすけど…
車出してもらえますかね…?
全然明日でもOKっす!
明後日でも良いっすか?
まったく自由が無い!
バス乗れば良いやん?と思いましたが、バスなどあってないようなもの。
オーストラリアの田舎でバス停は見たことはありますが、バスが走っているのを見たことがありません。
チャリンコ買えば?という意見もありそうですが、仕事に行くだけで片道100km自転車を漕ぐのはかなり厳しい。
うふふ♡
しょうがねぇなぁ♡
こうやって甘えられる人には車は必要ありませんが、私には無理なのでオーストラリアの田舎での生活には確実に車が必要だということが分かりました。
シドニーの咲良レストランで作った貯金は9,000ドル。


ゴールドコーストやブリスベンでまあまあ使ってしまいましたが、バンダバーグではかなり節約生活をしていたのでまだまだ残っています。
つまり「まだお金があるうちに車を買って自由にファームジョブをやりたい」と考えたのです。
東海岸の州と違い、西オーストラリア州ではRWC(車検)が必要なく、激安でストレス無く車を所有できるという情報もゲット。

それも含めての西オーストラリア州行きを希望していたのです。
まとめると、アジア人が少なくて、賃金が高くて、アツいらしい西オーストラリアに行って、車検いらずで車を購入して、セカンドビザのカウントも間違いなくしてもらえる合法ファームを探す。
これをやりたいというのが私の希望であり、バンダバーグでの生活を経て私が思ったことでした。
超超超急展開!?

西オーストラリアに本当にそんなオイシイ仕事があるのかどうか、行って見ないと分かりません。
しかし日本人やアジア人だらけのクイーンズランドでくすぶってるよりも、全然違う場所でガンガン攻めたほうが楽しくて充実した残りの半年が過ごせそうな気がします。
たとえセカンドビザが取れなかったとしてもです。
どうですか?
彼女のシズちゃんとともに行動してきたので、私の思いつきだけで判断し決定することは出来ません。
真剣に考えて思ったことを伝えました。
あれ?
あんまり乗り気じゃない?
この7ヶ月ほど前にバンコクでシズちゃんと知り合った時から、私が何を言っても彼女はついて来てくれると思っていたのかもしれません。
ラオスに行く時に誘ったも一度はボヤっとされてしまいましたが結局ついて来てくれたし,その後も日本の仕事を辞めてワーホリビザを取ってシドニーまで来てくれました。
なので「今回もまたノリノリで私についてきてくれる」そう思っていました。
それでも不安なことには変わりない
稼げなかったとしてもバンダバーグの時みたいな
日本人がいるところがいいな
海外での車の運転も不安だし、車代を回収できるくらい稼げる仕事を見つけられるかどうかも不安
それに日本人とかアジア人が少ないんだったら、英語力もコミュニケーション能力もこれまで以上に必要になるでしょ?
それもすっごい不安だよ
バンダバーグ戻りはないよね?
意見が割れた!だと!?
ここまでシズちゃんと意見が分かれたのは間違いなく初めてです。
また同時に「これまで私の一方的な意見を彼女は仕方なく飲んでいて、それであたかも『話があうね』ともとから意見が同じだったかように私が勘違いしていたのではないか」と思ってしまいゾッとしました。
しばらく話は進まず無言の時間が流れますが、シズちゃんは予想だにしなかったことを話しはじめました。
シン君はバックパッカーだしひとりでいろいろ動いたほうが上手く行くんじゃないかな?
それに「ふたり同時に同じ仕事を」ってなるとひとりよりも難易度はかなり高いと思うよ
私のことなんか気にせずに西オーストラリアで思いっきりやってほしいし、私も不安だらけの中興味ない所に行くのは嫌なんだ
そしたら2年目からまた1年間、ゴールドコーストでにも行って一緒に生活すればいいじゃん
あぁゴールドコースト…
そうか…
まさか彼女の口から『別行動』という言葉が出てくるとは思っていなかったのでかなり驚きました。
そもそも【旅行記161】でゴールドコーストに行くまで私はセカンドビザになど興味がなかったのです。
しかし現地の雰囲気がとても気に入った我々は急遽セカンドビザ取得のために動き出したのです。
いやここまで来ると『我々』というよりはゴールドコーストを気に入っていたのは『私だけ』だったのかもしれません。
セカンドビザのことで夢中になり、ゴールドコーストのことはすっかり忘れてしまっていたこの私。
シズちゃんの発言により目的を思い出したのです。
ただこの話を彼女から聞いた時、正直ホッとしたのを覚えています。
口では一緒にいよう!と言っていましたが、じつは私も同じようなことを考えていたのです。
しかしシズちゃんが日本の仕事を辞めてまでオーストラリアに来ているのは、私が無理やり巻き込んだようなもの。
さらにシドニーでは私の愚かな意地っぱりで彼女を悲しませたこともありました。
ここに来てさらに別行動しようなどと口が裂けても言えなかったのです。
しかしこれまで私の話を一度も否定することなく、すべてを受け入れてくれていたシズちゃんと始めて意見が食い違ったということは、彼女は本気です。
3週間前にノリノリで訪れたブリスベンですが今回は真剣な話し合いの毎日となりました。
そして話し合いを経てついに我々は別行動をとることに決めたのでした。
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ブリスベン空港涙の別れ
1年目のワーホリビザの残りは5ヶ月半。
5ヶ月半の間に88日間の日数カウントを終わらせてシズちゃんに会いに行くと決めました。
シズちゃんはこのままブリスベンに残り、クイーンズランド州で仕事探し。
私は西を目指しブリスベンの空港からパースへ飛びます。

彼氏なんだから〜♡
いつもは泣き虫のシズちゃんでありますが今回は泣かないようです。
29歳にして初めての海外、タイで初日から泣いていた頃を思い出すとシズちゃんは本当に強くなったなぁとこの時思いました。
どっちが先に88日終わるかな?
勝負だよ!
早く88日終わらせた方に航空券奢ること!
こっちだって頑張るよ
シズちゃん、何にせよ気をつけてね
まだ出発の時間まで1時間以上ありますがシズちゃんはもうブリスベンの街に戻るとのこと。
早速仕事探しをするそうです。
最後に握手をして何を言ってお別れしたかは覚えていません。
チェックインカウンターから最後にもう一度手をふろうと振り返ると、もうエスカレーターのほうへ歩き出していたシズちゃん。
遠くから少しだけ見える横顔はさっきまでニコニコしていた人とは思えないほどに悲しい表情でした。

シズちゃんの泣き虫は全然治っていません。
私はこの時シドニーでシズちゃんと話さなくなった1ヶ月間のことを少しだけ思い出しました。
彼女もまたこの日、うっすらとあの時のすれ違いを気にしていたのかもしれません。
そして何かを覚悟した上で『別行動』を提案したのかもしれません。
この鼻水まみれでグシャグシャの泣き顔が私が最後に見たシズちゃんだったということに気づくのはもう少しあとの話です。
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