オーストラリア最大の都市・シドニーでワーホリが始まりました。
週60時間働く私にとって週に一度の休みというものは非常に貴重なわけですが、わけわからんインドネシアのおっさんと過ごし、時間を無駄にしてしまった前回。
相変わらず無一文でギリギリの生活をしている私ですが、今回急展開です。
前回▼
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シズちゃんがオーストラリアへ
シドニーでの無一文生活を始めて2週間ちょい。
ついに!ついに!ついに!
私は最初の給料をいただくことができたのです!
私は生きてる!
私が働いているジャパレスは2週間払いなので2週間分の給料をもらいました。
金額にして1,600ドル(当時のレートで13万円くらい)
これで「一文無しの私vsオーストラリアワーホリ 」の勝者は私です。
ところでラオスにいた【旅行記133】でシズちゃんという彼女ができたのですが、バンコクで一旦別行動になっています。
バンコクで一旦別れたあとも我々は連絡を取り続けており、関係は悪くなかったと言えます。
そんなある日。
すぐ取れた!
今ねぇ航空券見てる
こっちの仕事も今週いっぱいで終わりだから
やった~!
なんと!
シズちゃんが日本の仕事を辞めてシドニーに来ることになったのです!
「来てくれたら嬉しいなぁ」とほのめかしてはいましたが、まさか本当にオーストラリアまで来てくれるとは!
旅先で知り合ったバックパッカー同士のカップルのほとんどはうまくいきません。
なぜなら旅先で出会ったということはお互いもともとの目的が違うし、また移動ばっかりでなかなか一緒にいられないからです。
しかし一方が歩み寄り、自分の生活を変えることを選択すればそれはまた違う話です。
ワーホリはこれまでのバックパッカー旅行と違い、定住して仕事をして『生活』をする感じになります。
シズちゃんがシドニーへ来るということで、私はふたりで住むためのシェアハウスを探すことにしました。
シドニーの家賃の高さは異常
もし日本で一人暮らしをするための最低限の部屋を借りるなら、最安値で地方で月3〜5万、都内など都市部で5〜10万円ほどではないでしょうか。
しかもそれらにはすべて自分専用の玄関、トイレ、シャワー、キッチン、が備えられての話です。
しかし日本以外の多くの国々ではシェアハウスが主流なので、基本的には全部が自分専用というわけにはいかず、自分の寝室以外はハウスメイトと共同で使うことがほとんどです。
またシドニーでは、シェアハウスなのにバックパッカーホステルのドミトリールーム(相部屋)のようになっている家もよく見ます。
※法で定められた定員を大幅に超えた人数を住まわせて各々の負担を少なくし、違法的に家賃を徴収しているシェアハウスも少なくありません。
ドミトリーハウスが多すぎてオウンルーム(専用部屋)という言葉まである始末。
ワーホリカナダ編で家探しをしていた時には、すべてがその『オウンルーム』だったので、そもそもそういう言葉自体を聞きませんでした。
それらを踏まえると上記の通りシドニーの家賃の高さは異常です。
【例】
狭い部屋に6人ギュウギュウ詰めのドミトリールームのベッドひとつ分の金額
週150ドル(月600ドル=50,000円)
立地は最悪、窓無し激狭汚めオウンルーム
週230ドル(月920ドル=78,000円)
ちゃんとした普通の部屋、それでも部屋以外は共同、それなりにちゃんと汚い
週310ドル(月1240ドル=105,000円)
またオーストラリアでは入居前に『ボンド』という敷金のようなものを払う必要があります。
だいたいボンドが家賃の2週間分、そして入居前に最初の2週間分も初期費用として払うことが多いので、家賃250ドルの場所であれば最初に1,000ドルが必要になるのです。
さらに住み始めて2週間後には次の2週間分を支払うため、再び500ドルが必要になります。
これらを知って私は「本来旅行者や一時滞在者が泊まるはずであるバックパッカーホステルになぜ長期で住んでいる人が多いのか」の理由が分かりました。
などを駆使して休みの日や午前中の空いた時間を使ってシズちゃんとふたりで住むための部屋を4件ほど見てまわりました。
そして決めたのは見た中で最安だった日本人が運営しているシェアハウスです。
家賃は2人で300ドル
初期費用は1,200ドル
そして命をかけて労働を繰り返し、最近やっといただいた私のお給料(全財産)は1,600ドル。
シズちゃんはまだシドニーに到着していないので私が一括して払うことになり、残金は再び入国時と同じ400ドルになりました。
▼住む場所はここらへん
シドニーのど真ん中なので立地はかなり良いと思いますが、じつはそこには大きな問題がありました。
その話は次回。
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良いホステル Captain cook hotel
シズちゃんと住む家も決まり、入居日は彼女がシドニーに到着する日になりました。
それまでは今まで通り、イケてる仲間達とともに暮らしているCaptain cook hotelに住み続けます。
しかしこのホステルは『契約した新居』から離れすぎているので入居2日前にチェックアウトして、新居の近くのホステルに移動しました。
入居日の朝はシズちゃんを空港まで迎えに行くので、市内中心部にいた方が良いと判断したのです。
【旅行記149】で明らかになった私のルームメイト達の優しさにより、ここCaptain cook hotelを去るのが惜しい限りでありますが、私は行かなくてななりません。
元気でね!
楽しかったよ!
毎日長時間働いてるけど無理すんなよ
困ったことがあったら連絡してくれ
もっと金稼いでいっぱい食えよ
ガッハッハ!
またビールでも飲もうぜ!
悲しいなぁ元気でね(泣)
お腹空いたらうちの店からフォカッチャ100個持ってくるから連絡してね!
彼らのおかげで私のワーホリは良いスタートを切れたといっても過言ではありません。
オーストラリアの安宿の実態のひとつとして『ともに生活をする仲間ができる』というものがあげられます。
このような経験はホステルのような安宿に泊まらないとできません。
しかしこのCaptain cook hotelは海外で稀に見る良いホステルでした。
こういう良い環境に慣れてしまうと『次に泊まる宿で受けるダメージ』が大きくなるのは言うまでもないでしょう。
例えそれが一般的なよくあるホステルだとしても…。
悪いホステル NOMADS WESTEND HOTEL
私が新居入居前に移動したホステルは『NOMADS WESTEND HOTEL』という市内中心部にある大型のビル型ホステルです。
ここには新居へ移動するまでの2日間滞在しましたが、もう何もかもが最悪だったのです。
すべてのエピソードを書くとそれだけで3記事くらいになりそうで、旅行記が進まないので今回は簡単に紹介します。
エレベーターが壊れている
この宿は13階くらいあるビルで、おそらく200人以上は泊まれるような大型のホステルなのですが、なんと上の階に行くエレベーターが2個しかありません。
しかもひとつ壊れていて実質ひとつしかないようなもの。
毎度エレベーターには長蛇の列ができるのです。
何階だったかは忘れましたが、私が泊まっていたのは上の方でした。
ある日の朝、なかなか来ないエレベーターを待っていました。
仕事に遅刻する〜!
そして5分ほど待ったあと、ついに私の階でその唯一のエレベーターが停まったのですが、すでにエレベーター内は120%の宿泊者でパンパンだったのです。
「こっちはもうパンパンなんだからお前は乗ってくんじゃねえぞ!という彼らの無言のメッセージを感じ取り
と言い残して、延々と鳴り響く『エレベーターの警告音』を聞きながら階段を駆け降りたのでした。
警告音がピーピー鳴りながらもちゃんとドアは閉まり、ちゃんと動くその唯一のエレベーター。
「おそらくもうひとつが壊れた原因はそこにあるのだろう」と考えると背筋が凍ります。
キッチンが地獄絵図
『食べたあとはお皿を洗う』という文化は日本だけなのかな?
と勘違いしてしまうほどに誰も皿を洗いません。
鍋もまな板も包丁も使ったらそのままなのです。
シンクや作業台などは基本的に使用済みの物であふれています。
私は日本食レストランで働いていて、1日2食ほどまかないを食べることができるのでこのゴミ置場のようなキッチンを使うことはほぼありませんでしたが、コップとお湯くらいは使いたい。
そこで私はいわゆる『ガイジン』の性格を再確認しました。
パスタを食べたあとのようなトマトソースがべったりと付着した皿を持った『栄養満点系デブ女』が機嫌が悪そうにうろうろしています。
おそらく「なんでみんなお皿洗わないの!?次の人が大変じゃない!」といった感じだろうなと思っていたのですが、私は衝撃の光景を目の当たりにしたのです。
なんて狭いキッチンなの!?
お皿置くところがないじゃない
と言い残し、なんとそのお皿を静かにゴミ箱へ入れたのです。
まず自分が皿を洗うという感覚は持ち合わせておらず「皿をテーブルに置きっ放しにしないだけましでしょ?」みたいな顔で去っていきました。
他の宿泊者も基本的には皿を洗うような人間はおらず、深夜は足の踏場がないほどに地面まで使用済みの皿や調理器具で溢れているのです。
これを10箇所くらいに貼ってる意味はなんですか?
そのくらいの民度と表しましょうか、アニマルに近いような人間が都市最安の宿に集まるのです。
治安が悪い
オーストラリアはめちゃめちゃ治安がいい国です。
そしてシドニーも悪い噂はあまり聞きません。
しかしこの宿だけはかなり治安が悪いと言えるでしょう。
まずその要因のひとつは飲酒
このNOMADS WESTEND HOTELの近くにはNight Club(日本でいうクラブ)がいくつかあります。
それらで遊んだ若者が『寝るためだけに帰る宿』という意味ではこの宿の立地は完璧でしょう。
しかしクラブで興奮し、感情的になった彼らは毎晩誰かと言い争いをします。
そして外では叫び、ビール瓶を地面に叩きつけたり、通行人に絡んでみたりとガラの方が大変悪いのです。
次に黒人の出入りが甚だしいこと
別に私は黒人を差別しているわけではありません。
モノを盗り、人を傷つけ、法を犯す人間が黒人に多いという統計上の事実から私は彼らを基本的に避けます。
NOMADS WESTEND HOTELのエントランス(玄関)には深夜帯になるとセキュリティがつきます。
しかし彼は黒人。
基本的には宿泊者以外の部外者は中に入れないようになっているのですが、それが黒人であれば平気でドアを開けて中に招き入れます。
黒人にとって黒人は特別なのです。
移民の多い国で生活をしたことのある人なら見たことがあるかと思います。
街で黒人が黒人を見つけると、あたかも元からの知り合いだったかのように拳を合わせ会話をするところを。
24:00をすぎると1階ロビーに明らかに宿泊者ではないような黒人がうじゃうじゃと現れます。
女性宿泊者に片っ端から声をかけたり、何食わぬ顔で宿泊者に大麻やコカインを売ろうとしているのです。
客を選ばない宿側のスタイル
どんな安宿でも基本的には客は売り上げなので追い出すようなことはしません。
しかしそれでも宿側は我々宿泊者が思っている以上に客を見ています。
特に「手ぶら素足系・路上おじさん」や「脳内お花畑系・何かしら中毒者」が予約無しで現れた場合には高確率で宿泊を拒否するでしょう。
それはその人たちが金を持っていてもです。
しかしこの宿は来るもの拒まずといった感じで、建物内に宿泊者としての『ヤバめの人たち』がかなりいます。
そういう人種がいるだけで「ものを盗られないか」「無駄に絡まれたりしないか」
と不安でなかなか眠りにつくことができません。
しかしここはシドニー最安宿なので何が起きても文句は言えないのです。
風紀が乱れすぎている
私のベッドは2段ベッドが16台置いてある、32人部屋です。
ちょっと多すぎませんか?
もちろん宿の各部屋の中で最安です。
そしてもちろん悪臭で空気も悪いです。
さらに私のベッドは中央の壁無しのベッド。
しかも上段。
シドニー最悪の宿の最悪な部屋の最悪なベッド、つまりシドニーで一番最悪なベッドです。
後にも先にもここまでめちゃくちゃな宿には泊まったことがありません。
[24:00]
私が仕事から帰り、シャワーを浴びて寝ようとしていたころ。
私の下のベッドの男が帰ってきました。
会ったことがないのでどういう人間かは分かりませんが、英語圏出身の白人なのは間違いありません。
なぜなら尋常じゃない白人のワキガ系の体臭が私の方まで漂って来ているからです。
また本人は小声のつもりでしょうが、ガッツリ聞こえてくるのはネイティブの英語でした。
彼はこんな夜中に誰と話しているのかというと女です。
連れ込んだ女です!
32人部屋に!
こんな夜中に!
みんな寝てんのに!
普通女連れ込むかね!?
……It’s OK……
……コソコソ
なにもOKじゃねえぞ!
私は二段ベッドの上で寝ようと試みますが、まったく寝れません。
なぜならお分かりの通り彼らはしっかりと営んでいるからです。
32人部屋の中央で。
結局私は彼らの営みが終了するまで、震度3ほどの中耐えました。
そして終了後は、彼らの『まどろみタイムのトーク』によりイライラMAX。
非常におとなげないですが、寝たままベッドにかかと落としをして黙らせたのでした。
▼この意味不明な画像を見てもらうと分かっていただけるでしょう。
いや2つ星やん!?
1泊の値段に2〜3ドルプラスするだけでCaptain cook hotelのようなイケてる宿に泊まれるのだから、今後はどの国どの町に行ってもそこで一番安い宿に泊まることはやめようと誓うのでした。
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