オーストラリアのシドニーでワーホリが始まりました。
アホな私はほぼ無一文でスタートしたのですが、シドニー到着2日目に運良く
『Restaurant Sakura-咲良レストラン』という日本食レストランで仕事が決まりました。
今回のワーホリはカナダの時のような絶望感は無く、むしろ調子が良いようです。
今回はシドニーのカフェ事情とそこで知り合ったインドネシア人のおっさんとの話。
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オーストラリアのカフェ事情
仕事が始まり1週間が経ちました。
この日は咲良レストランで働き始めて最初の休みです。
給料日はまだ先なので相変わらずの無一文には変わりないのですが、せっかくシドニーに来ているんだしということで出かけることにしました。
しかし金を使えないとなるとお出かけ先の選択の幅もグッと狭まります。
熟考した結果カフェにコーヒーを飲みに行くことに決定しました。
イメージが無いかも知れませんがオーストラリアはコーヒー大国です。
ブラックコーヒーをロングブラックなどと呼んでみたり、マグカップではなくガラスのコップにラテを注いだり、マイカップ持参でそれにコーヒーを注いでくれたりと、やっぱりちょっと変わっています。
またあのスターバックスが撤退するほどにローカル経営のカフェで溢れています。
完全撤退ではありませんがオーストラリア国内はわずか39店舗、大都市であるシドニー中心部には7店舗しかありません。
(ニューヨークマンハッタン240店舗)
(ロンドン中心部200店舗)
(東京都内 330店舗)
あのスタバに「オーストラリアでコーヒー屋展開すんのマジしんどい」とまで言わせるほどのオーストラリアのカフェ文化に触れるべく、私はこの日あるカフェへ向かいました。
Cafe Delapan

【旅行記146】で仕事が決まった祝いにコーヒーでも飲もうと、なんとなく入店したカフェがありました。

私が寝床としている宿から歩いて10分の場所にある『Cafe Delapan-カフェデラパン』です。
[AM9:00]
キミはこないだのジャパニーズ!
大盛りラテを下さい
なんか食べるか?
じゃあテラス席に座っといて!
なぜこのカフェを選んだのか、理由は3つ。
①混んでないし入りやすい
②他のカフェが1杯4ドルなのにここは2.5ドル
③そして3つ目は…
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あわよくばという気持ち
前にカフェデラパンに来た時のこと。
▼【旅行記146】より
私はカフェでコーヒーを飲むことにしました。
優しそうな東南アジア系のおじさんがひとりでやっている小さなカフェです。
あれ?日本人?ワーホリ?
フルタイムやけど
なんということでしょう。
たった今仕事が決まったばかりなのにこんな所で仕事のオファーが!
しかしやすえさん(咲良レストランオーナー)を裏切るわけにはいかない!
ということで万が一咲良レストランが私に合わない、もしくはまったく稼げないことも想定しておじさんには
とひとこと添えてカフェをあとにしました。
そう私はあわよくばここでバイトをさせてもらい、金とカフェ経験を得られないかと企んでいたのです。
もう既に咲良レストランで仕事をゲットしていますが、シフトには余裕がありました。
咲良レストランでの私のシフトは基本的に昼から夜まで。
週に2回ほど早番で朝8時からですが、人員を要するのは夜の時間なので早番以外は午前中に余裕があったのです。
咲良レストランにはもう既に週60時間というとんでもない時間数をシフトに入れてもらっているのですが、一度金を貯めると決めたら掛け持ちだろうが長時間労働だろうが持ち前のタフさでガンガンやりたいのです。
空いている午前中に週2~3日、1日3~4時間カフェで働けないかと考えていました。
いきなり「仕事くれ!」とがっつくのも良くないので世間話から始めることにしました。
私はシンです
いい名前だな!
わしはデンデン
インドネシア出身だよ
デンデンて!
かわいい!
デンデンはインドネシア人で、何十年も前の子供のころに親父とともに船でオーストラリアに不法移民してきて、そのままシドニーで市民権を得た『無理矢理永住権ゲット系アジア人』です。
非常に優しい性格で、すぐに仲良くなりました。
「ここでバイトさせてください」を自然な流れで言うためにまずは距離を詰めようとしていたところ…。
見つかったか?
なんとデンデンの方から仕事の話題に切り替えてきたのです!
見つかったか?
ぼちぼち…
スタッフ探してたよね?
見つかったの?
シン、お前やるか?
これは!
もうこのタイミングしかない!
ジワジワと攻める予定がデンデンのほうからいきなり仕事に誘ってくるという思い掛けない事態に少々取り乱しましたが、落ち着いて私の希望を伝えました。
すっごい不服そう!
この段階ではすぐに掛け持ちバイトは決まらず。
エロい話だったりうんこの話だったりと、しょうもない方向へ話がそれてしまったので仕事の話はここで一旦終了。
デンデンの本業
わしには本業がある
ウェアハウス見にくるか?
12:00にはカフェを閉めたデンデンおじさん。
路肩に停めてあったデカい車に乗せてもらい、その本業とやらを見に行くことになりました。
デンデンは「カフェは趣味みたいなもの」と言っていましたがどうやらその通りのようで、私が来店した9時から5〜6人くらいしかお客さんは来ていません。
しかも12時にはもう店を閉めちゃうというやる気の無さに私は
と思いました。
車を走らせて20分後。
Google Mapsで見ると空港の近くのようで、かなり郊外まで来ていました。
ここが俺のウェアハウスだ!
ウェアハウスとは倉庫という意味。
何やらバカでかい工場のような場所に連れてこられたのですが…。


どうだ?凄いだろ?
これは全部服だよ
デンデンの本業とは古着卸(おろし)&輸出だったのです。
このウェアハウスで仕分け、選別し、主にアフリカへ送っているそうです。
これひとかたまりいくらで売れるんですか?
まあまあまあ
返事を濁してる!
儲かってるんですね!?
儲かっちゃってるんですね!?
本当に▲の絵のような感じで、大量に積んである人の身長ほどもある筒に大量の古着が詰め込んでありました。
この倉庫はまだまだ奥行きがあり、さらに2階も見せてもらいましたが何トンもの衣類が山積みにされていたのです。
ところでこの大量の服たちはどこから来たのでしょうか?
どこからこんなに大量の服が集まるの?
え?
あっお茶飲む?
うわっ!また濁してる!
さっきあんたんところでコーヒー飲んだからお茶いらん!
怪しい!
デンデンさん!
あんた怪しすぎるぞ!
なんとなく行ったカフェのおじさんがまさかこんなドでかいビジネスをやっていたとは思いもしませんでした。
私は彼のカフェや倉庫に『美味しい仕事のニオイ』をガンガン感じざるを得ませんでした。
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無駄な1日
もうこの際はっきり言うことにしました。
私は何か掛け持ちバイトがしたいのです。
私、働きたいです
運転とかもできます
相変わらず濁しがち!
倉庫のことははっきりしないので、カフェでの私の希望をもう一度伝えてみます。
週2〜3日、午前中に3〜4時間!
ジャパレスの仕事があるんで!
時間、メニュー、スタッフ全部任せるから全部好きにしてよし
でも赤字なら給料ゼロ
大赤字はそれなりの罰金
気に入ったらわしと物件の契約変えてもええぞ
まあそん時はいくらかもらうけどな
あんたそれ
カフェ売りたいだけやないの?
儲かっていないカフェをめんどいから誰かにやって欲しい。
あわよくば店自体を売ってスッキリしたい。
古着のほうが儲かっているからそっちだけやりたい。
彼の思惑のカモにされていただけの私は途中で帰宅を申し出ました。
どうやら『あわよくば』と企んでいたのは私だけではなかったようです。
結局何も生まれず、何ひとつ得ることなく、貴重な休日をただインドネシア人のおじさんと過ごしただけという結末です。
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