オーストラリア西海岸の町バンバリーに滞在しています。
ワンダーインというバックパッカーホステルに泊まっていますが、私はここで数多くの人と出会いました。
今回はその中でも1番パンチが効いている男と遊びに行った話。
前回▼
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フランス人イルワ
▼いつも仲良くしている6人
- [いつものメンバー]
この人たち以外で私が1番仲良くしていたフランス人の男がいます。
彼の名前はイルワ。
- [イルワ]
とにかくやることなすことすべて笑えるサイコーの男です。
彼は将来フランスに帰って弟とビジネスをするためにオーストラリアへ荒稼ぎしに来たらしいのですが、そのためにとにかく毎日節約しまくっています。
破れた服もそのまま着ていたりするので、針と糸を持っていた私は何度も縫ってあげていました。
悪いけどこれ縫ってくれない?
いいよ〜見せて…

新しいの買えば?
節約だ!いひひ!
とにかく節約にストイックな男イルワ。
バッセルトンジェティ

休日にイルワと遊びに行ったことがなかったので、以前イタリア軍団のせいで流れてしまった釣りをやろうと誘ってみました。
単なるアクティビティが目的の私とは違い、魚をゲットしたら食費が抑えられるぜと意気込むイルワ。
お互い仕事をしているので道具は平日に時間を見つけて各々で揃えるということにして迎えた週末。
石川ちゃんを誘って3人でバッセルトンへ向かいました。
- [石川ちゃん]
バンバリーからは1時間もかからずに到着しました。
ここは「千と千尋の神隠し」のモデルになったと言われている桟橋・Busselton Jetty-バッセルトンジェティがあります。
▼バッセルトンについてはこちら▼

ここから釣り糸を垂らして釣りをするのですが、意味不明男イルワは謎の道具を持ちこんでいました。

カニをとるんだよ!
この網の中にエサを入れたらカニが寄ってくるって作戦よ!
この男!本気だ!
釣竿は?
この男!網だけで挑んでいます!
イルワは網をセッティング、私と石川ちゃんは釣竿をセッティングして釣りがスタートしました。
バッセルトンジェティの周辺には飲食店がいくつかあります。
網を沈めたあと暇をもてあますイルワは我々のために高そうなデッカイサンドイッチを買ってきてくれました。
普段の自分の生活は死ぬほど切り詰めて、こういう時には平気でお金を使うあたりが彼のいいところです。
比較的よくしゃべる我々3人。
ダラダラしつつもとにかく楽しい時間が流れます。
[1時後]
やったぁ〜!
すげー!
早くも3匹目を釣り上げた調子いい石川ちゃん。
私はまだゼロです。
イルワにいたっては釣竿を持っていないので網の前に座りこみワインを飲んでいます。
1時間ほど網を沈めていたので一旦引き上げてみます。
バサァ〜ッ!
手のひらサイズのカニが1匹!

あと!キモい魚!

この魚何か知ってる?
見た事もないな
毒があるかもしれないからリリースするわ
そう言ってキモ魚を掴み海へ投げるイルワ。
網の中にエサとして入れておいた鶏肉はたったの1時間でなくなっていました。
全部のエサ投入だ!
ビニール袋から大量の鶏肉や豚ロースやむき海老などを網に敷き詰めるイルワ。
おそらくポーカーで序盤にオールインしちゃうタイプのギャンブラーです。
しかし10分ごとに網を引き上げるとそのたびに大量のカニがくっついています!

結局3時間でとれたカニは30匹。用意しておいたクーラーボックスはカニでパンパンであります。
釣竿貸してくれ
一仕事終えたイルワは今度は釣りをしはじめました。
取り出したのはどこから仕入れてきたのか、デッカいなんかの魚の頭。

エサの重みだけで私の細い竿はだいぶしなっています。
私はこのアホな男が大好きです。
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魚群とイルカとイルワ
バンバリーから車で1時間のバッセルトン。
このあたりの海にはイルカが生息しています。
バンバリーにはドルフィンセンターというイルカとのお戯れが可能な場所があるほど。
夕方。
日が暮れはじめ、そろそろ帰る雰囲気になってきた時!
バシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャ
すごいいっぱい!
なんとものすごい魚群が我々のもとへ現れました!
さらにそれを追って来たイルカの大群まで我々の足元に現れたのです!
生まれてはじめて見る至近距離のイルカに大興奮の我々!
そして感極まった男がついに!
(イルカを捕まえてやる!)
イルワ!ココニいるわ!
バッシャ〜ン!
私が教えた日本語ダジャレを叫びながら勢いよく飛び込んだイルワ!
イケるとでも思ったんか!
終始笑いが止まらない面白すぎる1日となりました。
面白い人間とは
この時期はまだ私がクリーナーの仕事の掛け持ちを始める前、毎日午後が暇だった時のこと。
彼は工事現場で働いていて、起床時間が私と同じだったので毎朝宿のキッチンで顔を合わせていました。
お互い仕事が終わったら14:00ごろに集合し、ワインをひとり1本ずつ持って宿から徒歩2分の場所にあるビーチへ行きます。
夕日が沈むまでに飲み切って、ベロベロになってふたりで帰るという遊びを毎日していたのでした。
いつもは宿でもおとなしく、将来やる地元でのビジネスのための貯金だけにストイックなイルワ。
同じフランス人やまわりのヨーロピアンとはあまり関わらない彼ですが、近づいてみるとこんなにも面白すぎる男だというがわかりました。
常に本気で一生懸命、後先考えず突拍子もない行動に出るイルワのような男なら何をやっても成功するでしょう。
そして面白い人間とはだいたいそういう男です。
私のようにいつも中途半端でなんとなく生活するくらいなら、彼のようにめちゃくちゃに生きた方が自分もまわりも楽しくなるだろうと前向きな気持ちにさせてくれる出会いでした。

全部茹でちゃったの⁉︎
今日はカニパーティだ!
宿で1番大きな鍋にお湯を沸かして一気に全部のカニと魚を茹でたイルワ。
この日はワンダーインでカニパーティが行われたのでした。
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