『アーサーの王座』という丘を登ったエディンバラ最終日。
標高250mの丘といえど、その過酷さはもはや登山に近いものがありました。
なぜならマンチェスターから抱えていたヒザ爆弾(旅行記114より)がとうとう爆発してしまい、今度こそ再起不能を覚悟するほどの致命傷となってしまったのであります。
そしてついに2週間生活を共にした旅の相棒・竜ちゃんとエディンバラでお別れ。
アホな竜ちゃんは一回出発したと思いきや、バス乗り場が分からずエディンバラにもう1泊することになりました。
そして次の日の朝、今度こそ彼は本当に宿を出て行き、またひとり旅が始まるのでした。
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膝の状況
私の左膝は少しでも力が入ると激痛というかなりヤバい状況。
私の昔からの友達『整骨院のタッチ君』が言うには
とのこと。
私はこれまでの人生『体を動かしてナンボ系サービス業』の人達と多く関わってきました。
そしてその多くの大人たちはこう言います。
つまり人間生活において膝や腰は非常に重要なパーツであり、もし不具合が起きればまともな生活は今後送っていけないということです。
特に立ち仕事で食っていた人の場合は、仕事ができなくなるので『命に関わる問題』であります。
と思っていましたが、自分の膝がぶっ壊れた今、その理由が痛いほどに理解できるのです。
実際痛いですし!
まず何かつかまるものが無いと立ち上がれません。
左足を地面につけた時点で痛みだし、体重をかけると気を失うほどの痛みです。
竜ちゃんが山で見つけてきた杖『竜ちゃんスティック』無しでは立ち上がることは不可能であります。
さらに左足をかばい過ぎて、右足まで軽く痛みだすと言う悪循環。
もはや18kgのバックパックを背負って歩きまわるなど不可能過ぎるのです。
今後の予定
[現在地はエディンバラ]
まともに歩ける状態ではなく、またいつ復活するかも分からないので予定すらも立てることができません。
▼当初の予定はこんな感じ
これを18日間で移動し、18日後にイギリスを出てミラノに飛びイタリアを旅行するところまでは計画していましたが、そのミラノへ飛ぶ便も4日後となりました。
※イギリスのめっちゃめちゃ厳しい入国審査への対策として用意していた『ひょっとしたら使うかも出国チケット』旅行記105より
しかし4日で膝を治してスコットランドのエディンバラからロンドンへ行き、すぐさま飛行機に乗るなど無理すぎるのでイタリア行きは諦めました。
イギリス入国当初は
と考えていました。
つまりイギリス以降も旅を続ける予定だったのです。
しかし膝痛い問題によりモチベーションは下がる一方なのであります。
さらに新たな問題発生。
私はあることに気づいたのであります。
私がイギリスを旅行していた2015年当時のレートは1ポンド=182円というとんでもない高さ。
ネットバンクをチェックしてみると想像していた倍ほどのお金が無くなっていたのであります!
カナダのワーホリでめちゃめちゃ稼いだのですが、それ以降の生活であまりにも散財し過ぎた結果、残りは5,000ドルを切っています。
膝痛い問題、モチベーション無し問題、金欠問題、これらにより今後の予定は帰国ということになりました。
そうと決まればすぐにでも航空券を買いたいところですが、膝がいつ治るのか全然分からない状態なので、膝が治り次第帰国で決まりです。
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いつからいたんですか!?
私が泊まっている宿はエディンバラ旧市街の坂道をガンガン登った場所であります。
お世辞にも立地がいいとは言えませんが値段が安いので泊まっています。
やはり立地の悪さからか旅行者にまったく人気が無く、竜ちゃんがいなくなった今『6人部屋に私ひとり』という状況であります。
と!思いきや!
ひとり寝ているではありませんか!?
しかも!
ガッツリこっちを見ている!
この日の朝竜ちゃんが宿を出て行き、その後私は2~3回トイレに行ったくらいでずっと部屋にいました。
どのタイミングで入ってきたのかが不明過ぎます。
いつチェックインしてたんですか?
まったく気づきませんでした…
…
…
…
…無視かな?
バッチリ目合ってんのに。
同じ部屋に『感じの悪い男』がいるくらい別になんとも思いません。
どうせ二度と会わないんだし、物を盗ったり、騒いだりしないのであればルームメイトなど誰だっていいのです。
しかし無言でジロジロ見られるのも気持ち悪いので、膝は痛いですが部屋から出て1階ロビーに行くことにしました。
『竜ちゃんスティック』を手に取り立ち上がろうとしたのですが…
バランスを崩して再びベッドへ倒れこみます!
そしてその勢いで上のベッドに思いっきり頭をぶつけるのです
膝の痛みと頭をぶつけた痛みで立ち上がることができずしばらく横になっていると…
「クスクス」
あっ笑われてますね…。
『変な木の棒を持ったまま、立ち上がったと思ったらバランスを崩して思いっきり頭をぶつけて倒れこむ』
そりゃおもろいでしょう!
「Are… you… OK… ?」
女性の声?
いつの間にかこの部屋にいた人は感じの悪い男だと思っていたら、どうやら女性だったようです。
起き上がって見てみると、ひとりの白人女性が立っていました。
…ん~
足…ア~…ケガ…してるの?
大丈夫?
彼女はチェコ人旅行者のゾラさん。
どうやら無視していたわけではなく、英語があまり得意ではないだけのようです。
さらに感じ悪いどころか、私の足のケガを心配してくれているのであります!
ははは
アー…
そうなんだ…かわいそう…
そうだ!
何か…食べ物…買ってきてあげるね!
そう言い残し彼女は部屋を飛びだしてしまいました。
私が泊まっている宿は坂の上にあって、階段をくだらないとスーパーまでたどり着けません。
立ち上がるだけでもかなりしんどい状態で、食品類を調達するのは非常に困難なのであります。
ゾラの美貌とその優しさに”惚れてまうやろ”状態の私は彼女が買い物に行っている間はそわそわしていてもたってもいられませんでした。
そわそわ
そして約1時間後、ビニール袋に大量にものを詰めて帰ってきたゾラ。
階段しんどい…
はぁ…
買ってきたよ〜…!
感動です!感動しかありません!
見ず知らずのロン毛アジア人のために、このお美しい白人女性が息を切らせて食べ物を買ってきてくれたのであります!
わざわざありがとうございます!!
ゾラが買ってきたもの6点をチェックしてみました。
よっぽどのゲテモノじゃない限り私は好き嫌いなどないので、何であろうと美味しくいただくつもりであります。
その1
豆の缶詰
その2
超クサいサラミ
その3
フムス※ひよこ豆のペースト
その4
違う種類の豆の缶詰
その5
にんじん5本
その6
ビール6缶
まず『豆率』が非常に高いです。
そして彼女が帰ってきた時から臭っていたのは外国サラミ。
そして大きめの『にんじんが5本』というのは正直理解不能であります。
しかし!それでも私は嬉しいのです!
せっかく買ってきてくれたので文句は言いません!
しかもビールを買ってきているということは『一緒に飲みましょう!』ということではありませんか?
結局この日はゾラとふたりで部屋飲みしたのでした。
全然気づかなかったよ
彼女はお酒が入ると英語ペラペラになる系女子でした。
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