イギリスの入国審査は厳しいというのは有名な話。
みすぼらしい格好をしていると、貧乏人だと認定されて不法労働を疑われるかもしれないと思った貧乏人の私は
「あれ?大物俳優のディナーショーかなんかですか?」
と疑いたくなるほどの渋いジャケットを購入したりと、準備に準備を重ね入国審査に臨みました。
しかし意外にも入国審査は質問1個で終わりすんなり入国完了。
拍子抜けしたところで人生初のイギリス旅行が始まったのでした。
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ロンドン・ヒースロー空港からロンドン市内へ
『Oyster Card-オイスターカード』という、日本でいうSuicaみたいなチャージ型のICカードを発行し、ヒースロー空港からピカデリーラインに乗ってキングスクロス駅へ向かいました。
『Tube-チューブ』と呼ばれる独特のイギリス感を醸し出す電車に乗ります。
と聞いていたのですが、マジで簡単でした。
目的地は予約していた宿『RestUp London Hostel』
キングスクロスから今度はノーザンラインに乗り換えて約1時間で到着であります。
生の車にアナウンス「まい〜んっだがぁっっぷ(Mind the gap)」を聞けて感動したところで、イギリス初の宿へ到着したのですが…。
足臭地獄ホステル
私が予約したのはレストアップ ロンドン ホステル – RestUp London Hostelという所です。
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中心地から若干離れています。
ロンドンの中心地、それこそキングスクロスの近くにも10ポンド(当時のレートで1800円)前後の安い宿はたくさんありました。
『しかし準備おこたる系バックパッカー』の私は相変わらず何も調べずにテキトーに予約したので
と軽く後悔するのですが、チェックイン後さらに後悔するのでした。
この宿は欧米あるあるの
『修学旅行っぽい子供の集団がガンガン泊まってる系ホステル』
だったのですが、子供達以外は現地の労働者みたいな『スパイシーなおっさん』が多く泊まっているようです。
どういうことかというと
「あれ?養鶏場かな?」と勘違いを起こすほどのそのニオイで、入室と同時この宿を予約したことを大後悔しました。
カナダの養鶏場ホステルを思い出しました。
さらに地獄はここから。
私が通されたベッドはこんな感じ▼
おわかりでしょうか。
すでに1人寝ています。
▲絵の通り、ベッドの柵が無いため枕等が落ちる可能性があり、壁側に頭を向けて寝るしかないのですが、『足クサイ人』の足の真横に私の頭が来るセッティングなのです。
かといってあちらのクサイ人の頭を向けられるのもすごく嫌なのです。
受付に行き下のベッドへの移動を申し出ましたが敢え無く却下されてしまいました。
時間は13:00。
なんでもう寝てんだよ
と思いながら一旦部屋を脱出したのでした。
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旅の相棒が早くも見つかる
竜ちゃんという男
足クサ部屋から出るとひとり『ガタイのいいアジア人』を発見しました。
普通なら日本人、中国人、韓国人の見分けは容易にできるはずなのに、この人にいたってはどこの国なのかまったく分かりません。
全く仲良くなれそうもない雰囲気なのに有り得ないくらい目が合ってしまったので、挨拶せざるを得ない雰囲気であります。
……え?
え?が多い!
どうやら変な人だったらしく
なんでもないっす
じゃ!
と私はその場を立ち去ろうかと思ったのですが…
日本人…ですか?
え?
旅行ですか?
え?
と話を膨らませてきたのです。
どうやら彼は普通の日本人だったみたいで、名前は『竜ちゃん』27才。
当時の私の1つ年下であります。
これは緊張しているからとかではなく、普段から「え?え?」って感じの人です。
私はたいへん挙動のおかしいこの男に興味を持ってしまい、近くのカフェに誘いコーヒーを飲むことになりました。
イギリス旅行の大まかな予定
(店内?持ち帰り?)
彼は私と同じ旅行者ですが、どうやらはじめての海外旅行らしく英語はまったくダメみたいです。
しかし竜ちゃんはイギリスについてガッツリ調べて来ているようで、かなりの量の情報を持っています。
しかもそのおとなしそうな見かけによらず、意外にも行動的です。
そして彼と話しているうちになんと一緒に行動することになってしまったのであります。
私は『リヴァプール』と『エディンバラ』にだけは絶対行きたくて、あとはテキトーにすると決めていたので,予定決めはガイドブックを3冊持っている竜ちゃんに任せることにしました。
そしてほぼ竜ちゃんが決めたルートはこちら。
ロンドン▶︎リヴァプール▶︎マンチェスター▶︎エディンバラ▶︎ヨーク▶︎レスター▶︎ロンドン
という流れ。
ねぇレスターには何があるの?
ロンドンに戻る時の中継地点です
え?
旅行ってそういうもんじゃないんですか?
何があるのか、また行く必要があるのかもまったく分からない『レスター』も予定に組み込まれていますが、竜ちゃんのその『なんとなく』で旅先を決めてる感じは嫌いではないと思いました。
明日からロンドン観光
私は基本的に1人で行動していますが,たまにこういうふうに旅の相棒が見つかり共に行動しています。
アジア編のサラ髪くんやホストくん、またニューヨーク編のナンシーもその1人です。
そして次の日からのロンドン観光を謎の男竜ちゃんと共にスタートするわけですが『初めてのイギリス旅行』ということと『どう考えてもネタだらけのこの男が楽しみだ』ということで、イギリス初日からワクワクであります。
竜ちゃんもまた
と私を頼りにしてくれているようです。
一気に距離を縮めた我々はカフェからの帰り道もまるで昔からの友達だったかのように並んで歩いたのでした。
しかしその楽しい状態から一変し、宿に戻って絶望します。
相変わらず足くさいので▲絵の左側の壁にぴったりくっついてなるべく足から遠い位置で眠る私でした。
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