インド在住の日本人彫り師を訪ねるために一度バンコクへ来ました。
ここでは1週間滞在しその後インドのムンバイへ飛ぶ流れであります。
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チャップリン
私が泊まっているのはバンコクのカオサンロードからちょっとそれた所にあるNAT2という日本人が溜まっている安宿です。
相変わらず1階の共有スペースでは日本人のバックパッカーがワイワイしています。
タイでの目的を終えた私は連日暇を持て余しているので,前回のタイ旅行の時のように宿泊者と出かけたりビールを飲んだりの毎日。
その中でテーブルが7〜8個程並んでいる1階の共有スペースの奥の方でじっとしている男に気付きました。
推定50歳。
和製チャップリンのような彼は,ぬるいビールをテーブルに置き宿の入り口の方を向いて朝から晩までじっと座っているだけです。
何度か挨拶をしたのですが非常に素っ気ない態度で無言で軽くうなずくのみです。
最初は寡黙な人だなぁと思っていましたが,実は世界中の日本人宿でたまに見るアレだったのです。
これはもしかしてアリジゴク
タイに着いてからすぐ仲良くなった人達がいます。
▼エリナオ
▼ゆうちゃん
彼らにチャップリンの事を聞いてみました。
あの人毎日じっとしててさ
何しにタイに来てんだろうね
あの人ね!
めっちゃ面白い人だよねぇ〜!
なんか笑っちゃうくらいすっごい喋ってくる!
でもちょっとウザいかも
嘘でしょ?
意外です。
挨拶をしてもほぼ無視だったのでチャップリンは寡黙な侍のような男だと私は思っていました。
しかしエリナオの2人とはかなり喋っていたようなので私の印象とは全く違うのです。
無視されるわ
ゆうちゃんもどうやら彼と話した事は無いようです。
女好きだな
と特に気にもしませんでしたが、私は1年前に会ったあの男の事を思い出したのであります。
▼1年前の同じ宿での話▼
これは間違いなく性欲おじさんの一種だ!
日本では年齢的にも人間的にも経済的にも,完全に恋愛対象外とみなされてしまった性欲を持て余すおじさんの事です。
年齢は誰しもが平等に重ねて行くものです。
上記の性欲おじさんもそうであったように,そういう人は大人のお店的な場所へ足を運ぶのですがチャップリンにいたってはまたタイプが違います。
日本人宿や日本人に人気の宿に生息していて,女バックパッカーにしか興味が無いおじさんを私はこう呼びます。
『アリジゴク』
宿から一歩も出ず虎視眈々と日本人女子のチェックインを狙い,リアルな恋愛を求めるその姿は正に蟻地獄と言えるでしょう。
▼アリジゴク妖怪の話▼
どうやらチャップリンは典型的なアリジゴクだったようで,男とはあまりコミュニケーションを取らず女の子一点攻めの超スケベバックパッカーだったのでした。
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おじさん扱いはご勘弁!
エリナオや他の若者達にアリジゴクの話をしてみたのですが…。
もうすぐ30歳であります…
なんという事でしょう!
自覚は全くありませんでしたが,彼女達20歳前後の女子から見れば私もアリジゴクに見えていたのです!
しかし弁解のしようがありません。
何故なら私は「宿で女と知り合っている」「特に観光もせず宿にいる」というアリジゴクとしての条件が満たされていたからであります。
もちろんエリナオや他の女の子達を狙ってのバンコク滞在ではありませんが,そう見えているのであればそれは間違いないのです。
僕は思ってますよ!
そもそもおじさんになる事は悪い事ではない
年齢は皆平等に重ねるもの。
鬱陶しくて,武勇伝を語りがちで,煙たがられる人に『おじさん』が多いだけなのです。
20代でも同じようなタイプの男はゴロゴロいるし,逆におじさんでもカッコよくて爽やかな人は別に煙たがられる事はありません。
ただ年齢を重ねて行く内にそうあるのが難しくなるため,ある時自身を諦めた時に『おじさん』となってしまうのであります。
さらにアジアの解放的な雰囲気に期待して日本人女子を狙いにこういう場所に来てしまった場合、間違いなく「アリジゴク認定」されてしまう事でしょう。
私はチャップリンを見て大きなショックと共に大きな学びを得ました。
そして諦めず何かに向かって目を輝かせている内はまだまだ大丈夫!
という事で前に進むために次回インドへ行きます。
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次回▼
▼アリジゴク妖怪の話▼