ワーホリでトロントを選んだ理由はただひとつ。
ニューヨークに近いからです。
それほどニューヨークに行ってみたかったのです。
あまりにも職場の人数が減り半ば諦めまていしたが、なんとか人が増えてきてニューヨークに行けそうな感じがしてきました。
今回は久しぶりにバックパッカー旅行に出かける話。
そしてなんとあの人と再会します。
前回▼
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ニューヨークに行きたい!
行っていいっすか?
私は3月の段階で『秋ごろにニューヨークに行くこと』をほのめかしていました。
そして
と5月にシェフのケンとオーナーに報告済みです。
[そして8月中旬]
私かでんじろうのどちらかが出勤していれば店が回るくらいに新しいスタッフが育ったころ、私はシェフのケンに伝えました。
お店どうするの⁉︎
えぇ⁉︎
今はまだそんな状況じゃないから11月くらいに…
これは予想通り過ぎる反応!
確かに私が店を空けると確実にケンの負担は大きいはずです。
発注や一部の肉の仕込みなどケンか私しかできない仕事もあります。
私も店を長期であけるのは少々心配です。
と心配していると新しいスタッフのちえみさんが一言。
お店なんて心配しなくていいから行ってきな
安心して行ってきて!そのかわり…
…ゴクリ
この女、私の後輩で2歳下、週2くらいしか入っていないのにこの貫禄です。
というわけで頼れるメンバーのおかげで9月1日から18連休をもらい、ニューヨーク旅行に行くことになりました。
メガバスチケット
ニューヨークへ行くにはもちろん飛行機のほうが早くてラクですが、トロントからは陸路で安く行くことも可能です。
せっかくなのでバスで行ってみることにしました。
私が使ったのはメガバスです。
メガバスはアメリカとイギリスの長距離バスの会社です。
魅力はその『価格』で、なんと$1からスタートします。
価格は予約が増えるにつれて上がっていくので、予定が決まっている場合は早めに予約すると安いチケットを買うことができます。
ESTA無し?
ESTAとは、外国人がアメリカに入国するのに適しているかどうかを渡航前に審査するための自動システムのことで、簡単にいうと観光ビザみたいなものです。
日本人がアメリカに行くのに観光ビザは必要ありませんが,そのかわりにこのESTAを事前にオンラインで申請しておく必要があります。
承認されたESTAは2年間有効で、1回の渡航につき3ヵ月間の滞在が認められています。
しかしカナダやメキシコからの陸路の場合はESTAは免除され、国境で90日間滞在許可証を取得することができます。
私はメガバスで陸路入国予定なのでESTAの申請はしませんでした。
出発!たったの13時間でニューヨークへ
久しぶりのバックパッカー
9月1日夕方、トロントのバスターミナルに着きました。
久しぶりのバックパッカー旅行です。
初めての海外でアジアを4カ月、バックパッカーとして周ったあとはカナダで働いていたので、旅行者という感じはありませんでした。
しかし、今回のニューヨークは間違いなくバックパッカー旅行です。
乗り場を調べ、多国籍な人々に紛れて待合席のベンチに腰掛けた時
と本来私がやっていたことを思い出したような感じがして気分が高揚しました。
そして時間は20時。
ついにはじめてのニューヨーク、初めてのアメリカへ向けて出発です。
ラッキー席
席は70%ほど埋まっています。
メガバスは席番号がないので席は早い者勝ちでのようです。
運よく私の隣には誰も座ることはなく、快適なバス移動になりそうです。
ひとりで2つのシートを使えるので非常に快適な移動でした。
誰がなんと言おうと快適です。
入国審査
アジアのイミグレーションで手こずったことはありませんが、カナダに来るときは大変な思いをしたので、今回のアメリカ陸路入国はかなり緊張しました。
しかし拍子抜けもいいところ。
トロントに戻るチケットを最初に見せるとなんの質問もなく、
スタンプドンッ!ドンッ!
でした。
▼こんな感じのものを記入して提出。
パスポートにホッチキスされます。
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クソ宿inニューヨーク
憧れのニューヨーク
到着したのは朝9時。
バスターミナルなどではなく、マンハッタンのど真ん中の普通の道沿いに停まりました。
すげ〜!
カッケー!
バスを降りた私はとりあえずそのニューヨーク感にやられてしまい、キョロキョロしたり、写真を撮ったり、グラサンをかけてみたり、スタバに行ってみたり…。
長距離バスから降りたばっかりとは思えないテンションです。
田舎もん丸出しのリアクションを一通り披露したあと私は地下鉄へ向かいました。
「7-Day Unlimited Pass」というものが$31で買えます。
クイーンズのクソ日本人宿ムーンパレス
ネットで出てきたムーンパレスという日本人宿を予約しました。
ニューヨークにしてみればかなり安いです
14時ごろ電車を乗り継ぎなんとかムーンパレスに到着しましたが、少々問題がありました。
これはネットで見た情報です。
「チェックインは15時からですがそれ以前にチェックインしたい人は$10いただきます」
とのこと。
これは危ない!
たった1時間のために$10ドルも払いたくないため私は休憩もかねて宿の外で待つことにしました。
するとそこへ中途半端にアメリカナイズされた、初対面タメ口系・帰国子女に憧れてそうな20代半ばの純日本人女性が現れました。
どうやら宿で働いている人のようです。
ハワユ〜
こんにちは
チェックインまだでしょ?
Not yet ?
追加料金を請求されたくないため、15時まで待つことを伝えました。
すると
you don’t have to… あっ大丈夫だよ〜
Fortunately…あっ…今日私早く来てるから!
Early…
英語圏の国あるある、これは見事な「日本人相手なのに知ってる英単語出しまくってつい英語出ちゃう系女子に憧れてる人」です。
15時出勤らしいのですが早く来ちゃったからチェックイン可能とのこと。
彼女のご好意により14時すぎにチェックインして、とりあえず3泊分$90だけ払いました。
しかしその後私はとんでもないことを耳にしたのです。
ひと通り説明してもらったあと、彼女はこう言いました。
あと$10ね?
あっごめん分からないか…
アーリーでチェキンしてるから$10もらうルールなの…
えっとアーリーは早いって意味で…
これはいきなりヤバいです!
ヤクザです!
さっきまだ早いから待つって言ったら
大丈夫っておっしゃいましたよね?
私15時出勤だけど、あなたのために14時から働いたわけ!
だから人件費っていうのかな
そういう決まりなの…
こっちじゃ普通よ?
人件費?
こっちじゃ普通?
外で言っていた大丈夫とはいったい何が大丈夫だったのでしょうか?
そしてこの女、金の話になった途端に英語キャラを忘れています。
インドでもここまでアホなボッタクリをされたことはありません!
もちろんそんな理不尽なお金を払う意味は分からないので、一旦外に出てまた15時に戻ってくることを伝えました。
返金は無いからね?
泊まるならそこからまたチェックイン
そういう決まりなの
こっちじゃ普通よ?
あからさまな詐欺行為に言葉を失う私。
私は3泊分払っているのですが、簡単にいうと「あと$10払わないとキャンセル扱いになり$90は返しません」との。
そしてそれはニューヨークスタイルだと。
そんなわけあるかい!と思いましたがその後もう1人仲間(他の宿スタッフ)を呼ばれてしまい、もはや私が悪者のような雰囲気に。
心境としてはこんなところに泊まりたくなかったのですが、一時的な感情で$90を失うのはかなり痛いので、泣く泣く$10を払ってしまったのです。
ここムーンパレスは、「大丈夫」という曖昧な日本語を巧みに操り室内まで招き入れ、あとはルールだとかニューヨークスタイルだとかふざけたことを言いながら早く来ちゃった旅行者から$10を巻き上げるクソ日本人宿だったのです。
ナンシーと合流 ?
私は台湾でナンシーという女と知り合いました。
私が「ニューヨークに行くぜ」と某SNSに投稿したところ
と、まったくこちらの都合を考えることなくニューヨークに登場することになり、この宿で再会する約束をしていました。
旅行記・台湾編を読んだことがある人はご存知かと思いますが、この女なかなかくせ者です。
しかし!
そんな鋼のハートの持ち主のナンシーが完全に困り顔をしているのを宿内で目撃し、それが再会となったのです。
うちな、ちょっと早く来てたんやけど…
会うや否やチェックイン時の話を聞かされます。
私より2時間早く到着していた彼女。
なんと私とまったく同じ手口で$10払わされたようです。
しかもあの同じ女に!
どうやら
というのは嘘で、朝から宿近辺をうろうろしていたようです。
さらにもうひとり被害者がいました。
あとから言われたので$10払うしかなかったんです
自分だけかと思いきや他にも被害者がいるという、完全に確信的なやり口に腹を立てたナンシーはついに反撃に出ました。
その喋り方も気持ち悪いわ
あんたはそうやって今日合計$30を堂々と客から騙し取ったわけなんやけど、それがニューヨークスタイルなんか?
な、何よその口の聞き方?
わわ…私が何か間違ってるの?
金のことはそれがルールって言うんならまあええ
でもなうちらは客で、しかもあんたより結構年上やで
立場はっきりしてるやん
日本人宿で日本人相手なんやから少しは敬語喋ったり態度改めた方がええで
まずその前に日本人同士の初対面やから
あんた英語下手やもん
無感情サバサバ女・ナンシーの反撃により宿の女は黙り込み、すぐに消えて行きました。
そしてそれを見ていた他のスタッフはナンシーに$10ドルを返金し、謝罪をするのでした。
そして同時にこう思うのです。
しかしトロントで約7ヶ月間毎日死ぬほど働き、ワーホリ開始時の超貧乏生活から一変してだいぶお金も貯まりました。
旅行などでお金を使うために仕事を頑張ったようなものだし、ニューヨークに来れるなんて人生の中でもこんなに貴重な時間はそうそうありません。
宿女もナンシーにコテンパンにやられて出て行ってしまったようなので、$10は諦めて3日後に宿を替えることにしました。
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