なんとかインドを一周して4ヵ月のアジア旅行を終えた私は一度日本に帰国することになりました。
7月5日にスタートした旅も終わり、もう11月。
日本では冬が始まります。
4ヶ月間ずっと暑い国にいたのでボロボロのサンダルしか持っていなかった私は帰国前にコルカタで安い革靴を購入し、帰国に臨みます。
コルカタ発▶︎上海経由▶︎福岡行き
航空会社はバックパッカー御用達『中国東方航空』です。
アホな私は航空券を購入し一安心。
それがどういうチケットなのか知ったのは飛行機に乗る直前のチェックインのときです。
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自力で乗り換えだと⁉︎
コルカタ空港にていつものようにチェックインカウンターで荷物を預けた時に係員のねぇさんがひとこと。
そのあと浦東空港でもっかいチェックインだよ!
ん?意味不明です。
上海にはふたつの国際空港があるんじゃい!
めんどくさ!!
つまり『虹橋空港』に着いたあとは自力で『浦東空港』まで移動して、そこから福岡に向かうチケットだったのです。
上海人は冷たい?
無事入国審査を済ませて中国に初入国。
コルカタ空港のチェックインカウンターで
と聞いたのですが
とのこと。
インドから持ってきたのは乗り換えの不安だけという状態でコルカタを出発し、インドを出国したのでした。
[上海虹橋国際空港]
空港に到着後、インフォメーションの中国ねぇちゃんはムスッとした顔で電車乗り場のほうを指差すのみ。
とりあえず指差された方向へ歩きなんとか券売機まで到着したのですが
ということでそこらへんの人に英語で聞きまくってみました。
怒られました。
「そんな簡単なこと聞いてくんな!」とか「うるせぇ!それ何語だよ!」とかそういった感じでしょうか。
言っている意味は理解出来ませんがふたつ知ったことがあります。
『現地にいる中国人に英語は通じない』
『台湾人と違ってそんなに優しくない』
台湾ではかなり優しくしてもらい感動したため
と甘い気持ちで臨んだのが間違いでした。
日本に来た外国人旅行者も大変なんだろうなぁと思います。
若干ピンチを感じ、急いで浦東空港までの行き方を聞きまくってみましたが全然ダメ。
そこには券売機しかないのにものすごい人々の喧騒、そして数時間前までいたインドとは全然違う雰囲気の中でデッカいバックパックを背負った私は呆然としてしまいました。
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女神現る
券売機の前で列にも並べず立ち尽くしている私のところへ中学生くらいの英語が喋れるイモト似の女子が話しかけて来ます。
あっあの!浦東空港まで行きたいんですけど!
決して私のタイプの女性ではありませんでしたが、その優しさに私はベタ惚れしてしまい
駅のホームで電車を待っている間にお礼に飲み物を買ってあげることにしました。
日本のものにそっくりな自販機にお金を入れて完全なるドヤ顔で
好きなやつ押して!
と言いました。
しかし女神は高い教育を受けているのか、知らない人からものをもらうことを遠慮しています。
お兄さん見た目こんなだけども大人だからジュース買うお金くらいあるよ!
(ほんとは見た目通りの経済力だよ!)
本当に感謝してるんだよ
アップルでいいかな?
「No No No」と日本人よりも遠慮しちゃってる女神イモトにどうしてもお礼がしたくて、完全なる自己判断でアップルジュース的なやつのボタンを押してみたところ、なんとジュースが出てきません。
そっちのNoなの!?
隣の自販機にお金を入れてみたところ、女神イモトはインファイトを得意とするボクサーのアッパーのようなスピードで白ぶどうドリンクのようなもののボタンを押し、すぐさま飲みはじめました。
彼女はずっと遠慮して「No」と言っていると思っていましたが、そのNoは遠慮していたわけではなく自販機が故障していることを伝えるNoだったのです。
前の故障している自販機に飲み込まれた100元札(1600円ほど)も戻ってきませんでした。
私は(悔しいので)アップルジュースを自分用で買い、2人で電車に乗りお互いのことを少し話しながら空港へ向かうのでした。
ついに帰国の実感が湧いてくる
空港のひとつ前の駅で降りた女神イモト。
かなり高くついてしまった白ぶどうですが、数時間しかいない中国でこんなに優しい女神に会えたのだから情報量としてはお安い物だと言い聞かせ、彼女に別れを告げて浦東空港に入場しました。
早々とチェックインを済ませ出国。
ゲートの近くの麺屋で薄~いラーメンのようなものを食べていると、いたるところから日本語が聞こえてきます。
福岡空港行きの飛行機の時間が迫るとなお増えていき、あたりは日本人だらけになってしまいました。
スーツを着た上海に仕事で来ているようなサラリーマン
家族で旅行していた風の4人の親子
そしてタイで購入したのであろう緑の象柄のタイパンツを履いている露骨なバックパッカーなど種類は様々でしたが、もうここは日本なのではないかと錯覚するほどです。
これまで日本人を避けて来たわけではありませんでしたが、まわりに知らない日本人が大量にいるというシチュエーションは間違いなく7月の出発以来です。
大勢いるのにとても静かで、知らない人には絶対に話しかけず、基本的に綺麗な格好をしている日本にいる日本人の雰囲気に異常に緊張してしまいました。
床で寝ている家族も、全裸で走り回る子どもも、初対面でハイタッチしてくる素足のおじさんもいない母国に帰る実感が湧きます。
と思いながらボッサボサのロン毛を結び、インドのコルカタで購入した革靴を履き、綺麗めなTシャツに着替え、一気に日本モードになるのでした。
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