ジョードプルからムンバイまで列車で18時間、そしてその後ゴアまで10時間。
長時間列車に乗っているといろいろとしんどいのですが、たまに面白いこともあります。
例えば友達ができたりとか。
今回はその話。
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CONTENTS
ムンバイからゴアまで快適席AC2
朝6時にホテルをチェックアウトしてホテルを出てすぐのところにいたタクシーを捕まえてチャトラパティ駅に向かいました。
今回はムンバイ駅のチケット売り場で運良く2段寝台エアコンの席が取れました。
当然いつもの3段よりも広いし幅もあります。
さらにカーテンがついていて充電もできます。
コルカタからず~っと3段寝台のエアコン無しのSLというクラスの列車に乗ってきたので、今回の2段寝台は非常に快適であります。
しかも昼間の便なのにガラガラだったのです。
アビシェクという男
誰もまわりにおらず、快適な状態でゴアまでの移動であります。
私は完全に横になりバンコクでゲジ眉カナディアンにもらった「レッチリの自伝」みたいなやつを読み始めました。
英語なので辞書アプリとボールペンを片手に超ゆっくり読み進めていきます。
1時間ほど経ったころ、ある男に話しかけられました。
Japan だよ
旅行中?
あれ⁉︎こいつは珍しいタイプ!
いつもなら日本人と分かった瞬間
Ohhhhh !
I love Japan!
とか言ってくるのですが、彼は結構あっさりで普通な感じの男。
名前はアビシェクで私の4つ上の30歳です。
彼は非常に興味深い男なのでまとめてみました。
インド人っぽくない服装
インド人はカースト制の中で生きています。
インド国内にいるとたまに見かけるのがカースト差別です。
ゴミ拾いをしている女の子にゴミを投げつけるおっさんだったり、仲良さそうな友達同士かと思えば
こいつは物乞いのカーストだよ~
と友達をバカにしてみたり。
その影響から見た目でバカにされないように基本的にほぼ全員同じ格好をしています。
服はシャツ、スラックス、サンダルか革靴
顔はフォーマルっぽい髪型と口ヒゲ。
▼こちらが典型的なインド人の図
しかしこのアビシェクという男はH&Mで買ったようなTシャツにTOPMANで買ったような短パン。
そして日本人の若者が好きそうなアディダスの白スニーカーというインド人らしくない格好をしているのです。
しかもTシャツには反社会的な言葉が書かれています。
『An election is a terrible thing to waste.』
選挙は無駄。
宗教に対して否定的
インドは宗教が濃い~です。
- ヒンドゥー教徒79.8%
- イスラム教徒14.2%
- キリスト教徒2.3%
- シーク教徒1.7%
- 仏教徒0.7%
- ジャイナ教徒0.4%
(外務省調べ)
感覚的にはヒンドゥーとイスラムとシークしかいない感じがします。
ゴアに向かってるしキリスト教かな?
と思いました。
インドがイギリスに支配される前、ゴアはもともとポルトガルの植民地でした。
1500年代にはポルトガルの首都リスボンと変わらないほどの発展を遂げたと言われています。
そのときになんとあのザビエルが長崎に行く前にゴアにキリスト教をばら撒いてきたので今でも多くのキリスト教徒がいます。
そんなゴア出身のアビシェクに宗教は何かと聞くとヒンドゥー教らしいです。
しかし彼は宗教とインドの文化を全面的に否定していました。
菜食主義
ヒンドゥー教では牛は神とされ、イスラム教では豚は汚いものとされているので食べません。
どちらも存在しているのでインド人はベジタリアンが多いです。
しかしこの男は
普通にうまいじゃん?
とビーフバーガーを車内で食べていました。
お祈り
多くの宗教はお祈りの時間がありますよね。
彼は一言
時間の無駄
「そんな時間あったら仕事したり勉強したり女とデートした方がいい」
とまわりを気にしながらアツく語っていました。
沐浴について
こちらも
朝の貴重な時間に汚い川でそんなことしてる暇あったら仕事しろ!
と言っています。
神よりネットを信じる男
アビシェクの仕事はWebの広告関係らしくとっても忙しいそうです。
なのでお祈りなどの宗教に関わっている暇がないんだそうです。
みたいなことを言っていて、それは確かに正論すぎるけど宗教っぽさインドっぽさがなくなったらインドが面白くなくなるなあと思いました。
アビシェクとLanguage exchange
毎回退屈な列車移動ですがやることがあればそれは別の話。
仲良くなったアビシェクとお互いの言葉を教え合いました。
私はもちろん日本語を教えます。
ひらがな、カタカナ、漢字があるというのはなんとか理解してもらいました。
数字、月、曜日の読み方を教えて、挨拶や面白ワードをいくつか教えました。
その中でも
『日曜日』←これに関しては全く意味が分からないそうです。
意味も違う?
普段何気なく使っている言葉ですが、その言葉を1から説明するのは難しくて私が先にギブアップしました。
その後ヒンディー語をいくつか教えてもらいました。
मैं तुमसे प्यार करता हूँ
↑こんなやつ
英語は難しいと言っている人は他の言語に少しでも触れてみた方がいいと思います。
英語でいいや!
って絶対なります。
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ゴアのアンジュナビーチ
10時間アビシェクと2人で喋り続けてしまいました。
時間はもう19時。
だいぶ暗くなっています。
そしてついにゴアに到着しました。
アビシェクとSNSを交換し今でもよく連絡をとります。
彼はその後なぜかアメリカに移住していました。
ゴアと一口に言ってもそれはゴア州のことなので、どのビーチに行くかで降りる駅は変わります。
私は有名なアンジュナビーチに行きたかったのでThivim(ティヴィム)で降り、そこからタクシーに乗りました。
鉄道駅からビーチまではかなり距離があるので、他の旅行者と話し合って乗合タクシーで行った方が安くなります。
しかし近年人気がないらしいアンジュナビーチに行くという人は1人もおらず、1人でデカタクシーに乗る羽目になりました。
ついに私はゴアまで来てしまいました。
ここアンジュナでゆっくり休んでから最終目的地のハンピに向かう予定であります。
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