ボスと呼ばれるなかなか胡散臭い男から日本食の移動販売ビジネスの誘いを受けた前回。
結局お断りしましたが、同時に今後のワーホリ生活について考えはじめたのでした。
1年間何をしちゃってもOKという魔法のビザであるワーホリ。
1日たりとも無駄にすることはできない。
なのに…1ヶ月くらい無駄にしちゃいます!
前回▼
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スケボーのウィール
【旅行記155】で私はスケボーを購入し、主に出勤用の足として使用しています。
運動神経がズルズルの私ですが、毎日毎日少しずつ乗っているとかなり乗れるようになってきました。
しかし購入したのはストリートボード(みんながよく見る普通のスケボー)なのでウィール(タイヤ)がカチカチで小さいものが装備されています。
これは飛んだり跳ねたりと技をキメる人に向いているようで、私のようにチャリンコ代わりの移動用としては不向きだということが分かりました。
確かにスピードは出ないし、ガラガラうるさいし、足への振動が尋常じゃないので長時間の街乗りはかなり厳しい。
ということで週1日しかない貴重な休日を使って大きめの柔らかいウィールを探しに行こうかと考えていたのですが…。
次の休みはどうする⁉︎
私さぁ行きたい所あるんだ〜
えへへ!
先週はボスとかいうわけ分かんない人とご飯行ってたし…
せっかく休みの日合わせてるんだからたまには私と遊んでよ〜
- [ボスとか言うわけわかんない人]
でもウィール…欲しい…
そうしましょう
いくつかスケートショップやスポーツ店を見て周り、ついに柔らかくて大きいウィールをゲット。
乗ってみるとやっぱり全然違います!
今までのガラガラ音が嘘のように静かで、足への振動もかなり少ないです。
それにめっちゃ速い!
帰り道の岩女
気に入った私はシズちゃんそっちのけでスケボーに乗ります。
置いて行ったりしないから
この時はまだ気付いていませんでした。
この日彼女がどれだけ面白くない1日を過ごしたのかを。
わざわざ休みを合わせてくれて、全然興味が無いであろうスケボーの店に連れて行かれて、しまいに帰り道でほったらかし。
そしてもう夕方です。
薄暗くなってきて1日が終わろうとしているのです。
彼女の心境としては「私とスケボーどっちが大事なの!?」と聞きたいところでしょう!
ともに暮らす家まで歩いてあと15分。
シズちゃんは完全に機嫌が悪くなってしまい、まったく喋ること無く、また返事もしなくなってしまいました。
終いにはしゃがみ込み、おでこをひざにくっつけて下を向いたまま動かなくなってしまったのです。
…シズちゃん?
お〜い
帰りますよ〜
ごめんね
さあ帰ろう!
岩かなんかかな?
と勘違いするほどに動かなくなってしまったシズちゃん。
もう固まって30分経過しました。
私に原因があるのは分かっていますがこれでは帰宅できません。
ごめんね
もう暗くなってきたからさ、帰ろうよ
いつもニコニコしていて私が言うくだらない冗談にも爆笑してくれるとても優しいシズちゃん。
ここまで機嫌が悪くなる彼女をこれまで見たことがありませんでした。
しかし一時的なものだろうしいい加減帰りたいので、私はふざけることにしました。
歩けないならスケボーで連れて帰るぞ
はっはっはっ!
これには流石に笑うだろうと思っていましたが完全に大誤算。
より一層彼女の機嫌を損ねた可能性があります。
立ち上がった彼女はひとりでスタスタと歩きはじめ、私を置いて帰ってしまいました。
このあたりで事の重大さに気づいたアホな私。
今度は私が岩のように固まってしまって、先を行くシズちゃんを追うことすら出来なくなってしまったのです。
シズちゃんより少し遅れて帰宅。
相変わらず喋ってくれないし、何度謝ろうとも目も合わせてくれません。
次第に
女心は難しい!
と悲しくなってきました。
せっかくの休日をつまらないものにしてしまった、またそうやって彼女をほったらかしにしたことが原因だとすると私はひどい男。
反省すべきです。
しかしどうしても「そのくらいで?」と思ってしまうのは私が男だからでしょう。
「なんで?」「何が悪かった?」「理由を教えて」と原因解明に努めるのもまた然り。
相変わらず女心を理解できずに悩みに悩んで眠ることができません。
そしてついに
焦り▶︎悲しみ▶︎怒り
へと感情のバケツリレーは進んで行きます。
そして決断。
話しかけ続けるのをやめてこの日は眠りにつく私でした。
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意地っ張り
次の日不安と焦りと悲しみと怒りの四面楚歌状態で結局一睡もすることができなかった私は、溢れんばかりのイライラのまま朝を迎えます。
隣では岩になったシズちゃんが寝ておられますが、私はまったく寝れる気がしないのでこのまま起きることにしました。
ボーッとする頭をシャキッとさせるためにシャワー浴びます。
部屋に戻るとシズちゃんは起きていました。
なんと一晩経つとシズちゃんの機嫌が治っていました。
しかし!
私はその真逆でありまして、寝れずにフラフラ&イライラなのです!
非常に大人気ないのですが、今度はこっちの機嫌が悪くなってしまい私は返事もせずに家を出て仕事に向かったのでした。
「前日私がされた事をしたら分かってくれるかな?反省してくれるかな?」などと幼稚な仕返しをするつもりはありませんでした。
しかし感情というものは時にコントロールが効かなくなるのです。
ごめん!わだじ!
ぎのうはどうがじでだ!
ごめん!ぎげんなおじで!
私の機嫌は治らないまま月日が経っていくのでした。
この感じが始まったのは11月半ば。
私の誕生日は11月末です。
もともとは休みを取って一緒に遊ぶと約束していたにも関わらず、私はあえて朝イチから仕事へ行き、店の人とパブで深夜まで飲み家へ帰らないという非人道的な態度を取ってしまいました。
酔って帰ると部屋には飾り付けがされていて、テーブルには直筆の手紙、冷蔵庫にはケーキが置いてありました。
そして目のまわりを真っ赤に腫らせて眠るシズちゃん。
そう思いながらもなかなかもとのように戻れません。
[そして2015年大晦日]
オペラハウス!
今から行ってもまだ間に合うんじゃない?
人間機嫌が悪い日だってあるでしょう。
シズちゃんは私に良くない態度を取ったことをたった1日で反省し、次の日には泣いて謝罪をしてきました。
しかし意地っ張り極まり無い私はもう1ヵ月以上もスネたふりをしているのです。
シドニーに来る前から楽しみにしていた大晦日のオペラハウスでのカウントダウンも、23時にはシャワーを浴びて就寝。
時間は二度と戻って来ないのに、くだらない感情で非常にもったいないことをしてしまいました。
謝罪そして急展開
そして私がスネはじめて1ヵ月以上経ち2016年を迎えた時、私はついにシズちゃんを呼び出しました。
なに?
おそらく別れを切り出されるのだろうと思ったのでしょう。
もともと泣き虫であるシズちゃんは今にも泣きそうな顔をしています。
しかし私が彼女を呼び出した理由は謝罪。
私はタイのバンコクで彼女に一目惚れをして、そのままラオスへ連れて行き付き合うことになりました。
最初は彼女の見た目がストライク過ぎて近寄ったのですが、いつのまにか彼女の優しすぎるところや、このアホバックパッカーを分かってくれるところに惚れたのです。
そして今回のこの件に関してはそこに甘えた私が
もともとはシズちゃんが悪い
と意地を張ってなかなか素直になれなかった私の愚かさが原因でした。
しかし、こんなしょうもない事で失っていいのか!?と自問自答が毎日続き、反省して謝罪にいたったのでした。
そしてこれを機に私の考えも伝えることにしました。
本当に1ヶ月以上もごめんなさい
シドニーを出よう!
- 前回の話でボスとの会話により今後を意識しはじめたこと。
- そもそも放浪癖のあるバックパッカーなので同じ場所にずっといられないこと。
- 住んでいる家のミニマムステイも終わった。
- お金もある程度たまった。
そして気まずかったこの1ヶ月間をリセットする意味も兼ねての提案です。
半年間シドニーに住みましたが、このタイミングしかないと思い決断しました。
私はシドニーが大好きでしたが、このオーストラリアというデカすぎる国でシドニーしか知らないというのももったいない話でしょう。
1年間という期限付きのビザなので、ちんたらしている場合ではないのです。
ということで次回、シドニーを出ます!
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