オーストラリア

【旅行記149】時給安い?私はジャパレスで金を稼ぐ|シドニーワーホリ【オーストラリア5】

オーストラリアへワーホリビザで到着後すぐにシドニーで働き始めた私ですが、相変わらずの無一文です。

しかし住む場所と収入源を得た私は「生活の基盤は取り敢えずできた」と言って良いでしょう。

『Restaurant Sakura-咲良レストラン』というジャパレス(日本食屋)が私の職場なのですが、まだ入ったばかりということもあり

おしんぽこ
おしんぽこ
ほんとにジャパレスでいいのかな?

という葛藤は続いています。
※ちなみに咲良レストランは仮名です

前回

【旅行記148】あの頃の記憶がよみがえる!シドニーのジャパレスの話【オーストラリア4】ついに始まったオーストラリアのワーホリです。 まず最初の町はオーストラリア最大の都市・シドニーです。 ほぼ一文無しでスタート...

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友達?兄弟?何にせよ仲良し

私がシドニーに到着した日にAgodaで一番安かった宿『Captain cook hotel-キャプテンクックホテル』に追加で1週間分の料金を支払い、ついに本当の無一文になってしまいました。

到着した日には400ドル持っていましたが、宿代の支払いや謎のスマホと謎のSIMの購入により、一瞬で財布は空っぽです。

私を即採用してくれた咲良レストランのオーナーやすえさんへの感謝の念は強まる一方ですが、同時に「あんまり仕事に想いを込め過ぎると辞めにくいなぁ~」という考えが尽きません。

なぜかというと本当なら稼げるローカルジョブ(現地人経営の仕事)をしたかったからです。

しかし今はマジの無一文。
とにかく目の前の小銭が必要なのです。

おしんぽこ
おしんぽこ
とりあえずね!
なんでもいいからとりあえず生きるためのお金を稼がないと!

そんな中、宿のキッチンで不味いフリーコーヒーを飲んでいたところ、ルームメイトのフランチェスコ以外の2人、アレクサンドロとジュリアンが私のもとへやって来ました。

アレクサンドロ
アレクサンドロ
ヘイ!Bro !シンは今夜何すんの?
1階のバーで飲もうぜ!

※このホステルの1階はバーになっている

おしんぽこ
おしんぽこ
いや~22時まで仕事なんだよ
ジュリアン
ジュリアン
その時間まだバーは開いてるよ
おしんぽこ
おしんぽこ
ん~じつは私お金がまったく無くて…だからバーで飲んだり食べたりは給料が出てからかな
でも誘ってくれてありがとう
アレクサンドロ
アレクサンドロ
え?金ないって?ビール飲む金くらいあるだろ?
おしんぽこ
おしんぽこ
いや恥ずかしながら
マジの無一文なんですわ
情けねえっす

シドニー初日に知り合ったとってもイケてる私のルームメイトたち。

本来ならこういうお誘いには喜んで参加したいのですが、28歳なのにまったくお金を持っていない大変恥ずかしい私にビールを飲む権利などありません。
しかし優しい彼らは思いがけないことを発言したのです。

アレクサンドロ
アレクサンドロ
俺らがビール代くらい払うよ!金は気にすんな!
おしんぽこ
おしんぽこ
え⁉︎
そんなの悪いよ!
ジュリアン
ジュリアン
いやいや!
今夜は絶対来なきゃダメだ!
おしんぽこ
おしんぽこ
なんで?
アレクサンドロ
アレクサンドロ
明日は俺たちの兄弟フランチェスコの誕生日なんだよ
だから日付が変わる前に絶対帰ってこい!
ビール代も気にすんなよ?
分かったか?
がっはっはっは!

なんて良い人たちなんでしょう!

ただ部屋が同じというだけでここまで仲良くなれるでしょうか。

そしてただ部屋が同じだというだけでここまでルームメイトを思ってくれるのです。

国籍もバラバラで、4人とも第一言語は英語ではありません。

しかし4人とも英語でコミュニケーションを取り、兄弟だと嘘の無い真っ直ぐな目で私を見るのです。

おしんぽこ
おしんぽこ
私はついてる!
こんなに素敵な友達ができるなんて!

これまで安宿のドミトリーに何度も泊まってきましたが、宿泊者同士で家族のように生活をすることは初めてです。

カナダでの1年間は中国人の家の地下室でほぼ一人暮らし状態だったので、よくよく考えるとこういった生活をしたことがありませんでした。

朝からとても気分が良く、この日は仕事へ行く足取りも非常に軽く感じました。

日本食屋で働く最大のメリットはまかない

この日もいつも通りのポジションでいつも通りの仕事をします。

私は揚げ物や焼き物、そして肉の仕込みなどを担当しています。

旅行記147】で料理対決をしたみうらちゃんとはまだ『犬猿の仲感』がありますが、別に悪い人ではないし、他のスタッフが優しいのでそれほど居心地の悪い職場ではありません。

むしろ居心地が良いと感じてしまった事件が起きました。

【旅行記147】お仕事初日からなぜか料理バトル|シドニーのジャパレス【オーストラリア3】ついにオーストラリアのワーホリが始まりました。 到着した町はシドニーです。 残金400ドルで海外生活を始めるというなんとも無謀な...

▲料理対決の日以来、私は毎日まかない(従業員食)を作らされています。

あれ以来みうらちゃんは雑ながらも私に懐いてきています。

みうらちゃん
みうらちゃん
炒飯の作り方教えてもらっていいですかぁ⁉︎
みうらちゃん
みうらちゃん
パスタ茹でる時はどれくらい塩入れますかぁ⁉︎
みうらちゃん
みうらちゃん
まかない作る時は言ってください!
私見てるんで!
説明しながら料理してください!
いいですかぁ⁉︎
おしんぽこ
おしんぽこ
…はい

この日もまたいつものようにまかないを作ろうとしたところ、料理長のエイキチさんが私に声をかけてきました。

エイキチさん
エイキチさん
今日はこっち(寿司場)からメシ出すからまかない作らなくていいや!

どうやら本日はエイキチさんが食事を作るそうなので、遠目からチラチラみていたところ、なんとデッカイサーモンを切り出したのです。

おしんぽこ
おしんぽこ
サーモンだと⁉︎

そして出てきたのはめっちゃめちゃ美味そうなサーモン丼!

エイキチさん
エイキチさん
今週サーモンがあんま出なかったからさ、もうまかないにまわしちゃうよ

最高です!

ジャパレスではない他の業態であれば、まずこのようなまかないはあり得ません!

おしんぽこ
おしんぽこ
最高!
サーモン最高!

じつはこれだけでなく、ほぼ毎日日本人のお口に合うような料理を食べることができたので、私は心から咲良レストランで働けていることに感謝をしました。

さらに帰り際には余った巻き寿司や唐揚げなんかをもらえたりするので、どうやら今後も食べ物に困ることは無さそうです。

はじめて働くジャパレスですが、こんなメリットがあったとは思いもよりませんでした。

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日本食屋で働くデメリット

日本語環境

しかしなぜ私はジャパレスで極力働きたくなかったのかというと、そこには少なからず『デメリット』が存在するからです。

まずそのひとつは日本語環境だということ。

私は「将来のために英語ペラペラになってやる!」といった強い気持ちがあっての留学ワーホリをしているわけではなく、単純に金を稼ぐためにワーホリ、ついでに日本ではできないおもろいことをしたいという感じなのです。

しかしそこが日本人コミュニティであればあまり濃い海外経験はできないでしょう。

また日本語ばっかり喋っている時点で間違いなく英語力は伸びないし、それまでに英会話の訓練を積んでいたとしても日本語環境に染まった瞬間すぐに忘れていきます。

もちろん個人差はありますが、大人になってから英語を話しはじめた人は覚えるのには時間がかかって抜けるのは一瞬です。

私が海外に出たのは26歳。
他の人たちと比べてみると遅いほうなので、なるべくなら英語環境に身を置いておきたいのです。

給料が安い

そしてジャパレスで働く最大のデメリットは給料が安いこと。

もともと飲食店勤務というのは高い賃金に期待できないというのが常識です。

なぜそんなに給料が安いのかというと『誰だってできるから』です。

しかし日本での常識はそうですが、一方でオーストラリアは違います。

飲食店のサービスマンや料理人の給料が他の職業と比べても劣らないほど高い場合があるのです。

その原因は間違いなくレストランの価格設定にあるでしょう。

・パンシワシワ、中身ぐっちゃぐちゃハンバーガーのセット1,600円
・普通のコーラを汚いコップに入れただけ700円
・食べたことはないけど想像だけで作ってみたのであろう不味いエスニック料理2,200円
・しょうもないパブのかた〜いステーキ2,800円

日本ではクレームが出てもおかしくないようなひどいものに自信満々の値段をつけているのです。

そしてそれらは

オーストラリア人
オーストラリア人
マジうめえやん

とまったく問題がなかったかのようにじゃんじゃん注文されていきます。

つまりしょうもない食材をテキトーに料理してマヨでもかけときゃ客は喜んで金を払うのです。

技術や食材、また人件費などに大したコストをかけることなくでっかい売り上げを作ることが可能。

そういう理由から飲食店で働く人間にも充分に給料がまわっていきます。

極端ではありますが、事実です。

海外の飲食店で日々努力を重ね素晴らしい仕事をされている方には申し訳ありませんが、ぶっちゃけそうじゃないですか?

ではなぜ日本食屋は給料が安いのか?

その理由は売価の安さです。

寿司や日本食が高級料理だという位置付けはもはや過去のもの。
中国人や韓国人が世界中に『激安SUSHIレストラン』を作りまくった結果、今や寿司はファストフードとなんら変わりありません。

若者がスケボー片手にマヨネーズたっぷりの巻き寿司をかじっているのが現実です。

オーストラリア人
オーストラリア人
え?
寿司なのになんでこんなに高いの?
ハンバーガーじゃないんだからさ

と言われちゃうので、日本食屋の価格設定は比較的安めなのです。

また日本食は原価率も高いし、手の込んだ仕事を要するために人員も削ることができません。
その結果従業員ひとりあたりの給料が安くなってしまうのです。

ところで私の給料はいくらなんだろう?

面接の時。

やすえさん
やすえさん
はっきり言ってうちは時給安いわよ
あなたの仕事ぶりを3~4日見させてもらってから給料について話し合いましょう

そう言われていたので詳しいことは知りません。

ということでオーナーのやすえさんに聞いてみました。

おしんぽこ
おしんぽこ
お疲れ様です
給料のことなんですが…
やすえさん
やすえさん
お疲れ様!
そろそろ時給を決めましょうね!
こっちに来て
おしんぽこ
おしんぽこ
ドキドキ

やすえさんと私は店の外で給料の話をすることになりました。

日本では『時給〇〇円スタート』みたいにバイトの時給はみんな公平に決められていますが、海外では雇用主と1対1で話し合います。

雇用側がスタッフを評価し、スタッフが自分の価値をアピールして良い落とし所を決めるのです。

日本では「私はこれもできるし、あれもできる!給料は〇〇円くらいはもらってもいいと思いますけどね!」などと面接時から直接オーナーに意見するなんてなかなかできないことですが、海外では別におかしいことではありません。

つまり『スタッフみんな給料が違う』のでやすえさんは他のスタッフに話を聞かれないようにこっちに来てと私を店の外へ連れ出したのです。

やすえさん
やすえさん
あなたは私が思っていたより
やる男だわ
さすが無一文の人は目が違うわね!
おほほほほほほ!冗談よ!
それで時給なんだけど…
おしんぽこ
おしんぽこ
ゴクリ
やすえさん
やすえさん
14ドルスタートでいいかしら?
おしんぽこ
おしんぽこ
14ドル⁉︎
おしんぽこ
おしんぽこ

…そういや相場が分からん!

この時は何も知りませんでしたが、2015年のオーストラリアで時給14ドルはめちゃくちゃ安い。

しかし咲良レストランは現金手渡しなので税金30%(当時)を払ったことを考えると時給は20ドルです。

さらに当時のオーストラリアドルは88円ほどで、日本円で1230円くらいになるのでそこまで安くは感じませんでした。

おしんぽこ
おしんぽこ
よく分かりませんけど、それで問題ないです!
ありがとうございます!
やすえさん
やすえさん
よかった!うちはあまり多くは払えないんだけど、もし半年続けてくれるって言うんなら16ドルまで上げるわ
もちろんあなたの働きぶりを見てだけどね?
おしんぽこ
おしんぽこ
うおお!頑張ります!

決して高くない時給ではありますが、時間数は私がやれるだけ入って良いとのこと。

週7で働く料理長エイキチさんに休んでもらうためであります。

ということで『時給14ドル×週60時間×4週=月3300ドル』という貧乏人の私には非常に有難いシフトを組んでもらうことになりました。

しかも私の努力次第では昇給もあり得るので、カナダのワーホリ時と同様に大きく貯金を作ることができそうです。

決めた!私はここで金を稼ぐ!

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オーストラリアの時給ってマジヤバい

給料も決まって俄然やる気が出てきた私。

最初の給料日まで生き抜けばこの「一文無しの私vsオーストラリアワーホリ 」に勝利です。

食にも困らなそうだし、勝利目前といっても過言ではありません。


朝のルームメイトたちとの約束により夜はなるべく早く宿に戻りました。

おしんぽこ
おしんぽこ
ただいま~
アレクサンドロ
アレクサンドロ
Hey bro !
ビール飲むか?
ジュリアン
ジュリアン
今日もお疲れ!
乾杯しよう!
フランチェスコもさっき帰って来たからちょうど良かった

1階のバーは宿泊者と客で毎日盛り上がっています。

先に飲んでいたジュリアンとアレクサンドロにデカいジョッキの生ビールを奢ってもらい、悪い気がしながらもいい気分で乾杯しました。

ほどなくして明日誕生日であり本日の飲み会の主役フランチェスコが上の階から降りてきて、ルームメイト4人が揃いました。

フランチェスコは出会った時は求職中でしたが、私と同じくシドニーのレストランで仕事が決まったのです。

フランチェスコ
フランチェスコ
おっシン帰ってたんだね
おしんぽこ
おしんぽこ
どうもね
フランチェスコ
フランチェスコ
ジュリアン
テキスト(電話番号で送るショートメール)見たけど「フォカッチャいっぱい持って来い」ってどうかしたの?
一応4つ持ってきたから部屋に置いてるよ
食べたいんなら持ってこようか?

ジュリアンはこの日シドニーのイタリアンレストランで働くフランチェスコにフォカッチャ(イタリアのパン)を店からパクって来いと連絡していたようです。

ジュリアン
ジュリアン
あぁそうそう!
シンが金無いって言ってたからさ
おしんぽこ
おしんぽこ
えぇ!?
アレクサンドロ
アレクサンドロ
ただでさえ痩せてんのにフォカッチャくらい食わないと骨になっちまうぜコイツ
ガッハッハ!
フランチェスコ
フランチェスコ
え⁉︎そうなんだ!
シン!フォカッチャで良かったらいくらでも店から持って帰ってくるよ!
おしんぽこ
おしんぽこ
みんな!
超ありがとう!!

私は今一文無しで『地獄の真っ最中』のはずなのに、仕事が決まり、毎日日本食がタダで食べられて、良い友達と暮らしていて幸せしか感じていません。

航空券が安かったからとテキトーに選んだシドニーでしたが、オーストラリアワーホリのスタートは怖いくらいに絶好調です。

精神を安定させてくれるものは金だけだと私は思っていましたが、こういった生活の充実や人との出会いによる楽しみこそが金のない私の心をギリギリのラインで保ってくれているのです。


アレクサンドロ
アレクサンドロ
シン!
お前は痩せてるからビールをいっぱい飲んで俺みたいな立派な腹になれ!
ガハハハ!
フランチェスコ
フランチェスコ
おめーはただの腹だけデブだろ!
おしんぽこ
おしんぽこ
楽しいなあ
ジュリアン
ジュリアン
Excuse me ?ビールこっちにふたつね!
シンも飲むだろ?
おしんぽこ
おしんぽこ
う、うん
ありがとう
アレクサンドロ
アレクサンドロ
こっちも!
フランチェスコ
フランチェスコ
俺も!
バーの人
バーの人
OK
$24 Please

ところでこの人たちはなぜこんなにジャンジャン金を使えるのだろう?

参考までにみんなの給料を聞いてみました。

[ジュリアン]

材木店でフォークリフト
時給26ドル

[フランチェスコ]

イタリアンレストラン
時給24ドル

[アレクサンドロ]

マイニング(採掘場)勤務
給料不明だが1番の金持ち

おしんぽこ
おしんぽこ
この私!
天ぷら揚げ係時給14ドルでっす!

一度は咲良レストランで金を稼ぐと決意したものの、みんなのヤバすぎる給料を聞いて若干落ち込みました。

しかし「時給が安けりゃ時間数で稼いだるわい!」と意気込みながらもらったフォカッチャをかじり、奢ってもらったビールで胃袋に流し込んで明日への活力にする私でした。

不況知らずのオーストラリア。

現在も賃金は毎年上がり続けています。


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