数多くの日本人と知り合った今回のタイ・ラオス編も間もなく終盤であります。
もともとは1人で来たタイ、そこで見つけた仲間と行ったラオスですが、各所で多くの友達ができました。
私がまだまだ海外初心者だったころ「旅は出会いが全て！出会いに感謝」などとキラキラしたことを本気で公言しておりましたが、旅行の楽しさは出会った人に左右されるという意味では間違いありません。
その出会いをもたらしてくれるのは宿であり、日本人宿に泊まっていた私はかなりの人数の日本人と知り合いました。
乗り物や食事のシェアや、同言語による深い会話、また空気を読める人種ということで日本人同士で海外旅行をするのはラクであり楽しいの一言です。
しかしそれにより距離が縮まり過ぎてしまうこともまた事実であり、なかなか本性を表さない複雑な性格であるはずの日本人が海外に来るとなぜか感情的になってしまうのであります。
カオサンの夜に起きた出来事の話。
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CONTENTS
おにぎり君の恋愛ドラマ
[おにぎり君]10人でムーガタ屋に食事をしに行った夜、タクシー組と歩き組で別れて宿に戻ったのですが、歩き組だったおにぎり君達がなかなか帰って来ませんでした。
とあまり心配もせずいつものメンバーで宴会をしていた我々。
バリさんとミスコンちゃんは私がラオスからバンコクに戻ってきた日に知り合った人達。
おしんぽこ、リリーさん、電気君、ナスミの４人は前回のムーガタ会からタクシーで帰ってきており、６人で乾杯です。
すると歩き組の新卒君と新卒ちゃんがなにやら仲睦まじい様子で2人だけで帰ってきたのであります。
怪し〜
新卒君と新卒ちゃんを見てヒソヒソ話す我々はまるで暇を持て余した団地妻。
「他の2人(おにぎり君と金髪ちゃん)はどうしたの？」と質問する間も無く上の階へ上がっていったのです。
となるとおにぎり君と金髪ちゃんが心配になってきますが、その後すぐに金髪ちゃんがひとりで戻ってきます。
はぁ～私もタクシー乗れば良かった～
シャワーして寝ます
おやすみなさ～い
え？あんたひとり？
ムーガタ屋からはおにぎり君、金髪ちゃん、新卒君、新卒ちゃんの4人で仲良く歩いていたはずなのに、なぜかバラバラで帰ってくるのです！
これは絶対何かあったに違いない！
タクシー組だった我々は彼らの事、特におにぎり君についていろいろ憶測で話を膨らませますが、その数分後ついに彼は宿に戻ってきたのです。
露骨に元気無い！
いつもはもう少しで警察を呼ばなければならないほどにうるさいおにぎり君がまったく元気がありません。
もう聞くまでもありませんが…
フラれました…
金髪ちゃんに
想い伝えるの早過ぎるやろ！
おにぎり君はこの日に出会ったばかりの金髪ちゃんに一目惚れしてしまっています。
もともと私やリリーさん、電気君と仲が良かったはずが、金髪ちゃんが歩き組だということで自分もタクシーに乗らずに歩いたのです。
さらにもともとイチャついていた新卒君と新卒ちゃんを見て触発されたおにぎり君は、なんとその帰りの道中で金髪ちゃんに思いを伝えて玉砕してひとりで帰ってきたのでした。
ちゃっす！
ちゃっす！
武士たるもの信念を真っ直ぐに突き通すのが武士道というものでありましょう！
女心は難しいでゴザル！
武士なん？
もし日本で出会っていれば、デートに一回誘ってみるなり少しずつ攻めたりと彼の行動も変わっていたでしょう。
今夜もまたひとり、アジアの熱気で情熱的になってしまったバックパッカーが恋に敗れるのでした。
意外な訪問者
私はこのタイ・ラオス編でシズちゃんという彼女が出できましたが、ラオスから戻り次第、彼女はプーケットへ一人で旅行へ行ってしまいました。
いつでもバンコクに戻ってきても良いようにシズちゃんと一緒に泊まっていたダブルルーム（ダブルベッド1個の部屋）のまま一人でこの宿で生活をしていました。
しかし部屋にトイレが付いていたのですが、換気扇が無くて上のほうが部屋側に空いているだけのなんともクサそうな作りでした。
なので己のトイレ臭の中眠ることに嫌気がさしてきた私は違う階のツインルーム（シングルベッド2個の部屋）へ移動しました。
そんなある日またいつものように1階でいつものメンバーと飲み会をしたあと、寝るために軽く酔っ払いながらいつもとは違う部屋へ向かいました。
すると私の隣の部屋のドアを開けようとする女の子が。
[ナスミ]隣の部屋はともにムーガタを食べに行ったナスミだったのです。
しんさんお隣やったんじゃね
いつもは敬語なのにほろ酔いでタメ口、しかも可愛すぎる広島弁にドキッとするこの私。
さらに私の部屋もナスミの部屋も個室であります。
ええなあ
どんな部屋か見せてください
おいおいおい！
ほろ酔いの状態で今部屋の鍵を閉めたら何が起きてもおかしくないのに、なぜ私の部屋を訪問するのだナスミよ！
これは男は勘違いしますぞ！
ナスミよ！
ナスミよ！
ナスミよ！
ナス…
前回のムーガタ屋からタクシー組と歩き組に分かれる時に、そもそもなぜ若者軍団のイチ構成員だった彼女だけ私と同じタクシーに乗ってきたのか。
それについては未だに不明でありますがひとつ思い当たることと言えば
ナスミは私に、もしくはタクシー組の誰かに興味があるのではないか⁉︎
ということ。
これらの発言にも納得が行きます！
落ち着けおしんぽこよ！
女心を読み間違える私はこれまで数々の失敗と恥を晒してきたではないか！
いや待て。
私にはシズちゃんという彼女がいる。
こんな出会ったばかりの女の子に一時的な感情で性欲の奴隷となる事が許されるわけはない！
しかもナスミが私に興味があるなどと、何を思い上がっているのだろう。
「押せばイケるかも！」とか「コッソリな！」などと、そういった邪悪な考えはバックパッカー紳士の理念に反している！
ナスミちゃんおやすみ
また明日！
何食わぬ顔で部屋に戻るナスミと、あわよくばの下心を理性で押さえつけた私。
こういったことがバックパッカーの間では起こっているのであります。
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天使&悪魔モード突入
私の彼女・シズちゃんがプーケットひとり旅行から間も無く帰ってきます。
[シズちゃんと私]そんな彼女を待っている間、またひとり私の部屋に訪問者が現れるのであります。
ちょっと話があるんですけど…
ここは人が多いし、私の部屋散らかってるし
お部屋行っても良いですか？
シズさんいないし、今その部屋にひとりですもんね？
なんやそれ？
訪問者とは前回までいたラーメンさんの事が好きだったミスコンちゃんです。
ラーメンさんが去ったあと、ミスコンちゃんは見た感じ元気が無いように見えますが、私に話とはどうしたのでしょうか。
しかも人に聞かれたくないので私の部屋で話を…
っておい〜！
ベッドに座っとるやないかい！
これはあれですか？
私は誘惑されているのですか？
ラーメンさんがいなくなって私にシフトチェンジでありますか!?
私の部屋に入るや否やベッドに座るミスコンちゃん。
さすが何かしらのミスコンで賞を取っただけあって美しすぎます。
私の彼女の第一印象は清純派美人で、私のようなろくでもないバックパッカーになどまったく興味が無いのだろうと思っていました。
しかしバリさん達と行った大人の社会科見学で異常にノリノリだったり、ラーメンさんにグイグイ行くところであったり、日によってはかなり際どい服を着ていたりと、そんな彼女を見て以来私は彼女の事を完全なる肉食女子だと思っています。
これは「話があるから」という名目で、彼女は男を狩りに来たのではないかと私は判断しかけています。
バックパッカー紳士である私ですがもちろん人間であり男であります。
奥底に眠るわる〜いおしんぽこが登場してきました。
[悪魔おしんぽこ]しかしもちろん理性と常識の塊である紳士の私もそこには存在するのです。
[天使おしんぽこ]こういう時どうしたらいいですか？
男じゃねえな
こんな可愛い子が部屋に来とるんよ？
好きなようにせえよ
ヘッヘッヘ
それに今シズちゃんおらんのやし、バレんかったらいいんよ!
イッヒッヒッヒ
ダメに決まってるでしょ！
浮気よそれ！
UWAKI！
あんた！
大事な彼女がいるじゃないの！
シズちゃんもあんたの紳士なところが好きなのよ！
そんな一時的な欲望であんなに素敵な彼女失ってもいいの!?
とにかくダメだから早くそんな女摘み出しなさい！
ですよね！？
そんなに愛情深まったんか？
カッコつけんなって！
お前は性欲の奴隷だ！
やっちまえよ！
イッヒッヒッヒ
あかんよ！
そもそもミスコンちゃんは「話がある」って言ってここに来てんのよ！
お話をしなさい！
絶対アカン！
葛藤がありましたが、私は女がらみで数々の失敗をしてきましたので、軽はずみな行動は控えるべきなのです。
ということでミスコンちゃんの話を聞いてみることにしました。
一緒にいると落ち着きます
やっぱりお前に抱かれにきてんじゃねえか
でも彼、帰国しちゃったし
諦らめることにしました
[真ん中ラーメンさん]へ〜そうなんだ
実はバリさん(バリ在住)に告白されたんです！
わたし行く事にしました！
え〜っと…
好きにしてください。
めったに発動しない悪魔天使モードに入ったにも関わらず、どうやら今回も私の勘違いであったようです。
彼女はただこの自分の状況を誰かに話したかっただけであり、私とどうのこうのなろうなどとは一切考えていない様子。
大胆にも部屋に入り込み履物を脱いでベッドに座り込むミスコンちゃんの姿を見て大きく勘違いしたことと、シズちゃんという彼女がいながらも一瞬でも良くない事を考えたことを深く反省した次第であります。
しかしラーメンさんがいなくなった途端バリさんにシフトチェンジしたミスコンちゃん。
肉食なのは間違いなかったようです。
シズちゃんバンコクへ戻る
そしてついにシズちゃんが帰ってきました。
おかえり！
あれ？
長い髪落ちてる
男性バックパッカー諸君！
一時的な感情や性欲で事を早まると大怪我しますぞ！
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