変人・竜ちゃんとイギリス旅行中です。
あまりにも遠すぎたビートルズゆかりの地へなんとか足を運び、また私の夢が1つ叶ったリヴァプール。
今回は工業都市・マンチェスターへ移動します。
リヴァプールからバスに乗り、朝9時ごろマンチェスターに到着しました。
この日の23時にまたバスに乗るので丸一日マンチェスターで時間を潰す感じであります。
マンチェスターといえばサッカーのクラブチームが有名ですね。
私はよくこう言われます。
「へぇ〜マンチェスター行ったんだ!」
「マンチェスターユナイテッドとマンチェスターシティどっちのファンなの?」
そして私はこう答えて毎回驚かれるのです。
見てません
ほんとすみませんけどビートルズに引き続きまたUKロックの話。
▼前回
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CONTENTS
Club Hcienda – ハシエンダ跡地を見に行く
Madchester – マッドチェスター
2013年7月にバックパッカーとして海外に行き始めるまで私はバンドマンでした。
そんな私が好む音楽はUKロック。
イギリス発のロックミュージックが大好物なのです。
キモいですか?
そう、私のように
マニアックな話になりますが『マッドチェスター』というマンチェスター発の音楽のジャンルというか音楽のムーブメントが80年代に巻き起こります。
マンチェスター(Manchester)と『狂った』という意味のマッド(Mad)からの造語であります。
現在の野外でパリピが大騒ぎみたいなものとはまた違いますが『レイブカルチャー』の始まりのようなものであります。
それはもう聴けば一発で
と分かるほど独特な音楽でありまして、私はそれが大好物なのです。
まだ今ほどデジタル音楽が盛んでなかったころに、クラブでロックバンドが演奏をして人を踊らせていた時代で、その特徴はこんな感じ。
- だいたい16ビートのダサいリズム
- 音痴っぽい奴がダラダラ歌う
- ナヨナヨしている奴が多い
- 曲調に変化がなく飽きやすい
- ライブでは猿みたいな動きをする
- 大体のバンドが似ている
- 普通の髪型でジャージやパーカーなどを着ている
もはや恥ずかしくて友達に言えないくらいダサいのですが、なぜか私は長いことめちゃめちゃハマっていたんです。
そして『Club Hacienda』とは何かというと、この時代の数多くのマッドチェスターバンドを世に輩出し、演奏していた伝説のクラブなのであります。
というわけで、全く興味無いかもしれませんが、私が愛して止まないマッドチェスター期のUKロックバンドいくつか紹介します。
Happy Mondays
この地元のヤンキー感がハンパじゃない人はショーンさんです。
世帯収入がイギリスの平均よりもはるかに低いマンチェスター。
日本でいうカワ●キみたいな街です。
※イメージです
やっぱりこういった地域ではいわゆるならず者みたいな若者がたくさんいまして、そんなろくでもないメンバーで結成されています。
ボーカルでありリーダー的存在のショーンさんは人情味のある男でして、アル中やヤク中みたいな友達をバンドに誘って生活を工面していたわけです。
映像を見ると楽器も弾いていないし歌ってもいない、ただただタコ踊りをしているベズという人が確認できるのですが、彼もれっきとしたメンバーとして作品にクレジットされています。
現在も活躍している『Golliraz』や『Kasabian』などのメンバーからも強く愛されるほどのカリスマアーティストでもあります。
そんな彼らの音楽は、まさに当時のアンダーグラウンドシーンを再現したドラッグでキマったような重いリズムと、気の抜けたしゃがれ声のやる気のない歌声が特徴です。
Stone Roses – ストーンローゼズ
マンチェスター出身の言わずと知れた超伝説のロックバンドです。
ギター、ベース、ドラムのとんでもない演奏力から生み出されるハンパじゃないグルーブが聞いてて心地いいんです。
なのに!なぜかボーカルの猿(イアンブラウン)がめっちゃ音痴なんですよ!
そこも含めて私は大好きなんですが、89年と94年に2作のアルバムを出しただけで解散しています。
しかし彼らが世界に与えた影響は計り知れず、有名メディア・ローリングストーン誌で
ロックミュージシャンに聞きました!あなたが一番影響を受けたアルバムはなんですか?
みたいなやつであのビートルズを抑えてStone Rosesの1stアルバム『Stone Roses』が1位になっているほどに偉大なバンドです。
音痴なのに。
しかし2012年に再結成し、その年の『Fuji Rock Festival』で来日していまして、私はもちろん見に行ったのですが、イアンさんの歌が上手くなってて興奮しました。
今でもよく聴く愛すべきバンドであります。
全然世代ではないけど私の青春であります
Primal Scream – プライマルスクリーム
マンチェスター出身ではないのですが、音楽のジャンルや活動していた年代はまさにマッドチェスター。
様々な楽器を多用し、実験的な音楽を作り続ける彼らの音楽は意外にもシンプルなロックだったりします。
曲によっては電子音だらけでテクノやハウスに似たものもありますが、やはりポイントはバンドが客を踊らせるというところ。
曲調はハッピーマンデーズよりハッピーです。
まさにマッドチェスター時代の音楽です。
歌っているボビーさんがかっこ良すぎて、私もロン毛にしていたという過去があります。
The Charlatans
上記3バンドより若干後輩なんですが、マッドチェスターで一番売れたバンドと言われています。
デビュー時の音楽的には16ビートに乗せて一本調子でダラダラナヨナヨ歌う感じが超マッドチェスター。
後期は曲のメロディが柔らかくてとっても聞きやすいです。
個人的には最近の曲もかなり好きです。
彼らももう結構なおっさんなんですが、実はまだ活動しています。
インスパイラルカーペッツ、ニューオーダー、スミスなど他にもたくさんの伝説級のバンドが存在しましたが、このへんはあんま好きじゃないので割愛します。
これらの80年代後半からの数年に登場した数多くのマッドチェスターサウンドの音楽は後に出てくるOasis、Blur、RedioheadなどのUKロックの代名詞となるようなバンドにも大きな影響を与えています。
これらのバンドが活躍していた時代を作った『クラブ・ハシエンダ』はマッドチェスタームーブメントが去ったあとに経営が悪化し、ただのドラッグ売買の場となり、惜しまれながら廃業。
現在はただのアパートになっているとのことですが、せっかくマンチェスターに来たからにはStone RosesやHappy Mondaysのメンバーが踏んだ地面を踏むだけにでも行きたいということで勇み足で向かいました。
▲この日は月曜日でマンチェスター市内のパブが粋なイベントをやっていました。
ご対面!Club Apartment Hacienda
マンチェスターピカデリーステーションから歩いて15分、簡単に到着できました。
感動!
当たり前ですがもう当時のシーンは全く残っておらず、本当にただの住居ビルです。
近隣は開発に開発が進み、当時のドラッグとロックに犯されたヤバ目の雰囲気などは一切無く、大通り沿いの人通りもない何でもないビルです。
そう、人通りがないんですよ。
ロックゆかりの地なので観光客だらけなんだろうなあと思っていました。
ニューヨークのStrawberry Fieldsや
リヴァプールのPenny Laneのロードサイン
みたいにファンでごった返していてもおかしくない場所なのに、Haciendaの前には私と竜ちゃんのみ。
そんなに一般人ウケするような音楽じゃないですから
確かに興味のない人間にとってはわざわざこんな所に来ることなど理解できないでしょう。
でも来れて本当に嬉しかったのは事実であります。
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Oasisが初めてライブをした場所
旅行記でビートルズやらマッドチェスターやら散々UKロックの話をしていますが、なんだかんだ言って結局私が好きなのは『Oasis』です。
それはもうめちゃめちゃ好きなんですが、ゆかりの地というものはそう多くはありません。
ニューヨーク旅行でちょっと紹介したロックフェラーセンターの『Top Of The Rock』からの景色がアルバムジャケットに使われている所もそのひとつであります
▲のインスタの2枚目,夜景の方の写真,こちらはOasisのアルバムジャケットにもなっている場所です。
Standing on the Shoulder of Giants [12 inch Analog]
また現在書いているこのイギリス旅行の最後にロンドンに戻るのですが、その時に行ったSOHOにもOasisの歴史的アルバム『Morning Glory』のジャケット写真の場所があります。
(What’s The Story) Morning Glory? (Remastered) (Delux)
そしてマンチェスターで行ったのは『Oasisがはじめてライブをした場所』です。
と光浦さんと大久保さんのオアシズの方しか知らない竜ちゃんからの痛い視線をひしひしと感じながら到着しました。
『The BoardWalk』という名の普通のビルです。
…ふーん
もうちょい『ライブしてた感』があると思っていましたが、普通のビルでした。
The Boardwalkのすぐ近くにはマンチェスター音楽シーンの伝説的人物、2002年公開のマッドチェスター・ムーブメントを描いた映画『24アワー・パーティー・ピープル』の中心モデルにもなった『トニー・ウィルソン』が当時住んでいたアパートがあるらしいです。
Happy Mondaysをはじめ数多くのマッドチェスターアーティストが所属していたインディーズレーベルのファクトリー・レコードの社長で「ハシエンダ」の創設者です。
もういいんですか?
ロックゆかりの地巡りはあっさり終了し、あとは夜のバスの時間までマンチェスターの街をぶらぶらします。
マンチェスター駅で荷物を預けに行ったが…
この日の夜にはマンチェスターを出てしまうので、宿は取っていません。
しかし17kgほどのバックパックを背負ったまま歩くのはただの地獄なので、荷物を駅に預けに行くことにしました。
インフォメーションで場所を聞いてロッカーコーナーにいってみましたが、バックパックが入るサイズのものは全て使用中だったのでLeft Luggage(荷物預け場)に行きました。
日本にもコインロッカーなどの荷物預けサービスがあるように、世界中ある程度大きな駅にはそういった場所はあるものです。
そして予想する金額は300〜500円程度でしょう。
軽い気持ちで金額を聞かずに荷物を預けたあと、支払いの時に私は度肝を抜かれます。
たっけー!
当時のイギリスポンドのレートは1ポンド=182円というぶっ飛んだ高さ。
つまり荷物を預けるだけなのに13ポンド=2,366円も払わなければならないのです。
ロンドンの宿の最安値は10ポンドほど。
ということでケチった私は荷物預けを諦め、重い荷物を背負ったまま歩きまわったのですが…。
この選択がアダとなり次回私はとんでもない目に会うのでした。
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