いまだに仕事は決まっていませんが、無料エージェントの福岡さんや泊まっているホステルで知り合った人達に助けられ少しずつトロントに慣れてきています。
カナダワーホリをスタートして1週間ほど経ったころ。
などと思っていた時の話です。
最初は、泊まっていた宿がそこまで高くないのでこのまま住み続けながら仕事探しをして、仕事が決まり次第職場の近くに引っ越すという計画をしていました。
しかし私の部屋にはアレ臭ンドロ(アレクサンドロ)という非常にくさいヤツがいるので、この養鶏場のような部屋のニオイに我慢の限界だったのであります。
そして偶然見つけた部屋でありえないトラブルが⁉︎
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CONTENTS
1日10ドル?10日限定の物件
美味しい情報発見
カナダ在住の日本人が息をするように見ていると思われるサイト・e-maple。
私も無意識のうちによく見ていましたが、そこでとんでもない情報を発見。
Young×Collegeの近くで住人募集。
1人限定です。
なんでも揃っています。
現在同居人ひとりが旅行に出ていて、不在中の最大10日間を1日$10で住んでいただける方を募集しています。
これは!かなり条件が良い!
現在私が養鶏場ホステルに払っているのは1日20ドル。
場所は『King×Spadina』(あんまり何もない)
クオリティは養鶏場。(ボロくてクサい)
と思い、すぐさまメールを送ってみたところ、すぐさま返信が来ました。
では今日の夕方17時に図書館でお会いしましょう
とのこと。
図書館に行けばいいのね!
まあ朝から私は図書館いましたけどね!?
「寒さしのぎ」「強いWi-Fi」「テーブル」「電源」「無料」という、バックパッカーにとってこれ以上ないくらいの環境は、図書館以外にはなかなか見つからないのであります。
身の毛もヨダツこけしのおばけ?
話を聞きに図書館に行きました。
正確には私は図書館には朝からいましたが、朝イチから図書館に入り浸っているのはだいたい『ホームをレスしてる系男子』が多いので、誤解を招かぬようそういったことは伝えずに夕方17時に現れるテイで連絡を取りました。
しかし16時ごろ
と思いながらボケ~っと座っていると1通のメールが。
もしかして、もう図書館にいますか?
なぜバレた⁉︎
どこだ?
っていうかなんで私の見た目を知っている⁉︎
怖すぎて一瞬震えましたが、冷静に返信。
少し調べ物をしたかったので先に到着していますが、約束通り17時で構いませんので気にしないで下さい。
それでは17時によろしくお願いします。
よし!
すんごいまともな人が書いたメールっぽい!
するとすぐさま返信。
やっぱり。
私も図書館にいるんですが、それっぽい人がいるなぁと思ったので連絡しました。
問題なければ声かけて良いですか?
問題あり!
怖すぎる!
まずあなたはなぜ私の見た目を知っているのですか?
そしてどこからあなたは私を見ているのですか?
どうしよう!どんな人が来るんや⁉︎
怖いなぁ怖いなぁ…
“あのぉ~…”
出たぁぁぁぁー!
そんな驚く⁉︎
Full NameでReplyが来てて、Facebookで調べたらすぐ出てきたので…
もし忙しくなかったらこれからお話しませんか?
彼女の名前はこけしちゃん(23歳)
こけしのような見た目をしています。
英語教師の母と通訳者の父との間に生まれ、自身も通訳する人を目指して留学中という非常に優秀な女子です。
たまに良い発音の英語が出ちゃう系女子であります。
シンさんひとりからしか連絡こなくて…
結局その日は図書館で30分ほどコーヒーを飲みながら話して終わりました。
ネットに載っていた情報をもう一回口頭で伝えられるという時間でした。
これ意味あんのか?と思いましたが、やはり貸す側もたった10日といえど変な人には部屋を貸したくないらしく、半分はその人の人間性チェックらしいです。
そしてこの日の2日後の昼から10日間、こけしちゃんが運営する家に1日$10ドルで住むことが決定したのであります。
しかし寝泊まりする建物も部屋も、こけしちゃん本人のこともまったく何を知らぬまま決定。
私はこの時にもっと詳しく話を聞いておくべきでした…。
見ず知らずの女性と同棲生活開始
まさかの同じ部屋?同じベッド?
2日後『養鶏場ホステル』をチェックアウトしてこけしちゃんの家に行きました。
若干緊張しながらも呼び鈴を押しました。
ビビビビビ~!
すると中から出てきたのは図書館であった人とは全く別の人間でした。
寒いねぇ~中入って!
しかもけしからん格好であります。
ここがバスルームで、ここがキッチンで…
なかなかいい家だなぁと思いましたが私はかなり引っかかっています。
何に引っかかっているかというと、だいたいのことに引っかかっています!
私は当初『シェアハウスのようなもの』を想像していました。
「ほかの住人にも会うだろうから挨拶しなきゃな!」
「おもしろい人がいたらいいな」
「掃除当番とかあんのかな?めんどくさ〜」
などと考えていましたがそれは大きな間違いだったのです。
そこはシェアハウスでもなんでもなく、なんと日本の一人暮らしアパートのような間取りの部屋にふたりで住み、しかも『寝床にいたっては同じベッド』だと説明をされたのであります。
間違いが起きそうなんで、私は床で大丈夫っす!
ここカナダだよ?ベッド以外は土足じゃん!
全く気持ちが分かりません。
いったい彼女はどういうつもりなんでしょう?
- 私を完全に客と見なし、男として見ていないのか?
- 欧米文化に染まりすぎて性に奔放なのか?
- ロン毛だから女だと思っているのか?
- 実はめっちゃアホなのか?
『20代の女性がほぼ初対面の異性を10日間自分のベッドで一緒に寝させる』
という非常に大胆な提案であります。
もし私をオスとして完全に受け入れ、好意を持っていただいた上でのことであれば男としては非常に喜ばしいことではありますが…。
こけしの親御さん!
あなたの娘の家!
風紀が乱れてますよ!
【旅行記1】や【旅行記25】で書いたように私は女性の心理を読むのが下手くそ過ぎる男であります。
幼なじみの人
その日はこけしちゃんと2人で『SUBWAY』にサンドイッチを食べに行きました。
一瞬あいつの顔が頭に浮かびましたが、どうやら彼の職場とは違う店舗のようです。
そういえば『今旅行に行ってる友達』は10日後に帰ってくるんでしょ?
どんな人?
もともとは同居人が旅行に行っているので、その穴を埋めるべく10日限定での入居であります。
戻ってくるとは思うんだけど、だらしないやつでさ
あっ地元の友達で、長い付き合いなんだよね
私の真似してカナダに来たくせに、全然独り立ちできないダメなやつなんだよね
今は帰国中なの
ほぼ幼なじみ
私今まで勉強ばっかで彼氏できたことない!
あいつなんて絶対やだ!
たまに付き合おうとか言ってくるんだよね!
ほんとキモい!
マジFuckて感じだよ
写真も見せてもらいましたが、想像通りの感じでした。
勝手ながら幼なじみのオサムと名付けました。
なるほど…なんとなく分かりました。
こけしちゃん(可愛い)23歳にして男性経験無し。
こけしちゃんの幼なじみオサムさん(仮名)はこけしが好きでカナダまでついていったが、全く恋愛体質ではないこけしちゃんに相手にされず、嫌になって一時帰国しているのではないか、と予想しました。
つまりこけしちゃんは
あわよくばの下心を持ちながら接して良いような女性ではないのであります!
バックパッカー紳士である私はあらゆる邪念を振り払い、爽やかに10日間を過ごすことを決めたのです。
感情ゼロ作戦
そして1日目の夜、交代でシャワーを浴びて寝る時間になりました。
かなり大きいベッドなので2人で寝てもかなり余裕があります。
私の心拍数は尋常ではないことになっていますが、大人の余裕を見せあっさり入眠。
結局疲れてしまえば普通に寝れるもんですね。
しかし、問題は朝でした。
私は目覚めた瞬間目を疑います。
よく寝た…
誰しもが『かわいい』と言うであろうこけしちゃんが!
誰しもが『小汚い貧乏人』と言うであろうこの私の目の前で!
なんの警戒心もなく
平気でケツを出して着替えておられるのです!
とその時!
起きてるのバレてます!
やべぇです!
こっそり見てたのがバレてます!
しかし彼女は慌てる様子も恥ずかしがる様子もなくそのまま着替え続けます。
しまいには若干乳まで出ています。
これは以前、バンコクのカオサンロードで『男女混合10人ドミトリー』に泊まったときと同じであります。
私以外はヨーロピアンの男女が多く泊まってる部屋で、全くまわりを気にせず着替える女性を思い出しました。
「こけしちゃんはやっぱり欧米文化に染まりすぎてるなぁ~」
と感心する一方で
「ここで興奮を隠せずギラギラしてしまうのは不適切である!」
とありったけの理性をフル稼働させる私。
さらに、万が一!
万が一こけしちゃんが小悪魔ぶって私を誘惑して遊んでいた場合!
「ここで平常心を保てないとなると、かなりダサい感じになるんじゃないか?」
と私は判断しました。
“秘技・感情ゼロの術”
私はインドでたまに見かけた修行僧(サドゥー)のように
心を『無』にして、何ごともないように接し、普通に生活したのでした。
マジでこけしに見えてきた
まず格安で泊まらせていただいている上に、トロント素人の私にいろいろと教えてくれてくれている人に対して性的な目で見るなんてとっても失礼。
むしろ少しでも彼女に少しでも不快感を与えてしまった場合、最悪追い出されてしまって-20℃のなかで眠らなくてはなりません。
というわけで「女」ではなく「こけし」だと思って生活しておりましたが、不思議なことに4日目くらいから彼女が本当にこけしに見えてきたのであります。
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