今回のインドの旅の目的は、3年前に会ったインド在住の日本人彫り師ホリコさんを見つけ出してタトゥーの技術を教えてもらうこと。
オーストラリアのパースからタイのバンコク、インドのムンバイを経てついにゴアのアンジュナビーチに到着しました。
そしてついに私は3年前に1度会っただけのホリコさんと再会することができたのです。
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タトゥー教えてください
「タトゥー教えてください」
緊張し過ぎた私はこのひとことがなかなか言えません。
なぜこんなにも緊張するのか?
それは断られるのを恐れているからです。
わざわざこんなインドの田舎まで来たのが無駄足になる、せっかく再会していい雰囲気なのにピリッとしてしまう。
そして彫り師になるために動いていた生活にブレーキがかかる。
これだけのダメージを負うことを想像するとなかなか言い出せません。
また「自分が苦労して積み上げてきた技術」を教えてくれなどと、急に現れたしょうもないバックパッカーに言われたらホリコさんはどう思うだろうか。
彼女のことを考えるととてもじゃないがそんな頼み事はできないのです。
さらに!
ドキドキ
ドキドキ
非常に申し上げづらいのですが…
はやく言ってよ…♡
ドキドキ
この雰囲気はとても変な感じ!
はやく言わなければ!
私は知っています。
こういう言いにくいことはすぐに言わなければなあなあになってしまいます。
日が経つとより一層言いにくくなるし、誰にするでもない自身へのいろんな言い訳を考えて「やっぱやめとくか」と諦めてしまう自分をよく知っているのです。
私は頭の中で言葉を整理し、意を決してついに口を開きました。
3年前にお会いした時、私は夢も目標も何も無いただフラフラしているだけのバックパッカーでした
でも今は違います!
あれからカナダで生活して、他にもいくつかの国を旅行してみて、その後オーストラリアで1年生活した時にタトゥーを彫る側に興味を持ったんです
仕事を見せてもらうだけでもいいです!
お願いします!
タトゥーを教えてください!
いいじゃんいいじゃん!
全然教えちゃう!
教える教えるぅ〜!
何が知りたい?
私が分かることなら全部教えるよ〜
いいんかい。
NO PAIN NO GAIN
「その服どこで買ったのか教えて下さい」
「いいよ〜」
と同じくらいのノリでタトゥーの技術を教えてくれることになりました。
私さ、タトゥー始めた時からずっとひとりでやってきたから人に教えたことないんだよね
アライバルビザだから1ヵ月しかないし、基本的なところだけでも身に付けたいんですけど…
シン君そりゃ無理だ
短すぎる
ただ1ヶ月間だけでもプロに教わりたいんです
迷惑かけたくないんで、仕事の邪魔にならないように見せてもらえるだけでも良いんですけども…
私はあんまり下積みとかやらせるの好きじゃないからさ、全部一気に教えたいんだけど…
1ヶ月が短いって言ってんのはね…
見せれる仕事がいまはないんだよ
雨季だからお客さん来ないんだよね
あはは!
そういうことか…!
彫る客がいないと彫っているところを見せられない。そりゃそうです。
脳内でのイメージだけでは何も伝わりません。
やっぱりタトゥーマシンのセッティングや握り方、針の角度までしっかりとこの目で見てみないと勉強にならないのです。
腕に彫ってください
No Pain No Gainだよ
ということで彫られながらタトゥーを学ぶことになりました。
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デザインを決める
はっきりいって数ある私のタトゥーで意味を持っているものはなく、10代の頃からなんとなくで体に彫ってきました。
なので今回も思いつきで案を出します。
コンパスとか…?
時計とかもいいんじゃない?
これがタトゥーのデザインを決める会話でしょうか?
まるで居酒屋での注文です!
「だし巻き卵たのんでいい?」
「あっいいねぇ〜」
このようにポンポンと案を出して、7〜8個のデザインを合体させてひとつの大きなデザインにすることになりました。
オーストラリアで働いていた頃、私は左腕に大火傷を負いました。

もう完治はしていたのですが、その火傷のアトが金魚の形にそっくりだったのです。

金魚を中心に、左腕前腕をタトゥーで埋め尽くすことになりました。
脱いだらすごかった
次の日。
デザインが完成したとの事で昼から彫ることになりました。
ルンルンルン♪
上機嫌のホリコさん。
とにかく彫るのが好きらしく、ここ最近は雨季でお客さんが少なかったためたまっていたとのこと。
道具のセッティングの段階からこと細かく教えてもらいます。
世界中で買えるからね
メモメモ
準備段階の説明をひととおり教えてもらいついに始まりました。
上着を脱ぎ頭にタオルを巻いてマシンを握るホリコさん。
その凄さに私は驚愕しました。
両腕に龍⁉︎
すごい筋肉⁉︎

ボインだと⁉︎
準備OKかな??うひひ

ホリコさんは職人気質な人に多い典型的な「仕事になると人が変わるタイプ」でした。
ブィィィィィィ〜!
(タトゥーマシンの音)
やっぱり何度やっても痛いもんは痛いです!
タトゥーを彫るのってめっちゃ痛い!
しかしNo Pain No Gainです!
痛みなくして得るものなし!
痛みを知り、技術を学ぶのです!
細かいところはこのままもう細い針でやっちゃう感じなんですか?
それとも針変えるんですか?
ブィィィィィィ〜!
いや教えて!
結局「彫り」の段階ではあまり会話が出来ず、完了してからいろいろと解説してもらったのでした。
ブィィィィィィ〜…
[4時間後]
今日はこのくらいにしとこ
今回のデザインはA4サイズくらいの大きさなので、ラインを彫るだけで終了しました。
約2週間後、傷が癒えたら色を入れていきます。
やっぱりプロは違いますね
その技術の高さに感動する私。
うんうん
入念にチェックをするホリコさん
しかし彼女はここでとんでもないことを言い出したのです。
ミスっちゃった…!
なんと時計のデザインのローマ数字の部分、10時(ⅹ)のところも11時(Ⅺ)に彫られていたのです!

てへ♡
私は気に入ってます
11を意味する「Ⅺ」の右側の「Ⅰ」を何かのデザインで覆い隠すことになりました。
タトゥーは一生体に残るもの。
大きなミスなど許されない世界だと思います。
しかしここでは「ごめーん前髪切り過ぎちゃった〜」「別にいいんじゃない?」くらいの感覚でタトゥーをやるのでした。
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