オーストラリアの西海岸にあるバンバリーという小さな町に滞在しています。
ワンダーインというバックパッカーホステルに住みながら日々ミートファクトリーで地獄の労働を繰り返しています。
この宿はバンバリー最安というだけあってかなりパンチが効いた人間が集まっています。
特にイタリア人が多く、彼らの独特の性格に悩まされることもしばしば。
今回はあるイタリアの女の子の話です。
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身も心もワガママ
キアラというローマ出身の栄養満点ワガママボディの女の子がいます。
- [キアラ]
彼女の部屋は『Room9』
私がいつも仲良くしているカズユキ(韓国人)と同じ部屋です。
彼女は私やカズユキと同じミートファクトリーで働いていますが、見た目通り非常にだらしない性格のため週に2〜3日しか出勤しません。
キアラがいつものように無断欠勤したある日、この日はカズユキの車が朝からエンジントラブルにより動かなかったため私の車で通勤していました。
そして仕事帰り、カズユキを助手席に乗せてワンダーインまで帰っていた時、スマホを見ていたカズユキが突然笑い出したのです。
シンこれ見て!
キアラからメッセージ来てる
カズユキのスマホを見るとキアラからカズユキへのメッセージが長々と綴られていました。
▼要約するとこんな感じ
ごめん
あなたが部屋に置いてたポテチ食べちゃった
とてもお腹が空いてしまったの
今度買って返すからね
事後報告!
まるで「お腹が空く」ということが想定していなかった突然のハプニングであるかのような文面です。
やっている行為は完全に窃盗ですが、なんとも可愛らしい謝罪であるため笑って許す心が広いカズユキ。
他のやつなんかは勝手にビール飲んで悪いとも思ってないからな
しかし宿へ戻ると自体は一変し、キアラとカズユキがものすごい言い争いをしはじめたのです。
原因はポテチ。
キアラはカズユキが買い溜めていたポテチを4袋も食べてしまっていたのです。
今すぐ買ってきてよ!
お腹が空いたんだからしょうがないでしょ⁉︎
私車持ってないんだからスーパーまで連れて行きなさいよ!
歩いて行ってこい!
10分も歩けば着くだろ!
あーもうこういう人ほんと無理!
ふん!
10対0でキアラが悪い!
しかし歩くことが死ぬほど嫌いな彼女は絶対にポテチを買いに行きません。
そしてカズユキの車が使えないことを知ったキアラは案の定私の所へやって来ます。
お願いがあるの…
スーパー行きましょうね
すぐ行ける?
ポテチを8袋買ってきてくれない?
4つはカズユキので4つは私
フレーバーは何でもいいのよ?
シンのセンスに任せるわ
引っかかってんのはフレーバーじゃねぇよ!
ちょうど別の人もスーパーに行きたいと言っていたので、結局私が車を出して超仕方なくポテチを8袋購入してキアラに渡しました。
全部食べたらダメだからね?
ちゃんと自分でカズユキに渡すのだよ?
あとポテチ代下さい
ありがとう!
6ドルで足りる?
12ドルですけど…
レシート見て
どこで買ったの⁉︎
えっと、8袋だよ?
ひとつ1.5ドルだから
そうだった
あんた自分の4つぶんしか頭に無かったやろ!
どういう人生を送ればこのような性格に仕上がってしまうのでしょうか。
だいたいのものは与えてくれる
ちょっと頼めば動いてくれる
わがままを言えば許してくれる
彼女が悪いのではありません。
イタリアという国が彼女を作ったのです。
最近お腹出てきちゃったからダイエット
なら歩いてスーパー行こう⁉︎
ポテチとかやめよう⁉︎
おしとやかな日本人の女の子が世界中からモテるわけです。
キューピーマヨネーズ
可愛い可愛いと甘やかされまくって育ったのであろう身も心もワガママなキアラ(22)ですが、基本的にはとっても良い子で笑顔が可愛いみんなの『デカい妹』のような存在でした。
彼女の笑顔を全人類が見ると世界は平和になるのではないかと思わせるほどの愛嬌の良さです。
ある日私はアジアンショップでキューピーマヨネーズを発見しました。
海外のマヨネーズは味が薄いしなんだか甘いので美味しくありません。
なのでキューピーを発見した時は震えるほどに感動し、日本で買う3倍の値段はしましたがマヨわず購入しました。
そしてブロッコリーやエビなどを茹でてマヨをつけてむさぼり食べるのです。
間違いなく世界一うまい!
キアラが隣にいたので勧めてみます。
これ日本のマヨだよ
世界一うまいんだけど試してみるかね?
マヨが美味しいのはイタリアよ?
日本のマヨなんて…
パクッ
おいし過ぎる!
おいし過ぎる!
もう1回いいかな⁉︎
やっぱり良いリアクションです。
美味しいものを食べる彼女を見るとこちらも幸せな気持ちになります。
ティアーモ♡
次の日

すごい美味しいマヨなんだよ!
食べてみて〜
ブリュリュリュリュリュリュ‼︎
美味しい!
お姉さん!
なぜ人の大事なマヨを勝手に振る舞うのだね⁉︎
ブリュリュ‼︎
ブボボッ!!
あっもうないや
ポイッ
使っていいとは言いましたが限度があるでしょう⁉︎
なんで自分のもののように人にもあげるんだろう!
しかも24時間も経たずに1本使い切るってマヨ飲んでんのか⁉︎
ダイエットはどうした⁉︎
あと!あとね!
ブボッ!!とは鳴ったけど、逆さまにしたりして最後まで使いなさい!
そんなことを彼女に言っても無意味なので、そっとゴミ箱から拾って逆さまにして冷蔵庫に戻す悲しい日本人であるこの私。
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国民性
イタリア人とともに生活をすると国民性の違いを強く感じることができます。

彼らのほぼ全員に共通しているのは自分に絶対的な自信があり、自分の発言行動にまったく迷いが無いことです。
日本で何かを言うとやれにわかだ、やれ自信過剰だと芽を積むような扱いを受けるので、より知識や技術を高めないと何も行動出来ません。
同じ人間といえどまったく異なる性格のコミュニティで育つとここまで違ってきます。
お互い良い所も悪い所もありますがどちらが良い悪いはないし、これが国民性というものです。
なるべく人に迷惑をかけたくないという日本人の性格で良かったと私は思うのですが、我々が思っている「迷惑なこと」が他の国では「取るに足らないなんでもないこと」であったりするので、考え過ぎるのもストレスをためるだけだと思います。
彼らイタリア人だけでなく多くの人種を見て日々さまざまな発見をしながら私は半年間バンバリーで生活するのでした。
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