2nd Working Holiday Visa
通称セカンドビザ。
オーストラリアのワーホリにのみ適用されるシステムで、政府指定の農場や工場で88日以上働くともらえる2年目のワーホリビザのこと。
セカンドビザを取得すべく西オーストラリア州のパースに降り立ったこの私。
目的は車の購入。
そしてついにイケてるクライスラーの車をゲットした前回。
- [クライスラーと私]
これでついにファーム(畑仕事)探しを開始できます!
しかし!
日本の免許証の翻訳証明書の発行にまだあと3日かかるので、まだパースにいなければならない。
3日もあればファームなどの仕事情報の調査ができるのですが、さすがろくでなしバックパッカーのこの私。
残りの3日間、全部遊びました。
前回▼
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Kings Park-キングスパーク
- [ドイツ人ジョナス]
タスマニアでの生活を終えてパースに仕事を探しに来たジョナスというドイツの大男(190cm)と空港で知り合いました。
彼とともにチェックインした宿は「The Hive Hostel」
ここではいろんな友達ができました。
このミッキーという男もそのひとり。
- [ドイツ人ミッキー]
ジョナスと同じドイツ人ということで、ついでに私も仲良くなってしまったのです。
西海岸に来たばかりでパースについて無知である私とジョナスに対し、もう1年以上パースに住んでいるミッキーはもはやパース博士といって良いでしょう。
ジョナスと宿で合流しランチでも行こうかと話していたところ、ミッキーが声をかけてきました。
私とジョナスはパースについて何も知らないので、オススメのレストランとかがあれば教えて欲しいと伝えると、ミッキーと3人で食事に行くことになりました。
超おすすめのところを紹介する
何やら楽しそうなことが始まりそうな予感がしながら3人でパースの街中へ繰り出しました。
宿から歩いて5分。
到着です。
何故かスーパーに連れてこられた我々。
俺たちご飯行こうと思ってたんだけど…
まずここでクロワッサンとハムとチーズを買うんだ!
キングスパークっていう有名な公園があるからピクニックしようぜ!
すっごい時間かかりそう!
ミッキーは仕事をしておらず、ホステルの駐車場に車を停めて車の中で寝泊まりするほど金が無いため外食はしたくないそうです。
サイコーじゃん!
パース博士のミッキーに連れられて30分ほど歩き公園に到着しました。
などと思いながら購入した食べ物を各々食べはじめます。
天気も良いし、気温もちょうど良いし、改めてオーストラリアの気候の良さを感じました。
鳥の鳴き声、美しい景色、そして仲間たちとの出会いに感謝
忙しい都会の暮らしで見えなかった大事なものに気付けた気がするよ
つっこみたいところですが、本気の感じで言っているのでスルーです。
確かに日本では絶対に見れないような植物や生き物が見れてなかなか面白い公園です。
- [自然の素晴らしさを真剣に語る2人]
……
……よし!
相変わらず飽きっぽい私は「そろそろ帰りませんかオーラ」を漂わます。
しかしGoogleマップを開いた私はとんでもないことに気付いてしまいました。
なんとここはミッキーが言っていたKings Parkではなかったのです!
非常に言いづらいんだけど…
ここKings Parkじゃなくない?
なんとここはKings Parkの向かい側にあるJohn Oldham Park-ジョンオールドハムパークというちっちゃい公園だったのです!
俺ここがKings Parkだと思ってたよ!
1年間!
めっちゃアホやん!
それでも十分綺麗な公園なので、リラックスできたし私としては満足でした。
しかしこだわりが強いドイツ人ふたりはなんだか不服な表情。
Kings Parkで食べなきゃだから残しとけ!
ピクニックへのこだわりがすごいですね!
結局どうしてもKings Parkに行きたいふたりに私もついて行くことになってしまいました。
Kings Parkは丘の上に広がるめちゃめちゃデカい公園です。

最短距離で行くにはこの地獄の階段を登らなければなりません。
【旅行記117】スコットランドのエディンバラで左ヒザをやられた私にとってはまさに地獄。
同じ種類の花でも少しずつ色が違うことからポエム的なことを言い出すジョナスにドン引きする時間や、階段の途中で見つけた鉄棒みたいなもので無駄に筋トレをするミッキーを待つ時間などを経てついに到着しました。
よし…!着いたぞ…!
ここが…キングスパークか…!
初めて来た…!
ヒザ痛い…

階段を登りきり全員汗ダクのヘトヘトですが、ここからの景色を見るためだけでも苦労して登る価値はあります。
喉が渇きすぎて、わざわざ残しておいた水分ゼロのサンドイッチセットがまったくすすまなかったのは言うまでもありません。
インド料理屋で食事
後日再びミッキーに連れられてパースの街中へ。
この日はパースのランドマーク的存在であるベルタワーにやってきました。

ということで近くにあるミッキーオススメの『Annalakshmi on the Swan』という店に行きました。
この店のすごいところは退店時にドネーション(寄付)を置いていくという料金システム。
すごいよな!
さっそく3人で食事をしました。
味は特筆するほどのものではありません。
すべてベジタリアンメニューなのでとてもあっさりです。
食事を終えて店を出る時に出口に店員さんがひとり立っています。
俺はちょっとトイレに…
ジョナスと私が5ドルずつ支払って店の外に出ると、トイレに行ったはずのミッキーがもう既に階段の下で待っていました。
行こうか!
この男がなぜ1年も仕事をせずにパースで生きながらえているのかが理解できた瞬間でした。
ゴールドコーストでスケボーを買った私とパースでスケボーを買ったジョナス。
この日は我々ふたりはスケボーを持ってきていました。
それらを羨ましがるミッキーにスケボーを与えたところ大変気に入ったようです。
その動画▼
ファームジョブを探しに行かなければならないのにパースがこれだけ楽しいと離れたくなくなります。
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キューピーとヤク中女
パースには『タカ』という日本食レストランがありまして、特別美味しいわけではありませんがリーズナブルなお値段とホステルから近いことが気に入った私はよく利用していました。
- [韓国人ショーヘイ]
- [ドイツ人ジョナス]
車の受け取りについてきてくれた韓国人のショーヘイとジョナスと私の3人でタカで食事をしていたところ、同じホステルの住人ふたりと偶然出くわしました。
特にキューピー
無礼で口が悪くてみんなからまあまあ嫌われているブラジル人のキューピーと
- [ブラジル人キューピー]
噂ではヤバめのヤク中で目の下のクマがすごいアイルランド人のアイリッシュ。
- [アイルランド人アイリッシュ]
ふたりがこちらに気づきニヤニヤしながら近づいてきました。
聞いたぞ車買ったのか?
ビーチまで乗せていけよ
いひひひ
泳いだら…気持ちいよ…
若干引っかかるところはありますが、間もなく私はパースを出るので思い出づくりのために5人でシティビーチに行くことになりました。
ジョナスが助手席でナビ、うしろに残りの3人が座っています。

最初は楽しく5人でドライブをしていた感じでしたが、不潔で下品で横柄なキューピーはまわりのことなど気にせずアイリッシュの肩に手をまわし、彼女を口説きはじめました。
いっひっひっひっ
キューピーの隣に座る韓国紳士・ショーヘイは途中から無言でだいぶイライラしています。
なんかうしろ空気悪くない?
まあキューピーいるからね
アイリッシュも愛想悪いし
ビーチに到着しました。
着くや否や海に飛び込んだキューピー。
そして軽々と持ち上げられてパーカー&デニムのまま彼に持ち上げられて海に落とされるアイリッシュ。
特に何もせずダラダラゴロゴロする我々3人。
往路で車内の空気が悪くなりふたりと3人で完全に分裂してしまっています。
2時間ほど滞在し、夕方になって道路が混むことを予想した私はみんなに声をかけて帰宅すると告げました。
パース最終日のこの日。
まさかこの後ここまでの事態になるとは誰も予測していなかったでしょう。
ちょっと待ってそれで乗るの?
なんとキューピーとアイリッシュは海水で服ビショビショ&砂まみれのまま当然のように私の車に乗ってきたのです!
アイリッシュにいたっては分厚いパーカーとデニムのまま海に入っていたので、水分含有量がとんでもないことになっています。
タオルねぇんだよボケ!
別に…大丈夫でしょ…
もちろん安くてボロい中古車ではありますが、私にとっては買ったばかりの大事な愛車です。
あまりごちゃごちゃ言いたくはありませんでしたが、ふたりには出来るだけ衣類を絞り、砂をはたいてもらって、ビニール袋をシートに敷いてから乗車してもらいました。
こんなボロ車!
別に良いだろうが!
機嫌が悪くなってきたキューピーと何故か私よりもムカついてきている短気なジョナス。
ジョナスをなだめる紳士ショーヘイ。
かなり嫌な空気のまま帰路に着きます。
案の定道は混んでいます。
西日がガッツリ後部座席に差し込んで気温が上昇して来た時、アイリッシュはビショビショのパーカーが気持ち悪いとおもむろに脱ぎ出しました。
すると下着をつけずにそのままタンクトップを着ているだけの彼女はビーチクが透けまくっているようです。
それに気づいたキューピーが興奮し騒ぎ出しました。
オッパイ見えてるよぉ〜!
触っちゃおうかなぁ〜!
いひひ!
その下品過ぎるキューピーの態度に東洋一の紳士ショーヘイがついにキレてしまったのです!
女の子に向かって!
キムチばっか食って!
クソコリアンが!
うるせぇんだよクソども!
静かにしやがれ!
車内は完全にカオスです!
大声で喧嘩しはじめる男3人。
そして軽くぶっ壊れたヤク中アイリッシュ。

渋滞がひどいこともあってついに彼女のイライラが爆発しました。
ドイツにはアウトバーンしかないから道案内できないんだろ?
もともと短気なジョナスはこれで完全ブチギレ。
ドン‼︎
キレたジョナスは助手席のドアをパンチしています!
ジョナスが座っている助手席のヘッドレストにアイリッシュが濡れたパーカーをかけていたことにも怒り出しました。
さらにキューピーはドンドンと足踏みをしながら、戦いの前に行う儀式のような動きで車内全体を威嚇しはじめました。
「落ち着け!お前ら!」と一番でかい声で叫び出したショーヘイ。
この決して広くない車内は完全に戦場と化してしまいます。
これだけは言えます!
これ私の車です!
私は一旦コンビニのようなところへ車を停めて、休憩を提案してみたのですが…。
早く行け!
運転下手くそなんだよジャッポネーゼ!
早く…車出せよ…
キューピーとアイリッシュのこの言葉でついにこの私もイライラMAX。
そして大人気ないとは思いますが苦肉の策に出るのです。
これは私の車だ
気分を害した
ここから自分で帰れ
バスもタクシーもある
どうやってこっから帰んだよ!
でもここからは帰れないから…
頼むよもう静かにするから
ファッキンジャパニーズ!
お前らとおっても時間の無駄ですわ!
気分を害した私は何も無い場所で4人を下ろし、すぐに車を走らせました。
と!見せかけて!
ひとつ角を曲がったところのガソリンスタンドで停車。
すかさずジョナスに電話をかけます。
さっきはほんとごめ…
ショーヘイ連れて1ブロック先まで歩いてきてくれる?
キューピーとアイリッシュは連れてこないでね?
さっきは怒ってごめん
あれふたりを撒くための嘘だから
OK OK
悪いとは思いましたが、あのふたりは害でしかないためジョナスとショーヘイだけ連れて帰ることにしたのでした。
ホステルへ戻った頃には暗くなってきています。
パース滞在は今日で6日目です。
いつまでも遊んでいられないので次の日パースを出ることにしました。
仲がよかったジョナス、ショーヘイ、ミッキーと私のお別れ会をしました。
[21:00]
どうやって帰って来たのか分かりませんがアイリッシュが私の元へ現れます。
アイリッシュはサイコパス顔だし何をしでかすか分かりません。
しかし怒っている様子はなく、むしろ困ったような表情。
キューピーから…伝言なんだけど…
キューピーから?
彼のバッグがシンの車の中にあるかも…
財布もパスポートもiPhoneも全部バッグの中なんだよね…
ビーチのあとは手ぶらで乗ってなかった?
ビショビショの砂まみれで買ったばかりの私の車に!
あと頼み事は自分で来いって
そんなこと…言うと…怒るかも…
あいつはブラジルでどんな教育受けてきたんだ!
結局キューピーが私の元へ現れることはありませんでした。
しかし少々心配になった私はアイリッシュを連れて車の中を探しに行きましたが、結局バッグのような物はなかったので、おそらくビーチに忘れてきたのでしょう。
運転するから…車を貸して…
どうすれば…いいの?
歩いて…行けって…言うの?
ファック!
アイルランドでどんな教育受けて来たんだ!
約1週間の楽しい生活でしたが、最後はちょっと後味が悪い夜になってしまったパースでした。
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