1年間のオーストラリア生活が終わり私は再びバンコクに戻って来ました。
タイ・ラオスで一文無しになり地獄の生活が始まるかと思いきやそうでもなく,間違いなく私の人生で1番楽しかった1年となりました。
さらに運良く仕事にも恵まれ,12,000ドルの貯金を作ることが出来たのです。
その後「タトゥー」に興味を持ち,それまでぼんやりと生きていた私に人生の目標ができました。
彫られたことは何度もありますが彫ったことは無し!
知識無し、経験無し、情報無し、人脈無しから新しい事を始める事はかなり難易度が高い。
しかし記憶の超片隅に残っていたインド在住の日本人彫り師を私は思い出したのであります。
[2016年8月]
連絡先も何も知らない「その人」を訪ねる旅・インド修行編が始まったのであります。
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オーストラリア編▼
タイ・ラオス編▼
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CONTENTS
一旦バンコクに寄った理由
バックパッカーの感覚
私が以前「その人」と会ったのはインドなんですがなぜ一旦タイに来たのかというと,1年間のオーストラリア生活で失いかけていたバックパッカーの感覚を取り戻すためであります。
オーストラリアでは毎日仕事をして規則正しい生活を送っていたので,バックパッカー旅行で常に起こるランダムなハプニングに瞬時には対応出来ないかもしれないと判断しました。
ましてやそれが世界一パンチが効いている国インドだと尚更であります。
要は汚い生活環境とか暑い気候に慣れておくために一旦バンコクに来たのです。
何にせよバンコク乗り換え
オーストラリアのパースからインドのムンバイまでの直行便が無かったので結局どこかで乗り換える事になります。
私のような貧乏ろくでなし系バックパッカーはLCC一択なので,結局マレーシアのクアラルンプールかバンコク等のアジアの都市で一旦乗り換えをするしかないのです。
そういう事ならバンコクでちょっとゆっくりしてからインドへ行こうじゃないかということで、「パース▶︎バンコク」と「バンコク▶︎ムンバイ」を別々に購入したのでした。
タトゥーを入れたい
そして最大の理由はバンコクのタトゥーアーティストを見ておきたいというもの。
私はこれまでいろんな国でタトゥーを入れてきましたが、バンコクの彫り師はかなり技術力が高いのではないか?と思っていたのです。
タトゥーに限らず「技術力」の高さは練習量と実践での経験量に比例すると私は思っているのですが,彼らのそれはものすごいです。
世界一バックパッカー旅行者を集めるバンコクではタトゥーを入れたい人が世界中から集まっていると言っても過言ではありません。
以前小さいタトゥーをバンコクでやってもらった時にはどの店にもランチ時のラーメン屋のようにおびただしい量の客で溢れていました。
そして朝から晩まで彫り続けるのであります。
バンコク以外でこのような光景は見た事がありませんでした。
またアジア人特有の細かい性格とタイという国の文化のひとつにタトゥーがある事から,タイ人の彫り師のレベル高さを感じていたのでした。
タイのタトゥー文化
1000年以上の歴史を持つタイのタトゥーの文化はサクヤンと呼ばれ,仏教による「力」と「保護」を目的として主に僧侶の背中上部に同じデザインのものが彫られ続けています。そのため国民のタトゥーへの認識が日本やその他外国と大きく違います。
逆に私は白人には2度と頼まないと決めています。
大雑把でどこかしら人を舐めている彼らの性格は作品にも滲み出ている事を私は身を持って経験しているのです。
打ち合わせや下書きの段階でそのテキトーさが見て取れます。
しかしその白人彫り師のテキトーな性格を反面教師にした事が「自分でやろう」と思ったきっかけになったので、存在自体までは否定出来ません。
バンコクのタトゥースタジオ
以前泊まっていたカオサンロードのNAT2という日本人がよく溜まっている宿にチェックインしました。
タイでよく見かける髪の編み込み屋でやってきたのであろうふたりの日本人女子コンビと知り合いました。
スイカを盗んできたようなエリと,大木凡人(オオキボント)の様なメガネをしているナオ。
相変わらずたくさん日本人がいますが、今回の目的は以前のような旅行ではないので軽く挨拶をするくらいでいきなり乾杯のような事はしません。
部屋に荷物を置いてすぐに外へ出ました。
オーストラリアで独学で練習していた時,それはもう毎日のように絵を描いていました。
今回はその時に描いた蜂の絵を彫ってくれる人を探します。
カオサンロードには無数にタトゥースタジオが点在しています。
以前お世話になった場所は閉店していて廃墟になっていたので、歩き周って7件のタトゥースタジオを見て周りました。
タトゥースタジオA
とりあえず「Tattoo」という看板が目についた店に入ってみました。
中には数人の客と彫り師。
なかなか繁盛しています。
タトゥーやりたいんですけど
デザインは決まってます
私が描いた蜂の絵を見ながら一言。
10000バーツは3,3000円ほど。
半額くらいを想定していたのでこちらは無しです。
タトゥースタジオB
飯食いよる!
清潔であるべきタトゥースタジオの中で焼きそばのような物を食べているおっさん。
直感で嫌な感じがしたので退店します。
タトゥースタジオC
カオサンロードの端っこの方で小さなタトゥースタジオを発見したので入ってみます。
迎えてくれた男の体には一切タトゥーが入っていません。
いや別に技術が確かなら良いのですが,タトゥー無い人に彫られるのはなんか嫌じゃないですか?
例えるなら総入れ歯の歯医者。
例えるならスキンヘッドの美容師。
例えるならネイルをしてる板前。
信用に値しないのでこちらもちょっと話して退店しました。
その後も4件のタトゥースタジオを周り「BKK Ink Tattoo Studio」というところでデザインを描いてもらう事にしました。
そして次の日実際に彫ってもらって完成!
実際に彫られながら彫り師の技術を間近で見てかなり勉強になりました。
蜂の巣をイメージした六角形を腕一周してもらうアドリブもなかなかイケてます!
細かいラインや、薄いグレーの塩梅も上手すぎて感動しました。
いい出来だよ
あれ?
蜂なのに針が無いですね
まあこれも旅の足跡です
いつか誰かに針を彫ってもらう事にします。
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