フィリピンの語学学校に行きはじめて2週間が経ち、友達も増えてきて遊びに誘われるようになります。
様々な方面からのお誘いが絶えません。
ただでさえ平日は夜中までビリヤードをしたり街に出て飲みに行ったりしているのに、学校が休みの土日は遠出してまで遊ぶのでした。
私が住んでいたバギオという町はフィリピンの他の町よりも治安がはるかにいいため平気で暗い時間に繁華街へ出るのです。
そんな暗い時間に催されるナイトマーケットに行った話。
女の強さと男のショボさの話です。
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服が欲しい!
毎週水曜日バギオでは盛大にナイトマーケットが開かれます。
基本的にはあまりお金を使うようなことはしたくなかったので乗り気ではありませんでした。
これから長期的に海外生活をする予定だったので、お土産なども買う気はありませんでしたが、それでも私はとても欲しい物がありました。
それはあったかい服です。
フィリピンといえばご存知の通り南国です。
しかし山を何時間も登った超高台にあるバギオはめちゃくちゃ寒いのです。
時期は7月上旬。
日本やフィリピンが位置する北半球はこれから本格に夏が始まるというのに、バギオは地元の人でもダウンジャケットを着ていたりするほどの寒さ。
もちろん寒くない日もありますが、寒い日はここが東南アジアだということを疑うほど。
なのに私は完全に舐めていてTシャツとタンクトップしか持っていませんでした。
学校の問い合わせをした時にそう言われましたが、バックパッカーについてネットで調べまくっていた私は
と本気で思っていたため、超重要な学校側からのお知らせを無視していたのです。
なので緊急でパーカー的な物が必要でした。
バギオのナイトマーケット
ともにマーケットへ行くメンバーはこの5人。
私とメガネ君とドンキ君(初日に出来たお友達)
そして心配なるわ!ってくらい痩せている痩せ子ちゃんと、すでに世界一周しているのに英語がまるでダメな世界ちゃんの女子ふたり。
この日は日本人のみで遊びました。
すでに1度ナイトマーケットに行った経験のあるメガネ君の案内でタクシーに乗り、現場へ向かいます。
フィリピンのタクシーはマジで安いです。
学校や宿泊施設のあるエリアから繁華街までタクシーで20分ほどの距離なのですが、5人で相乗りして行けば一人15ペソ(35円)くらいで済みます。
マニラやセブなどの都市では必ずボッタクリ金額を提示してくるのですが、ここバギオではあまりそういった経験はありませんでした。
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すごすぎる女子たち
恐ろしすぎる世界を見てきた女
ドンキ君とメガネ君と痩せ子ちゃんは屋台の方へ行きました。
主に私は世界ちゃんと行動をともにしていました。
なぜかというと世界を旅して来た経験があるため、値段交渉の技術が完成されているからです。
私は青いパーカーを気に入ったのですが、お店のオヤジの言い値は300ペソ。
日本円で約630円ほどであります。
まあそんなもんなのかな?と思っていたのですが、世界ちゃんが値段交渉に入るとめちゃめちゃすごいのです!
プリ〜〜ズ!(スリスリ)
お世辞にも英語が上手いとはいえない世界ちゃんです。
しかしその女子を全面的に出したおじさんキラーの術と、世界で培った外国人の心理を完全に読んだ交渉術により最初は300ペソだったパーカーは結局80ペソになりました。
と服屋のオヤジが諦めたように言うと
世界ちゃんはその親父に抱きつきました。
汗だくの親父になんのためらいも無く!
親父はニヤニヤを隠すことが出来ずご満悦。
なんと完成された交渉術なんだ…
私は彼女の一連の行動に感心するのみでした。
その後今度は世界ちゃんが
と言うので靴屋に行きました。
彼女は私の青パーカーのために頑張ってくれたので
と800ペソの靴に勇み足で値段交渉に望んだところあえなく敗退。
1ペソも下げることが出来ません。
諦めて帰ってくると
と言い残し世界ちゃんは同じ靴の交渉に向かったのです。
そして1分後、目当ての靴と共に帰って来ました。
とのこと。
なぜだ?ちょっと凄すぎるんじゃないか?
なぜあんなに英語が下手なのに半額以下にできるんだ?
私が行った時は親父に睨まれて帰れといったような仕草で目も合わせてくれなかったのに、世界ちゃんが行った後は親父はまだこっちを見て笑顔で手を振っている…!
私は世界ちゃんに対して芸能界の枕営業のようなものを感じ、尊敬を通り越してむしろゾッとしました。
ゲテモノを平気で食べる女
一方でドンキ君とメガネ君と痩せ子ちゃんは特に欲しいものなど無かったようで、珍しい食べ物を探しに3人で屋台の方へ。
私と世界ちゃんも買い物が終わりすぐに合流します。
どうやら3人は屋台のゲテモノ喰い遊びをしていたようです。
もうすでに謎の肉団子やドリアンなどを試していたみたいで、ビビリの私は
と提案しました。
しかし好奇心とチャレンジ精神の塊・痩せ子に私の提案はあっけなく拒否されてしまい、ゲテモノを食すというハイレベルな遊びに参加することになってしまったのです。
Round 1カブトムシの幼虫みたいなやつ
おしんぽこ | CLEAR! | 嫌がりながらもなんとかクリア |
メガネ君 | CLEAR! | 余裕っす!とか言いながらも涙目 |
ドンキ君 | CLEAR! | 嫌がるが、食べてみると美味いらしい |
世界ちゃん | CLEAR! | 味がよければ見た目は気にしないと言う意味不明な発言 |
痩せ子ちゃん | CLEAR! | 食前に美味しそう!と発言し躊躇なく連続で3匹食べる |
これはほとんどの人がイケるのではないでしょうか。
クリーミーで美味しいの意見もなんとなく分かります。
Round 2ゴキブリのような黒い虫の揚げ物
おしんぽこ | Give Up | 一応口に含んでみたが,噛む勇気がなくリタイア |
メガネ君 | Give Up | かじった後ゴキブリの味がするとささやき、消える |
ドンキ君 | CLEAR! | エビみたいっすね!と強がり、ギリギリクリア |
世界ちゃん | Give Up | さっき幼虫食べたのに、虫は無理!と意味不明な発言 |
痩せ子ちゃん | CLEAR! | 食前に美味しそう!と発言し躊躇なく連続で3匹食べる |
味がどうのこうのの話ではないのはお分かりでしょうか。
揚げられているとはいえ触覚のある昆虫です
真っ黒です。
「食」とは本来人間が生命を維持するために人体に必要な栄養素を含む物質を口から体内に摂り入れる行為であって、虫など食べなくても生きていけるのです。
Round 3孵化する寸前のモロのひよこが入ったゆで卵
おしんぽこ | Give Up | 一応購入してみるが見た目のグロさに耐えきれずメガネにパス |
メガネ君 | Give Up | 同じ理由でドンキ君にパス |
ドンキ君 | Give Up | 一口かじるが、無理!と叫び世界ちゃんにパス |
世界ちゃん | Give Up | ドンキ君がかじったからと意味不明な理由で痩せ子にパス |
痩せ子ちゃん | CLEAR! | 食前に美味しそう!と発言し躊躇なく食べ、もう一つ購入 |
バロットという名前の食べ物。
フィリピンでは普通の食べ物らしいのですが、私たち日本人にはもちろん馴染みはありません。
まずその色がグレーなんです。
さらに卵の中のクチバシ、羽、足などがもう完全にひよこなんですよ。
そして生まれる前に茹でたという残虐な調理法。
そのストーリーも相まってなかなか口に運ぶのは厳しい代物でした。
ということで痩せ子ちゃんのダントツ優勝でゲテモノ大会は幕を閉じたのでした。
ナイトマーケットで感じた事
楽しくてしょうがない
私は日本で遊ぶとなるとだいたい居酒屋か音楽がかかっている所に行く、それだけでした。
趣味も何もなかったし、仕事ばっかりだったのでこういったお祭りみたいな場所に来たのは初めてに近かったのです。
日本では何かに誘われてもめんどくさいといつも断っていました。
何を言われて興味を持たない人間でしたがこういう普通の遊び(普通でもないけど)を海外ですることが楽しくて楽しくて、出無精だった私は大きく変わったと思います。
女は強い
というよりビビりな男が多いということかもしれません。
『男は強くあるべきで,かよわい女を守るもの』という風潮というかそういう意識が人にあるため、余計に今回のような女性(交渉上手,ゲテモノ喰い)が強く見えたのかもしれません。
逆に私やメガネ君は男のくせに!とよく言われます。
まあしょうがないです。
虫とか食べたくないですから。
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