マレーシアのバタワースからとんでもない寒さで命の危険を感じながらマレー鉄道に20時間乗り、ついに5カ国目タイに到着しました。
バンコクのホワランポーン駅であります。
時間は朝の9時。
前回▼
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CONTENTS
ゲジ眉カナディアンとカオサンを目指す
ストレスが過ぎる朝
電車を降りて人がうじゃうじゃいる駅を抜けて一旦外に出ます。
すると噂通りのトゥクトゥクドライバーが山盛り寄ってきました。
※タイのバンコクはマレーシアと比べるとそういう系の人達の圧力は段違いです
眠気と頭痛と空腹に加えてめっちゃおしっこがしたい私にとってそのドライバー達はただのストレスでしかありません。
普段ならちゃんと話をしてみたりするのですが
このコンディションでこの連続トゥクトゥクはかなりしんどいのであります。
しかしそこへ
探したぜ~!
と電車に乗る前に少し関わってたウザすぎるカナディアン・ゲジ眉野郎が現れて
私のストレスがピークに達しました。
ゲジ眉と朝食
ゲジ眉とトゥクトゥクを撒いてなんとかひとりになりました。
とにかくトイレに行きたかったので近くのレストランに入り、テキトーなラーメンみたいなモノを注文してトイレに行きました。
トイレの中で頭をよぎったというか、少しだけ予想はしてたのですが、案の定トイレから戻るとゲジ眉がそこにいます。
しかも!笑ってます!
朝ごはんを食べながらゲジ眉と話します。
いいか?
バックパッカーなら自分で歩いてまわって値段を交渉して泊まる宿を探すもんだろ?
俺が教えてやるよ!
(ロンリープラネットをペラペラ)
※ロンリープラネット=ガイドブック
偉そうなことを言っていますがこのゲジ眉は今日がアジア4日目です。
もっというとバックパッカー旅行自体が4日目の赤ちゃん同然の男。
今日はネットで予約して、多少高くてもいいからまともな所で寝たいんだ
いくらくらいのところ?
私はそのレストランのWi-Fiを繋ぎ、AgodaやBooking.comでその日シングルルームで1番安かった350バーツ(900円)のホテルをゲジ眉に見せました。
※2013年当時は1バーツ=2.6円くらいでめちゃめちゃ安かった。2018年現在は3.5円
ほんとに旅ってもんを分かってないね!
その半額以下の宿だってあるんだから!
Don’t be silly man?
旅を分かってねぇとかどの口が言ってんだ?
たった3日間アジアの空気吸っただけで旅人気取りやがって!
こっちはな…
と言いかけて辞めました。
こっちはもう3ヵ月目なんだよ。
お前よりアジア分かってんだよ。
と言ったような、その先輩ヅラした哀れな考え方は非常に愚かだともともと思っていました。
そもそも我々は人の国で勝手に遊ばせてもらっているだけなので、そんなしょうもないことに先輩も後輩もありません。
3日間でもそいつが壮絶な旅だったって言うんだったそうなんだろうし、私が東南アジアに来て3ヵ月目だろうが3年目だろうが、初めて来た何も知らないこのタイという国では今までの経験など何の役にも立たないかもしれないのです。
(別に良いよ?キミがそうしたいんだったら)
こいつ!
ムカつく!!
遠すぎるカオサン
タクシー乗ろうよ!
結局ゲジ眉に言いくるめられ、
『ゲジ眉と共に今夜泊まる宿探し』
が始まってしまいました。
レストランを出てタクシーを捕まえると
歩くぞ!
とゲジ眉が意味不明なことを言いだします。
バンコクのホワランポーン駅からカオサンロードまでは約3.5キロ。
歩いて1時間くらいかかる距離です。
タクシーワリカンでいこう!
※ホワランポーン駅に待ち構えているトゥクトゥクは初めてタイに来た旅行者を狙って500バーツとか1000バーツとふっかけてきますが、実際は50~60バーツくらいの距離です。
結局ゲジ眉と共に歩く羽目になりました。
立場おかしくないですか?
特に話すこともないのでひたすら歩き続けます。
まわりを見るとやたらと野良犬が多いです。
フィリピンでデカすぎる黒野良犬に追いかけられた事がある私は,アジアの犬がマジで苦手であります。
[歩き始めて20分後]
水買わせてよ
早く行くぞ!
ん?ちょっと待てよ?
なんだこの力関係は?
立場おかしいよね?
ゲジ眉がどんどん偉そうになってきている!!
私が折れて「しょうがねぇな一緒に行ってやるよ」という感じになって歩きだしたはず!
これじゃあまるで「私も連れてって下さい!不安なんです~」って頼んで一緒に行かせてもらってる状態じゃないか!
これはもしや…
私は思いました。
一回カマかけてみよう。
▼作戦はこう▼
『疲れたからタクシーに乗ると伝える』
ゲジ眉Aあっさりタイプ
じゃあね!
これでうまくお別れ。
ゲジ眉B女々しいタイプ
半分払うから俺も乗せて?
これはこれでOK!
ゲジ眉C熱き友情タイプ
この時はまだ苦手ながらも「せっかく出来た友達だ」とゲジ眉との関係を良くしたいと思っていたのであります。
[作戦実行]
なぁに行ってんだこらぁ~!!!
ほら!行くぞ!
さっさと歩かんか~い!(大声)
Dのキチガイ鬼教官タイプあったんかよ!
結局私は『ゲジ眉Dキチガイ鬼教官タイプ』と共に約50分ほど歩き続け、カオサンロードに到着しました。
実はB女々しいタイプだったゲジ眉野郎
ここはバックパッカーの聖地と言われるカオサンロード。
安宿はもちろんのこと、飲食店、両替所、物販、その他なんでもある繁華街であります。
毎日朝から晩まで外国人旅行者で溢れ返る、超賑やかで超楽しい場所であります。
さっそくゲジ眉と共に宿探しです。
あっあそこHostelって書いてある!
行ってみよう!
あそこは…(ロンリープラネットをペラペラ)
ん~載ってないなぁやめとこう
じゃああそこは?
あそこもGuesthouseって書いとるぞ!
もうここでよくない?
なに考えてんだよ~!もっと安いところがあるはずだから!
じゃあ自分で決めてくれよ…
このような感じで私が宿の値段を聞きにいき、ゲジ眉はゲジゲジしているだけという状態が長く続きました。
そしてついに泊まる宿も決まらぬままカオサンエリアを突っ切ってしまったのです。
ここだ~!
どうやらロンリープラネットに載っている安宿を発見したそうです。
待ってろよ~?
その握って離さないガイドブックに載ってるからか、いきなり自信満々です。
240だぜ!
240バーツ!
どうだ?安いだろ?
結局ゲジ眉は私が最初に聞きにいった宿より10バーツだけ安いところを見つけ誇らしげ。
2人でチェックインしたのでした。
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さらばゲジ眉私は楽しい旅行をしたい
その宿は窓もない激狭の独房のような場所で、ベッドもペッタペタに潰れているお世辞にもいい宿とは言えません。
しかしそんなことはどうでもいいのです。
早くあのゲジ眉から逃げないと、この先もずっと付きまとわれてしまうかもしれないのです。
カナディアンなので話しているだけでかなり英語の勉強になるし、せっかくできたいい友達かもしれません。
どういう理由か知りませんが、バタワースからやたらと私と仲良くなろうとしてきます。
しかしどうやら私は器の小さい男のようです。
私はゲジ眉がめちゃめちゃ嫌いっす!
どんな手を使ってでも逃げたい
1日中爆睡して次の日の朝7時。
こっそりと荷物を持って部屋を抜け出し早すぎるチェックアウトを試みたところ、なんと1階のカフェでゲジ眉が朝食を食べているではありませんか。
さらにすぐに気づかれてしまい、コーヒーを買って同席することになってしまいました。
荷物を持っていることに触れられたので
と言ってみました。
俺も後で荷物取ってくるよ
ついてくる気だ!
逃げられない!
私はもう関わりたくないので逃げる方向を考えながら彼と話していたその時!
と彼が席を立ったのです。
今しかない
私はゆっくりと立ち上がりその場を離れ、あてもなくとにかく遠くまで歩いていきました。
ゲジ眉にとってはたいしたことではないかもしれませんが、私にとってはすごく大きなやっちゃいけないことをやった感じで、逆に清々しい気分でした。
ここはカオサンロードの一番西側の宿。
私は一番東側の端っこのほうまでひたすら歩いていきました。
これでいい。
これでいい。
友達を裏切ったかもしれないが、こんなにつまんないのは嫌だ。
もっと自由に私は旅を続けるんだ!
と頭の中で喋り続け、初めて来た何もかもが珍しいはずのバンコクの街並みには一切目もくれず、ひたすら前を向いて歩き続けました。
これはまるで映画Trainspottingのラストシーンで、大金を持ち逃げするマークの心境!
頭の中ではUnderworldの『Born Slippy』が鳴っています!!
さらばゲジ眉!
なぜ裏切った?
本当のところは俺がワルだからだ。
だが変わろうと思う。
これを最後に足を洗ってカタギの暮らしをする
楽しみだ。あんたと同じ人生さ。
平穏に暮らす。寿命を勘定して。
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次回▼
げじ眉から逃げられてよかった
こっちまでホッとする
そんなやついるんだな今どき
本当に良かったです。話の流れではこの後にカナダにワーホリに行くんですが,彼のおかげでカナダの印象が悪くなりました(笑)