首都ヴィエンチャンからヴァンヴィエンに到着しました。
▼行動をともにするのはこの4人
夕方にチェックインした我々は数時間休んだあと、ヴァンヴィエンの有名なバー『SAKURA BAR』へ足を運びました。
そしてその夜、ニコン君のゲロのおかげで密かに想いを寄せているシズちゃんが私の彼女になってしまうというハプニング。
今回はその次の日の話。
4人で『ブルーラグーン』というヴァンヴィエンの有名なアクティビティスポットへ遊びに行くのですが…。
前回▼
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ヴァンヴィエン2日目の朝
前夜の記憶
コンコンコン!
コンコンコンコン!
ドンッ!ドンッ!
時間は朝9時くらいでしょうか。
私は物凄い勢いでドアを叩く音で目を覚まします。
しんさ~ん
シズさ~ん
開けていいっすか~⁉︎
開けますよ~!?
いいですか~?
この声はニコン君…
私はニコン君の声で寝起きとは思えないスピードですべてを思い出し、すべてを理解しました。
▼我々4人のあみだくじで決めたもともとの部屋割りはこんな感じ
前夜、『SAKURA BAR』で酔い潰れてしまったニコン君を101のシャワールームに連れて行ったはいいのですが、ニコン君が動かなくなってしまったため私はシズちゃんとふたりでニコン君の104の部屋で寝ることになってしまいました。そしてその夜からシズちゃんは私の彼女になってしまいました。
まず▲ここまでを3秒で思いだします。
ニコン君がしきりにドアを叩く音と「開けていいっすか~⁉︎」の声で私は起きました。
そう、もともとここは彼の部屋です。
彼の荷物全部がこの部屋にあるのです。
おそらくあの感じだと、前夜彼は風呂にも入れていないでしょう!
つまりゲロまみれのニコン君は一刻も早くシャワーを浴びたいはずなのです。
しかし!大問題発生!
ご想像いただいている通り、私の隣には『パンイチのシズちゃん』が寝ています。
そして私にいたっては全裸です。
そしてここは灼熱の東南アジアの安宿。
つまり掛け布団的なものなど無く、このハレンチな状態を隠す布が無いのです。
ニコン君は今にもドアをあけてきそうな感じ!
ニコン君入ってくる!
しかしここで『ちょっと待ってね発言』は怪しすぎる!
いやまずパンイチで寝てるシズちゃんに何かしらの布を!
布を~!
結局私は人生28年の中で恐らく最速とも言えるスピードで服を着て、もうひとつのベッドのシーツを引っぺがし、パンイチのシズちゃんを「ミノムシ」のようにぐるぐる巻きにして何食わぬ顔でニコン君を部屋に入れたのでした。
びっしょびしょ
何食わぬ顔でドアを開けます。
僕、服とか全部こっちだったんですよ
昨日はあんま覚えてないですけど、連れて帰ってくれてありがとうございます
こっちこそニコン君のベッドで寝てごめんね
もうこの際この部屋割にしちゃいましょう
我々大人ふたり(おしんぽこ、シズちゃん)に気を使ってくれているのか、はたまたゲロまみれで私のベッドで寝てしまったことを悪く思っているのかは分かりませんが、お互いそんなに「気まずい感じ」にはならずにいつも通りでひと安心。
なんにせよ彼がこのシチュエーションを変な風に思っていないことを安心しました。
しかしトラブル発生!
え~⁉︎
びっしょびしょじゃないっすか!
どうしたの?
なんかこぼしました?
我々は前夜酔っていたとは言え、水をこぼしたことに気付かないほどにめちゃくちゃになってはいないのです。
そもそも私の水のペットボトルは違う場所に置いてあるし、フタも閉まっていて倒れてすらいません。
と天井を見るとすぐに理解しました。
あぁ…
なるほど…
昨晩の大雨でめっちゃ雨漏りしていました。
寝起きでバタバタしていてまったく気付きませんでしたが、私の荷物もびっしょびしょでした。
『三大アジアの安宿で気をつけること』
- 盗難
- 南京虫
- ぼったくり
に「雨漏り」を追加しました。
結局部屋割は入れ替わって▼こんな感じに
なんで私ぐるぐる巻きなの?
何も知らないこの人はのんきなものです。
ブルーラグーン
ブルーラグーンって?
ヴァンヴィエンの人気観光地と言えばブルーラグーンです。
エメラルドグリーンの、綺麗で流れの緩やかな川。
飛び込みスポットや水面ブランコなどが設置されていて、子供はもちろんのこと大人も十分楽しめる場所です。
付近には飲食できる屋台などもあるため1日中遊べるでしょう。
ラオスの旅のメインイベントのひとつ。
我々4人はこの日ブルーラグーンへ行くことになりました。
ブルーラグーンへ行こう!
ブルーラグーンへの行き方は5種類。
- トゥクトゥク
- レンタル自転車
- レンタルバイク
- レンタルバギー
- 現地ツアー
トゥクトゥク
一番手取り早いですが、一番金がかかります。
自転車
一番安くつきますが、しんどいです。
なぜならブルーラグーンまでは8kmほどあり、道が舗装されていない場所もあるからです。
バイク
日本でいう原チャリ。
ヴァンヴィエンの街中、そこら中に貸しバイク屋があります。
バギー
乗ってみたいですが割高です。
現地ツアー
軽トラの荷台にギュウギュウに詰めこまれます。
経験者から話を聞いたのですがオススメしないとのこと。
バイクを借りて出発
遊ぶ気満々の我々4人は昨晩のサクラバーでもらった 『サクラバータンクトップ』をみんなで着用し非常にダサい状態。
しかしディズニーランドでミッキーの黒耳を高額で購入している女子と気持ちは同じなのです。
我々は滞在している宿チャンタラゲストハウスのすぐ近くにあるレンタルバイク屋で4台のスクーターを借り、ブルーラグーンへ向けていざ出発。
7月のラオスは雨季ど真ん中。
しかしこの日は前日の雨が嘘のように快晴でした。
アロハ君を先頭に出発しました。
ヴァンヴィエン中心部から離れると道がかなり悪いのでゆっくりのんびり進んでいきます。
私は海外でバイクを運転するのは【旅行記61】のインド以来ですが、やっぱり開放的で気持ちいい。
ここまではスムーズに事が進み、天気も良くて楽しさ以外の何物でもなかったのですが…
自体は急変します。
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雨季にアジアなんて行くもんじゃない
泥まみれのおしんぽこ
走り出して20分後、ポツポツと雨が降り出しました。
その一粒一粒が熱された地面に染み込んでいくのを見ながらゆっくりバイクを進めていきます。
そしてそれからものの5分ほどで空は真っ暗、雨脚は強くなり、地面も完全に濡れてきてしまっています。
ここらへん何も無いから雨宿りもできないね
飛ばしまっせ!
つい先ほどまでは自転車並のスピードでのんびり走行していました。
しかし小雨とは言えないほどに雨が強くなってきたので少しスピードを上げたのですが…。
ちょっと待ってよ〜!
みんな速いよ〜…
4人の内シズちゃんだけはあまりバイクの運転が得意ではありませんでした。
道がかなり悪いため彼女のスピードに合わせてゆっくり進んでいたのですが、突然の雨で男性陣3人がスピードを上げた事により彼女はついてこれなくなってきていたのです。
さらに事態は悪化するのみ。
それまでは悪路といえど一応アスファルト的なもので舗装されていた地面ですが、ある地点からただの『土の道』に変わりました。
またブルーラグーンは山間部にあるため高低差も激しくなってきています。
さらに雨は一層強くなり、あたりは水たまりができるほど。
このラオス編始まって以来最大のピンチ!
しかし我々は進まなければなりません!
勇敢なる冒険者バックパッカーだから!
とかそういうのじゃなくて、せっかく30分以上走って来たのに今から引き返すのはもったいない感じがするからです!
しかしその勢い余ってついに恐れていたことが起きました。
ズルーッ!!
ぬかるみでスリップしてしまい、バランスを崩した私はかなり激しく転んでしまったのです!
幸いなことに地面が柔らかくなっていたおかげでまったく怪我はありませんでした。
一度路肩へ集合します。
相変わらず雨は我々の体とバイクを激しく打ちつけています。
私の左半身が泥まみれになってしまい、普通だと『かなり面白い状態』なはずなのですが、誰ひとりとしてそれを笑う者はいません。
しかし私はこういう時こそ笑わなければならないと考えました。
ミラーに泥付いてるから拭いたほうが良いよ
転ぶと危ないし!
まあ私が一番泥まみれなんすけど!
ぬはははは!
……。
私以外の3人はこの最悪な状況で精神的にやられてしまい一切笑いません。
2つの意味でスベっています。
バイクの運転が苦手なシズちゃんにいたっては雨が降りはじめる以前から大人げなくちょっと泣いています。
集合したものの、ただただ無言で途方に暮れる我々。
何も状況は変わらず再びバイクを走らせました。
男・おしんぽこ 決断にいたる
もはや4人の精神力は限界ギリギリといったところでしょうか。
ふざけたりしながらながら、ニコニコワイワイ出発した数十分前とは真逆の空気を各々まとい、泥まみれになりながらブルーラグーンを目指します。
そこで新たなる問題発生!
ずっと我々男性陣を追うように最後尾を走っていたシズちゃんですが、ここで完全にストップしてしまいました。
帰りた〜い
大丈夫?
雨で土の道路が柔らかくなってしまい、地面はもはや一部『泥沼』と化しています。
シズちゃんのバイクの後輪が半分以上埋まってしまい、勢いよくスロットルを回してもスリップしてまったく動けなくなってしまいました。
さらにここは走行がはじまって一番の急坂。
女性ひとりの力で脱出するのはかなり困難です。
またこのタイミングで雨はピークを迎えました。
大雨による体の冷え。自分の運転のせいでみんなに迷惑をかけてしまった。また私の転倒を目の前で目撃。さらに自分のバイクを動かせなくなってしまい、それまで耐えた思いや今後の運転への恐れからシズちゃんは完全に泣き出してしまいました。
みんなごめ~ん
ほんとにごめん
グスングスン
がんばりましょ!
シズちゃんが心配過ぎて全然前に進めない私と、少しイライラする若手のふたり。
私はタイのバンコクでシズちゃんに出会いました。
シズちゃんにとってはそれがはじめての海外です。
不安から半泣きになっている彼女に一目惚れした事がきっかけで、なかば無理矢理ラオス旅行へ誘っています。
さらにはひょんな事からお付き合いをすることになってしまっています。
なのに!
なのに彼女は号泣しているではありませんか!?
これはすべて私の責任であり、再び笑顔にする義務が私にはあります!
いつもはビビリでヘタレの私ですが、バンコク以来の彼女の涙を見て『男の中の男・おしんぽこ』は決断しました。
ふたりは先に行ってくれ!
私はここに残る!
絶対にブルーラグーンを見つけてくれ!
まるで強大な敵が現れた時に主役を守りたいがために自分の命を犠牲にしてしまう少年漫画の名脇役のようなことを言い放ったこの私。
アロハ君とニコン君のふたりにはブルーラグーンへ向かってもらい、私とシズちゃんは諦めることにしました。
私はシズちゃんのバイクを試行錯誤の末なんとか泥沼から脱出させて、ふたりでバイクを押してヴァンヴィエン中心部まで戻ったのでした。
シズちゃんとの初デート
ヴァンヴィエン中心部へ戻る私とシズちゃん。
街に近づくにつれ道は舗装された場所が増え、少しずつ雨も弱まりなんとか宿に帰ることができました。
そのころには先ほどまで我々を異常なまでに苦しめた雨もすっかりやんで、むしろ日差しが痛く感じるほど晴れてきました。
またそれに続くようにシズちゃんにも笑顔が戻って一安心です。
だといいね…
しんくんも行きたかったよね…?
ごめんね私のせいで…(泣)
グスン…ヒックヒック(泣)
ヤバい!
せっかく泣き止んだのにまた自分を追い詰めて泣き出しそう!
彼女は現在かなり敏感な状態!
軽はずみな発言は慎むべきです!
ということでバイクを一台だけ返却。
シズちゃんをうしろに乗せてブルーラグーンとは逆方面の舗装されている道路をあてもなく進んで絶景を探す遊びをしました。
これには非常に喜んでもらい、前夜に勢いだけで結ばれてしまった我々はこれで正式にカップルになったといえるでしょう。
また私はニコン君とアロハ君にはシズちゃんとのことを何も話していませんでしたが、前夜の件と今回の件で確実にバレたともいえるでしょう。
前回▼
次回▼