18時間にもなる列車移動を経てやっとムンバイに到着しました。
次の日はまた10時間かけてゴアまで行かなければならないと思うとゾッとします。
時間は朝の9:30。
1泊だけのムンバイ旅行が始まります。
前回▼
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旅行者を見ないムンバイ
これまで滞在したどの町にも一定数の外国人旅行者がいて、たまに情報をもらったり話をしたりしていました。
しかしムンバイ市街地に到着して最初の印象は
駅でチケットを買うときには数人の白人バックパッカーを見ましたが、実際街中に行くと本当にインド人しかいません。
いつも以上にジロジロ見られている気がします。
騙すのが下手なタクシー
タクシーに乗りAgodaで予約していた宿に向かいました。
どうせ『そこは閉まってる』とか『良くない宿だ』などと言って違う所に連れて行きたいんだろうなぁと思ったので、テキトーな名前を言ってみるとどういう返事が来るのか試してみました。
(これはジャイプルで私が泊まったホテルの名前)
いいか?
俺がいいホテルを知ってるから!
やっぱり言うんですね。
…俺はジャイプル出身だ
なんという言い訳でしょう!
彼がジャイプル出身だろうが何ひとつ辻褄合わせにはなりませんよ!
もう彼と話すことはありません。
ここはクソ宿だから絶対泊まらない方が良いよ!
しかもめちゃくちゃ高いからね⁉︎
こんな所よりも俺が知ってる宿に行った方が良いよ!
しかもここ600ルピーなんですけどね
彼には詐欺の練習が必要です。
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クソ宿は本当だった
砂まみれのシーツ
人を騙すのが下手なタクシードライバーでしたが、クソ宿だというのは本当でした。
それは汚いという意味で、スタッフは親切で好感が持てます。
安宿なのにシングルルームなので文句は言えませんがシーツが砂まみれでした。
恐らくガンジス川みたいな所で▼こうやって洗濯してるので砂まみれなのでしょう!
「なんだよめんどくせえな!」とか「そんくらいいいだろうが!」みたいな感じではありません。
なぜ私がシーツを交換して欲しいと思っているのかが理解できないだけなようです。
現に笑顔で快く交換してくれたのでいいオヤジでした。
シーツの汚れに対しての感覚が違うのでしょう。
笑顔でオヤジが持ってきたシーツはより一層砂まみれでサラサラどころかザラザラでした。
ほんとに交換する意味が分からなかったようです。
しょうがないのでシーツを持って外に行き
バサ!バサッ!
ってやりました。
シャワーの水が出ないので秘技を使う
18時間も列車に乗ってきてやっとホテルにチェックインできたのだから、そりゃあもうとりあえずシャワーを浴びたいですよね?
しかしひねってもひねっても水など出てきません。
私は脱いだパンツを履き直し、パンイチでクレームを言いに行きました。
パンイチなので説得力がありません。
ホテルのスタッフやそこらへんにいるインド人たちは笑っています。
スタッフが部屋に来てシャワーではなく下の蛇口をひねりひとこと。
と言って取っ手付きの洗面器のようなものを渡されて、笑顔で去って行きました。
あまりにも「いや普通っしょ?」みたいな対応だったので、それ以上は何も言えませんでした。
しょうがないので下の普通の蛇口から洗面器に水をためながら体を洗うのですが
こんなんじゃいつまでたっても泡まみれやん?
と思い私は禁じられた秘技を使うことにしました。
そのホテルはシングルルームにトイレとシャワーがついています。
そしてここはインド。
どういうことかというと『おけつを洗う専用のホースみたいなやつ』がついてるんですね…。
まさか⁉︎と思いましたか?
トイレの真横にしゃがみ込みそのホースでシャワーを浴びたのでした。
ムンバイ半日徒歩観光
そもそもムンバイはゴアに行く中継地点として1泊するだけだったので観光する気はありませんでした。
しかし時間はまだ昼12時で体はピンピンしています。
なのでちょっとだけ出歩くことにしました。
しかしその道のりは興味深いものでありながら非常に険しいものだったのです。
ムンバイの街中
駅からタクシーに乗って街中に来る途中、高層ビル群が立ち並んでいるのを見ました。
『インド経済の中心部』というのにも納得の大都会でしたが、いざローカルな街中を歩いてみるとやはりそこはインド。
我々日本人の感覚からするとただでさえ何もかもがめちゃくちゃな国なのに、私の印象ではムンバイが一番めちゃくちゃだったかなぁと思います。
ってくらいおしゃれな雰囲気の場所もあれば
ってくらいズタボロの住宅地がすぐ隣り合わせだったりします。
人口がインドで一番多い町というだけあって交通量もハンパじゃないです。
そしてクラクションの音もハンパじゃないです。
私がムンバイセントラル駅についてからホテルに一泊し、チャトラパティ駅からムンバイを離れるまでの約20時間の間にクラクションの音が聞こえなかった時間はなかったと言い切れます。
あ〜くそっ!混んでんな〜!
プップー!
くらいの感覚で鳴らしてるのでしょう。
リンチに合う人を見た
宿の近くでヤバいものを見ました。
ムンバイの街中を歩いていると、ひとりの痩せた男性が10人くらいに囲まれてボッコボコにされていたのです。
インドでは民間人が民間人をリンチ殺害する『私刑』というものが頻繁に起きています。
それは喧嘩の延長でのものではなく窃盗、性犯罪、密売などの犯罪行為を働いた人間を『調子こいた民間人の意味不明な正義感』で
罪を犯したやつはボッコボコにしなきゃ!
と人を集めてやってしまうのです。
その背景には何ひとつ役に立たないインドクソ警官の存在もあると思いますが、自分の犯した詐欺行為や犯罪行為はもみ消すくせに「人の悪は絶対許さん!」という国民性のほうが強いかと思います。
だって警察がクソなのはインドだけじゃないですから。
Mumbai Central
▼ムンバイセントラル駅
Chhatrapati Shivaji Maharaj Terminus
チャトラパティ
ムンバイには主要駅が2つあります。
『Mumbai Central(ムンバイセントラル)』
デリー、ラジャスターン、ムンバイ空港方面からの終点駅。
『Chhatrapati Shivaji Maharaj Terminus(チャトラパティ)』
主に南部に行く始点駅ですが、こっちはめっちゃデカイのでだいたいどこへでも行けます。
またチケット売り場がちゃんとしているのもこっち。
観光する場所が多いのもこのへん。
ゴアに行く電車が出ているのはチャトラパティからなのでここでゴア行きの列車のチケットを買いました。
インド門
『ムンバイと言えばインド門』というくらい有名な場所です。
インドがまだイギリス領だったときに建てられたもので、外国人の入国の管理と同時に、海外から訪れる人にイギリスの権力と威厳を見せつける重要な役割を持った建物です。
しかしここにもほとんど外国人観光客はいません。
偶然にも我々がイメージする典型的なインド人が映りこみました。
このターバンの人はシーク教という宗教の人で、じつはインドでは少数派であります。
そしてそのうしろにはとても仲の良さそうなカップルがいますね。
タージマハルホテル
インド門の目の前にある有名らしいホテルであります。
泊まらないのであれば行くことないですね。
ガンジー像
ご存知インド独立の父・ガンジーであります。
いたる所にガンジー像があるのでわざわざ見に行くほどのものではないです。
マリンドライブ
そして最後に着いた場所は
マリンドライブとよばれるムンバイの夕日スポットです。
アラビア海に沈む夕日ってなかなか見れないので貴重な体験です。
インドでは『手を繋いでデートするカップル』を見ることはほぼありません。
しかしここマリンドライブだけはマジですごいです。
ちょっとあんたたち!
見せつけすぎよ!
と言いたくなるほどアツいカップルが大量発生しています。
そろそろ帰ろうかと思いましたが、同じ道は通りたくないという私のワガママ思考回路により別の道を歩いて帰ります。
なんとなくで帰ろうとしますが、途中でなかなかヤバそうな通りに入ってしまいました。
夕日を見たということは暗くなったということ。
暗くなったということは、怖いということ。
でも分かりますか?
絶対引き返したくない気持ち。
道を間違った自分を認めたくないのと同じ道を戻るのがめんどくさすぎるのが重なって、こういうときは頑なに前に進んでしまうのです。
フィリピンのマニラの時ほどではありませんが、かなり不気味な真っ暗な路地裏を歩いてなんとかホテルに戻りました。
ボンベイ・サファイヤ
ムンバイを地元の人はボンベイと呼びます。
昔この街はボンベイという名前だったのです。
有名なジンの銘柄にボンベイ・サファイアというものがあります。
ボンベイ・サファイアをボンベイで飲んでみたい!
と思いホテルの近所のバーに入ってみました。
ボンベイ・サファイアの名前はイギリス植民地時代のインドでジンが大流行したことから、都市の名前であるボンベイを入れたことが由来です。
外からは中が見えない店だったので若干緊張しましたが、外に出ていたメニューがそこまで高くなかったので入ってみました。
私は普通のパブみたいなやつを想像していましたが、中に入ってみるとそこは外からは想像もつかないほどカレー臭のするほぼ暗闇のようなバーでした。
と一瞬思いましたが、カウンターのスタッフにメニューを渡されたのでそのままカウンターに座りました。
そしてボトル棚を見るとなんとボンベイサファイアがありません!
これはいよいよ出ないかんなぁと思いましたが、隣のおっさんが面白すぎたのでタンドリーチキンとビリヤーニ(カレーチャーハン)を注文して長居してしまいました。
なんだかんだ充実したムンバイでの1日。
宿に戻ったら再びトイレのシャワーをして爆睡するのでした。
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