列車内で大事な荷物を全て奪われた私の旅の相棒・サラ髪君。
インド人警察に4日連続頼み込んでもポリスレポートはゲットできず、ついにデリーでインド旅行脱落となってしまいました。
そしてサラ髪君とお別れした私は再びひとり旅になるのです。
しかし!
またもや大嘘つき国家の民・インド人に騙されてしまいえらい目にあってしまいました。
前回▼
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ニューデリー駅にて改札通れず
早朝別れを告げホステルを出る
私の次の目的地はジャイプルという町。
ラジャスターン州『カラーシティ』のひとつでピンクシティと呼ばれるジャイプルへ行くチケットを前日のうちに買っていました。
出発時間は朝7:00。
い時間より早く出すぎるアホなクセの持ち主である私は、15分ほどで駅に着くのに5:50くらいにホステルを出ました。
この日私はデリーを出発できないハプニングに見舞われます!
羽交い締めで改札通れず
案の定1時間前に駅に着いてしまったアホな私はブラブラすることもなく乗り場へ真っ直ぐに歩いて行きました。
インドの列車駅はもはや雑魚寝の合宿所みたいになっていて、毎日たくさんの人たちが寝ています。
※意外に安全らしいので最悪駅で寝るのもありです
私が駅に着いたのは朝6時過ぎ。
もう電車は動き出していますが、まだまだ大量の人が寝ています。
乗り場のほうに歩いていくと、さっきまで地面に寝っ転がっていた怪しげな男が小走りで寄ってきて、私の腕をガッシリ掴みこう言いました。
チケット見せろ
あんたさっきまでそこでみんなと一緒に寝てたやんか
そいじゃ
彼の目的が何なのかは分かりませんが、駅員っぽくないので軽くあしらって前に進みました。
しかしその後その偽駅員に羽交い締めにされたのです。
めんどくせえな!
そんなルールないやろ!
そうこうしている我々の真横を何人ものインド人が通過しています。
チェックせんかい!
駅員なら全員チェックせんかい!
しかしインド人特有の目を閉じて頭を揺らすやつしかやりません。
はあ?外国人受付?
意味は分かりませんがとりあえずチケットを見せてみました。
7時発のジャイプル行き!
あ~これは!
この便ね、今日キャンセルになったんだよね~!
だってこちらから見えるモニターに
JAIPUR 7:00
って出てますからね。
彼らはかなり嘘っぽいことを言っていますが、一応シャツを着て革靴を履いて首からフダのようなものを下げているので、何かしらのスタッフなのかな?とも思えます。
その後隙をついて中に入ろうと何度か試みますが、ヤツの仲間がふたり出てきて完全に私の進路は阻まれました。
電車来るでしょ?
私は7:00まで待ちます
そのチケットはもう無効!
有効なチケット持った人しか中には入れないよ!
インドはセキュリティ厳しいんだから!
手ぶらでほぼ裸みたいなやつでもガンガン出入りしてるやん!
つーかあなた!
私以外チェックしてなくない?
駅員じゃないよね?
彼が言うには上の階の外国人受付に行って時間を変更してもらえとのこと。
ニューデリー駅で列車のチケットを買うときは2階の外国人受付で買います。ぼったくりの心配が無いし、エアコン効いてるし、ソファもあるしずっといれちゃう快適スポット。
しょうがないので言われるがまま2階に上ってみました。
するとまだ6:10なので当然閉まっています。
しかしそのフェンスの目の前にひとり、これまた怪しげなやつが座っていました。
俺駅員だけどまだここ空いてないんだよね!
街の方の受付ならもう空いてるからそこまで連れてくよ!
あのタクシーに乗ってくれ
まるで私が階段を上がってくるのを待ってたようにスッと立ち上がる偽駅員2号。
彼が言うには街にも外国人受付があり、そこで時間を変更してもらわないといけないそうです。
※そんなもん無いです
絶対に乗りたくありません。
これから何が起こるのか分かりませんが、間違いなくこれは何かしらに騙されようとしていることだけは分かります。
7:00のジャイプル行きの列車に乗りますから
だからそれはキャンセルだって!
待っても意味ないよ!
来ないから!
勝手に荷物をボロいタクシーに積まれ、チケットも返してもらえず結局そのタクシーに無理やり乗せられる羽目になってしまいました。
旅行会社に騙される
え?どこ行くのこれ?
ドライバーが言うには「すぐそこ」らしいです。
本当にすぐそこなら歩いて行けたわけで、タクシーに乗せられた時点ですぐそこなわけないんですよね。
20分ほどで着いた場所はコンノートプレイスのあたり。
怪しげな旅行会社
タクシーが停まり、降ろされます。
「荷物は置いてていいよ!」と言っていますがもちろん持って車を降りました。
何やら怪しげな細路地を入った先にやたらとゴージャスなオフィスがありました。
そこには本田圭佑スタイルと言わんばかりに両手に腕時計をした「これ以上怪しい人存在しません!」と言い切れるくらい怪しい人がいます。
PCカタカタ…
「ほらこれ証拠ね!」と言わんばかりに、ワードとエクセルだけで作ったようかなり粗末な手作り感満載のWebページを見せられました。
ズラーッと『SOLD OUT』と並んでいます。
うちの会社が用意してるバスなら安心!
まだ席が残ってるからジャイプル行けるからね!
君はラッキーだよ?
出発は今日でいいね?
PCカタカタ…
ちょ!ちょっと待って下さい!
何をしてるんですか?
値段も知らないし買うわけないでしょ?
そもそもここ政府直下の外国人受付だと聞いてますけど?
チケットはあるから時間を変えて欲しいんですけど
うちGovernment(政府)だけど?
時間の変更はできない!
売り切れてるからね!
19,000ルピーだよ!
これは安い!
19,000ルピー=30,000円くらい
もともと私が持っていたのは650ルピーの列車チケット(1000円)です。
手口に気付く
「ちょっと考えさせて下さい」
と言い残し、乗ってきたタクシーに乗り込みました。
これはよくある手口らしくて、いろんな人がはまっている有名な詐欺です。
- 列車がキャンセルだと謎の人間に言われ、外国人受付に行けと言われる
- 誘導する場所が外国人受付ではなく、謎の男もしくは車
- 逃げられないように荷物を車やトゥクトゥクに乗せる
- 旅行会社に連れていく
- 行きたい場所のチケットは向こう20日間くらいすべて売り切れだと言われる※お祭りシーズンだから、観光シーズンだから、人気の街だから、などテキトーなことを言ってきます。
- 自社の高額バスツアーしか、もうそこまで行く手段が無いようなことを言って買わせる
シンプルですが私ひとりのために何人も使って騙そうとしてきたので、つい言われるがまま旅行会社まで来てしまったのです。
またデリーはインドの玄関口なのでインド初心者が多く集まります。
騙される人が多いのでしょう。
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時間がない!急いでくれ
嘘つきインド人
時間はもう6:35!
列車の出発は7:00!
駅まで車で15分~20分の距離です!
まだ間に合うはずです!
チケットは無効だよ?
さっきのはただの旅行会社!
お前らみんなで騙してたんやろ?
違うか?言ってみろ!
外国人受付って言って旅行会社に連れてきたでしょ?
嘘つきやん?嘘ついたんやぞ?
なんか言えよ!
インド人はマジで9割嘘付きです。
しかし彼らは自分たちは嘘をついていないと思っています。
なので嘘付きだと言われるとかなり感情が動きます。
とキレる人もいます。
嘘ついてんのに。
逆に
最悪だよ…
といった意味不明なテンションになるやつもいます。
嘘ついてんのに。
このドライバーは後者。
私が
と発言した瞬間黙り込んだのです。
おしんぽこ逃げる
あと少しで着くというところでドライバーは路肩に車を停め、どこかに電話をしはじめました。
早く行ってくれよぉ〜!
もう時間は6:55。
出発5分前です。
そして電話を切ったあとドライバーは
今すぐ払え!
と、ちょっと強めに言ってきました。
おかしいですよね?
何もかもがおかしいのです。
無料と言われたタクシーです。
そもそも頼んでないのに乗せられたタクシーです。
ついに私は我慢の限界です。
ボケ~!!
と日本語で言い残しタクシーを降りて逃げました。
恐怖!追われて1時間隠れる
タクシーを降りた時点で7:00過ぎています。
列車はもう出たでしょう。
しかしここはインド。
遅延の可能性もあると思い一旦駅に行ってみました。
すると朝イチの一番最初に私を羽交い締めにしてきた偽駅員1号と再会してしまいました。
▼こいつ
しかも様子は大きく変わっており
ジャパニ!ジャパニ!
と、私を指さして叫びながらめちゃくちゃ怒っている様子。
おそらく先ほどのドライバーはこの偽駅員に電話をかけていたのでしょう。
そして駅に行くことも読まれていたようです。
ヤバいかもしれん!
気付いたときにはその偽駅員とその仲間2名、合計3名に追いかけられます。
当然私はダッシュです。
重いバックパックを背負ったまま!
バラナシで負った半端じゃない靴ズレ傷もありながら!
なんで追いかけられているのか分かりません!
捕まったらどうなるのか?
お金を払えば済むことなのか?
そもそもみなさん私に執着しすぎじゃないですか?
デリーのメインストリート、パハールガンジに逃げ込んでなんとか撒きました。
そのまま背後を気にしながらもともと泊まっていた宿に戻ってみましたが、まだ朝の7時過ぎなのでシャッターが閉まっています。
※当時は今と違う場所の細路地を入った先にあって営業時間外は中に入れませんでした。
とりあえずそのままそこに待機することにしました。
まだ早朝なので街にはそんなに人がいません。
今ならリンチしようが拉致しようが誰にも気づかれないでしょう!
見つかったら終わりという状況!
とそのとき、雨が降ってきました。
まわりにはヤバそうな野良犬が3匹寝ています。
そして路地の外からなんとあいつの声が聞こえてきました。
バン!…ババン!(車のドアを閉める音)
ペラペラペラペラ!ペラペラ!ペラペラペラペラペラペラ(ヒンディー語)
ジャパニペラペラ!
ん?ジャパニ?
怖過ぎです
見つかったら終わりです。
なぜここまで追われているのかまったくもって理解できませんが『リンチ大好き国家の民・インド人』に見つかったらおそらく終わりでしょう!
そのまま雨の降る中1時間以上ジッとその場で耐え、朝8:30ごろシャッターが開き中に入ることができたのでした。
サンタナデリーへ再びチェックイン
状況を朝のスタッフに話し、夜までなら半分の料金でホステル内にいていいことになりました。
9時ごろ何人かが起きてきてまた再会します。
とにかくホッとして状況を話しいつものようにランチに行きました。
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チケットを買い直し夜中再出発
オールドデリー発の列車
どうやらこの日私が喰らった詐欺は早朝もしくは夜中に頻発しているらしいです。
昼間の本物の駅スタッフや警官がいる時間帯は彼らは活動していないそうです。
今夜またデリーを出るとして、『ニューデリー駅』には例の偽駅員軍団がいる可能性があるので『オールドデリー発』のチケットを買い直しました。
サラ髪君とゴアで再会⁉︎
荷物を全て盗まれてしまいパスポート再発行のためのポリスレポートも出せず帰国を余儀無くされてしまったサラ髪君。
なんとこの日の昼間合計5回目になる警察署訪問でポリスレポートを申請することができたのです!
これは非常に嬉しい限りです。
今朝のこの事件ですからね
今度こそ本当にバイバイ
朝から丸一日みんなと再びデリーで遊び、今度こそ本当のお別れです。
若干の『まだいたんだ感』が否めない宿内でしたが、本当にいい宿といい出会いでした。
みんなと握手をしてサラ髪君とインド内で再会することを誓いホステルを出ました。
もともとはデリーに行くかどうかで結構揉めていた我々。
行きたい派のサラ髪君と行きたくない派だった私。
噂通りハプニングの連続だったし、サラ髪君にいたっては『荷物全部盗難』なので笑えません。
しかし「もしデリーに来ていなかったとしても違う場所で同じようなことに合っていたんじゃないか?」と思いました。
デリーにはインド初心者が多く集まります。
なので大小様々なトラブルやハプニングを経て、ほかの街では気をつけるようになったりするのではないかと思ったのです。
デリーだけ特別治安がどうのこうの言われてますが……
などと考えながら激安人力車に揺られゆっくりゆっくりオールドデリー駅に向かいました。
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