ゴールドコーストを大変気に入った我々ですが、下した決断は「このまま残りのビザの期間ここに住もう」ではなく「オーストラリアにいれる時間を増やそう」というもの。
つまりセカンドビザを取りに行くことに決めたのです。
しかし残りのビザの期間は半年。
この6ヵ月の間にファームジョブ(畑仕事)を探して88日間の勤務記録を残さなければならないのに、決めた場所はあの…悪名高き街・バンダバーグ!
なぜそんな所に行くのかといいますと、完全に悪ノリです。
今回はバンダバーグへ向かう途中に立ち寄ったブリスベンの話。
前回▼
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ブリスベンへ移動
ゴールドコーストに滞在していましたが、これからクイーンズランド州の田舎街・バンダバーグへ移動します。
到着は4日後なので、その前の3日間はブリスベンに滞在することにしました。
ゴールドコーストからブリスベンまでの行き方は簡単。
GoCard(Suicaみたいなやつ)を使って電車に乗るだけです。
ブリスベンで泊まる宿を探していましたがシズちゃんは相変わらずよく調べてくれます。
1泊20ドルで二人部屋の個室です。
しかも写真を見る限りめちゃめちゃ綺麗だし立地も悪くないようです。
褒めてつかわす
どこ行くの?
クイーンズランドはいい所よ
だって私の地元なんだから!
楽しんでよね!
電車で隣になったクイーンズランドおばちゃん。
クイーンズランドに迎えられたような、とても良い気分でブリスベンに到着しました。
ブリスベンは人口230万人でシドニーとメルボルンに次ぐオーストラリア第3の都市です。
毎回そうですが、初めて訪れる場所のワクワクと若干の不安が混ざったあの独特のドキドキ感がたまりません。
人口3万人にも満たない九州の田舎出身の私は相変わらずジロジロ&キョロキョロの田舎っぺ丸出しです。
ブリスベン駅に到着と同時に電話がかかってきました。
どうやら予約した宿からのようですが…。
あとナンバー教えてくれる?
駐車場確保しとくからさ
徒歩で来ますよ!
とほ!
あんたの予約は駐車場だけの予約になってるよ
駐車場で寝るんか?
なんですと!?
どおりで安いはず。
なんと我々が予約していたのはキャラバンパークの駐車スペース1台ぶんだったのです。
キャラバンパークとはキャンピングカーなどの車生活者が水や電気やインターネットを求めてやってくる場所であり、基本的に宿泊者は自分の車内で寝ます。
しかし予約サイトで見た時は普通に「Double Room」などの記載があり、宿名も『〇〇Hotel』みたいな感じだったのでそりゃ騙されるに決まっています。
一度電話を切りシズちゃんと相談。
ごめん
これじゃ分かんないよな
値段を聞くとやはり倍以上でしたがそれでも他のホテルなんかよりはまだ安かったのでそのまま1泊だけ予約しました。
そして不本意ながらもキャラバンパーク宿に到着。
想像通り大変困った宿でした。
- オーストラリアでは珍しくエアコン完備で、残念ながら室内ではオーストラリアの夏を感じることができません。
- 我々の部屋は無駄に広いので寂しさを憶えます。
- ベッドはキングサイズで大きすぎるし、ふかふかすぎるので恐らく寝過ぎてしまい時間を無駄にしてしまうことが容易に予想できます。
- また鬱陶しいほどに速過ぎるWi-Fiが館内どこにいても繋がるので監視されている感は否めません。
- そして困ったことに24時間常に清掃が行き届いており、これ以上汚すなという宿側の無言の圧力を感じます。
- 極め付けは従業員の態度。気持ち悪いくらい常にニコニコ。頼んでもいないのにコーヒーを入れてくれたり、クッキーをくれたり。この優しさには裏があるはず。またブリスベンのオススメ情報をこれでもかというほどに教えてくれるのです。
まったくぅ
とりあえず1泊予定でしたがすぐに2泊延長。
この困るほどの良宿に3泊するのでした。
ブリスベン川を船で渡る

運よくブリスベンに滞在したこの3日間は天気が良かったので毎日出歩くことができました。
▼こんな壁を見つけてみたり。
ブリスベンでは街を二分するブリスベン川が流れています。
その川を縫うように走るフェリーがブリスベンの名物ともいえるでしょう。
いくつか種類がありますが「City Hopper」と呼ばれる赤いフェリーは無料です。
世の中で一番好きな言葉は「無料」のこの私。
City Hopper に乗ってブリスベンの街を見てまわります。



South Bankという停留所で降りて周辺をブラブラしました。
この一帯はSouth Bank Parklands-サウスバンクパークランズと呼ばれています。
おしゃれなお店や飲食店、博物館や美術館もあります。
観覧車があったり▼のどでかいBRISBANEモニュメントがあったり。
これだけでもなかなか楽しめるのですが,私の1番のお気に入りは…。
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謎の人工ビーチが最高
ブリスベンにはゴールドコーストのようなビーチはありません。
街の東側には海がありますが砂浜ではないのです。
その代わりに超本格的な人工のビーチがSouth Bankにあります。
その名も「Streets Beach」
残念ながら水は海水ではなく塩素ガッツリのプールなのですが、クオリティはかなり高いです。
かなり広く作られたプールは楕円状になっていて、浅いところ、深いところ、ちょっと波があるところ、砂浜など、なかなかに細かく作られていました。

またベンチや屋根がある場所など、泳がなくても休憩するだけで訪れることも可能。
さらに!なんと!
入場無料です!
世の中で一番好きな言葉は「無料」のこの私!
結局ブリスベン滞在中は毎日来てしまいました。
この人工プールの良い所はプールだけではありません。
「プール内って誰か絶対おしっこしてるよね」と不安になりがちな人も大丈夫。
プールのすぐ近くにトイレとシャワーが完備されているのです。
しかも無料!
海外ではトイレが有料なことが多い中ここは無料なんですよ!
この世で一番好きな言葉は「無料」!
近辺にはレストランやファストフード系の飲食店がいくつか並んでいるので1日中サウスバンクで遊べることでしょう。
私とシズちゃんもこの日はサウスバンクのファストフード店でハンバーガーのセット的なものを注文しました。
屋外の空いている席に座りますが、あることに気付きます。
オーストラリアの川辺や海辺にはアイビスという鳥が大量にいます。
▼アイビス

30〜40羽のアイビスがレストラン周辺にいますが、こいつら人が金出してわざわざ買ってきた食べ物を虎視淡々と狙っています。
そのあつかましさは「本当に鳥か?」と疑いたくなるほど。
我々が各々で注文した食べ物を持って席に座った瞬間!
まるで椅子取りゲームの音楽が止まった瞬間のような、何かの号令がかかったかのように一斉に我々の席にアイビス軍団が集まってきたのです!

走るんかい!
羽の意味!
うわ!!
こっちくんな!
平気でテーブルの上に乗ってくるし、ちょっと目を話すとポテトを持っていかれてしまいます。
ハンバーガーだけは死守してなんとか食事を済ませることができました。
サウスバンクに限らずオーストラリアには多くの種類の珍しい鳥がいます。
しかしこのアイビスと海辺によくいるかもめにいたってはまったく可愛げが無いのです。
▼こんなのもいますよ。こいつは可愛い。

仲間ができる?
宿でのこと。
19:00ごろにスーパーで買ったバカでかいステーキ肉を焼こうと宿のキッチンへ向かいました。
結局この宿はキッチンまでも素晴らしかったのです。
豊富な種類の包丁が揃っていてどんな調理にも対応出来ます。
フリーで使える調味料や脂も揃っています。
さらにオーブンや網焼きのグリルなど機材も充実していてさすがキャラバンパークといったところでしょうか。
そしてもちろん清掃も行き届いていて、かなり使いやすそうなキッチンでした。
しかし!
こんなに何もかもが揃っているのに、なぜかフライパンがふたつしかなくフライパン待ちの行列が出来てしまっています!
ディナータイムフライパン争奪戦に完全に乗り遅れた我々はしばらく待つことにしました。
すると我々のほうをチラチラ見ているアジア系の男がいることに気付きます。

私の予想だと、台湾人のワーホリでこれからファーム探そうとしてブリスベンにいるんだよきっと
しかも行き先バンダバーグだったりして!
ふふふ
当たってたらすごいよ
聞いてみる?
ふふふふ
シズちゃんが勝手に彼について考え始めました。
そして彼もまたこちらをやたらとチラチラ見ているので、答え合わせとして話かけてみることにしました。

ほぼ同じタイミングで話しかけてしまい、お恥ずかしい感じに!
気を取り直して…

どうしても話出しがかぶってしまう彼は台湾出身のヨウイェン君27歳。
これからバンダバーグにファームジョブを探しに行くそうで、その前にブリスベンに数日滞在しているという我々とまったく同じ境遇だったのです。
なんとシズちゃんの予想が当たっていたのが驚き。
我々は前回の話で日系の情報を見てバンダバーグ行きを決めたように、彼も台湾人コミュニティの情報を見てバンダバーグに行くそうです。
同じ境遇でしたが、唯一違うところはヨウイェンはバンダバーグに対して良いイメージを持っていること。
楽しみだなぁ!
台湾コミュニティではバンダバーグの評判の悪さが隠されているのか、はたまた我々日本人が異常に気にしているだけなのか。
実際どうなのかこの段階では分かりませんが、ネガティブなイメージを持ちながら悪ノリでバンダバーグへ向かう我々よりも、ヨウイェンのように前向きな気持ちでやる気に満ち溢れているほうが良い結果を残せるに決まっています。
ヨウイェンと連絡先を交換して、より良いファームライフを送るべくこれからファーム情報を共有し合うことを約束しました。
また彼は我々に1日送れてバンダバーグに到着するようなので現地での再会を誓います。
ゴールドコーストでバンダバーグ行きを決めた時はヤケクソで完全にふざけていましたが、彼と出会い「劣悪なクソファームかも知れないけど、そうじゃないかも知れない。一生懸命やればいいことがあるかもしれない。」と、爽やかな気持ちに切り替わってきました。
バンダバーグ
ヨウイェンと知り合って180度気持ちが切り替わったこの日。
数日後にもう180度、つまり360度まわってやっぱり想像通りのクソファームだということを、この時はもちろん知る由もありませんでした。
前回▼

次回▼

フライパンがあきました。

仲良くなれそうです。