[2016年9月]
私はインドのデリーの安宿で地獄を見ていました。
原因不明の尋常じゃない腹痛と止まらない嘔吐下痢により立つことすらままならないのであります。
衰弱しきった身体はまったく動かすことができず、私を心配してくれる他の旅行者に「大丈夫っす」と不気味な笑顔を作るので精一杯です。
しかし、ビザの残りはあと15時間。
私のフライトは5時間後。
行かなければ、行かなければ。
あれほど嫌いだったインドになんでまた来たんだ?
何故こんな目にあわなければいけないんだ?
前世で私はなんかしたのか?
日頃の行いが悪いつもりはない。
そうか、そういうことか。
多分これまでの1年間、オーストラリアでの1年間が楽し過ぎたからその反動が胃袋に直撃しているのだろう。
私はこのデリーで地獄を見る前の1年間はオーストラリアで生活していたのです。
これから始まるのはそのオーストラリアでの1年間の生活の話と嫌いだったインドに再来する事になってしまった話。
そして「一生ワーホリをしていたい」と思ったほどオーストラリアが好きになった話。
オーストラリア
ワーホリ1年目
スタート
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CONTENTS
人生初の南半球半球
インドで体がぶっ壊れるちょうど1年前。
[2015年8月]
夢のような時間を過ごしたタイ・ラオス旅行を終えた私にはもう金がありません。
残金32,000円
あるのはオーストラリアで働いていいビザ(ワーホリ)と、カナダでのワーホリ経験のみ。
私が選んだ町はオーストラリア最大の都市『シドニー』です。
ワクワク感などは皆無で、「これから金を稼がなければならない」という使命感を強く感じながらシドニー国際空港へ到着しました。
タイやラオスで堕落し過ぎたことに猛省し、心を入れ替えた私は勇み足で空港を出たのですが…。
シドニーの第一印象はめっちゃ寒い!
もちろん知っています。
南半球は季節が真逆だということくらい知っていました。
しかし私はナメていたのです。
と勝手に思っていたのであります。
これではカナダのワーホリスタート時とまったく同じ。
灼熱だったアジアから持って来た服はTシャツとタンクトップ、そして海パンのみでした。
アジアで数回着たパーカーなどはズタボロだったので
と躊躇なく捨ててきたのであります。
相変わらず事前調査を怠る私は初日から大きなミス!
みなさん長いズボンを履いて暖かそうなジャケットを着ていらっしゃる!
恥ずかしさと寒さをしのぐためにまずは服を調達に行きます。
大都会・シドニーで寝床を確保
空港のWi-Fiを使ってとりあえずの3泊分の宿を予約しました。
直前までいたバンコクでは時間が腐るほどあったのに、直近の宿の予約すら億劫になるほどだらけていた私は真冬のシドニーで頭を冷やすことでしょう。
ついでに体も冷やしながら電車に乗り、街中へ。
『Museum Station-ミュージアム駅』で降りた私は圧倒されました。
私は人口3万人にも満たない九州の田舎出身のため大人になっても都内への憧れは抜けないのですが、シドニーがここまで大きな町だとは想像もしませんでした。
もともとイギリス人が作った国というだけあって『イギリス感』を所々感じます。
キョロキョロしながら田舎っぺ丸出しで予約していた宿『Captain cook hotel-キャプテンクックホテル』まで歩き到着。
とりあえず3泊分支払います。
1階がバーになっていて2階がホステルになっているようです。
通された部屋は4人部屋で中には2人のヨーロピアンがいました。
君はラッキーだよ!
俺らと一緒の部屋だからね
はははは
Hahahaha !
ふたりとも快く私を受け入れてくれて、一安心です。
もうひとりルームメイトがいるらしいのですが今は不在のようです。
とりあえず寝床を確保しホッとしたのもつかの間、私は何かしらの『暖かい服』を買わないと凍え死んでしまうので、服を探しに再び街中へ出かけました。
メルシー!
グラッツェ!
2人に聞いたCotton On-コットンオンという店を目指して再び外に出ます。
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消去法
ということでモール内でCotton Onを発見し入店しましたが、私は大きなため息をつくことになります。
宿から近くはない距離をわざわざ歩いてきたのに、めちゃくちゃ小さい店で、品揃えも薄いです。
しかもレディース7割、メンズ3割。
困惑しましたが、仕方がありません。
シドニーには来たばかりで他に安い服屋等知らないし、時間も遅いのでここで買うしかないのであります。
と一瞬考えましたが、私はラオスで手に入れたテロテロタンクトップと出国前にユニクロで買った海パンを着用しているので、外気温9℃の外を歩いて帰れるわけがないのです。
しかしいくら安い店と言っても物価が高いオーストラリアなのでどれもそれなりの値段です。
私のリアルな全財産は400ドル。
『SALE!』と書かれた一角から選ぶしかありません。
さらにサイズがどれも大きく、痩せ型の私が着れそうな服は1着のみだったのです。
結局絞りに絞られ行き着いたのは8ドル(650円)のあずきパーカーでした。
消去法で服を買ったのは初めてであります。
そして買う前から色褪せている黒デニムを20ドルで購入し、宿に戻りました。
ルームメイト
Cotton Onから宿までは歩いて20分ほど。
その道中で同部屋のフランチェスコがラテン系の男と歩いているのを見つけました。
何してんの?
こいつ僕らのルームメイトだよ!
ゴリゴリのスペイン人です。
はっはっは!
オーストラリア初日からルームメイトに恵まれ3人で宿まで歩いて帰ります。
もう暗くなってきているので、バンコクからの機内食以外何も食べていなかった私は途中でスーパーで何か買うことにしました。
今日はシンが来たから1階のバーでビール飲もうぜ!
あそこメシもうまいからスーパー行かなくていいよ!
そうしよう!
ジュリアンにも連絡しとく
これはヤバイです。
ただでさえ金が無いのに初日からバーで酒を飲むなど言語道断!
私は誘ってくれたことへの感謝の旨を伝えたあと、お金を節約したいと申し出たのですが…。
俺なんかディナーは毎日バーで食ってるし!
シティのレストランと比べるとめっちゃ安いよ!
決まり~!
押しに負けたのと誘ってくれた2人に申し訳ないと思い、結局シドニー初日はバーで食事をすることに決定してしまいました。
ビール
6ドル
あんまり美味しくないバーガー
18ドル
あずきパーカー
8ドル…
残金290ドル
おしんぽこのオーストラリア生活ははじまったばかりであります。
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