カンボジア行きのバスチケットをカオサンロードのテキトーな場所で購入し、夜は遊び呆けていた前夜。
今回はバンコクからカンボジアに移動する話。
楽しかった前夜から一変し、最悪の日が始まります。
前回▼
スポンサーリンク
バンコクの時点で始まっていたぼったくり
Mamaゲストハウスでチケット買うな!
まず我々がチケットを買った場所は『Mamaゲストハウス』という場所。
日本人じゃないような日本人からバスチケットを買い、サラ髪君、パツ子ちゃん、おしんぽこの3人は早朝そこに集合しました。
チケットの内容は
『カオサンロードからシェムリアップまで』
カンボジアはビザのいる国ですが、代行に頼むと手数料がかかるので国境で自力で取得する予定でした。
※2013年9月時点でカンボジアのビザ代は25USドルです。現在は30USドル。
しかしここで買ったチケットでカンボジアに行くと国境で必ずぼったくりにあってしまいます。
なぜならチケットを売る側がそういう人と繋がっているからです。
つまり
- バンコクのチケットを売る人間
- バンのドライバー
- ビザ代をぼったくるビザ発行屋
- カンボジア国境のバスドライバー
- カンボジア国内のバスターミナル
これらの人間に少しずつ儲けが出るように協力し合い、何も知らない旅行者に少しずつお金を使わせるというシステムになっています。
カオサンロードにいて
って思いついた時にそこらへんで目に付いた
カンボジアバスやってます!
みたいな所に頼むとだいたい私のような経験をするはずです。
現在も無くなりません。
なぜならあとでチケット屋に文句を言いに行ったとしてもあくまでそれはチケット屋。
何が起きても彼らに責任など無いらしいのです。
だって気をつけてなかったってことだもんね
ぼったくられる方が悪いんじゃない?
そんなにいやならこの国での生活力は無いってことだから安全な日本に帰ったほうがいいよ
と言われます。
これは私と全く同じ経験を最近した人からの情報です。
タイ人カンボジア人が信用できないのは当たり前。
バックパッカーなら誰でも分かります。
我々は日本人のあんたに騙されているんですけどね。
8人乗りのバンに11人
集合時間より1時間遅れてバンが到着しました。
赤シャツのドライバーがヘラヘラ偉そうに降りてきました。
早くも移動手段をミスった感満載で8人乗りのズタボロハイエースにドライバー含め11人が乗ります。
車内にはすでに他の旅行者もいますが、ほぼ全員が
「マジでミスった…」
「多少高くてもちゃんとしたやつにすれば良かった…」
みたいな顔をしています。
その中のポルトガル人2人と話して少し仲良くなったので、シェムリアップ到着まで協力し合おう!と握手を交わしました。
そのくらい不満と不安と人でいっぱいの車内。
まずは国境までこの状態で4時間です。
これがタイ・カンボジア国境の実態
ぼったくり1-VISA代
※ビザ代は25ドルです。空港でもネット申請でも25ドルです。2013年9月
後進国あるある『ガタガタの道をボロボロのバンでかっ飛ばし死の恐怖を味わうやつ』を味わい飽きて、もはや事故りそうになっても怖くなくなってきた頃。
カンボジア国境のかなり手前で一旦停車して旅行者全員が降ろされました。
赤シャツの酷い運転と、ムカつく顔と、腹立つ態度で車内の空気はかなりピリピリモード。
11人から赤シャツを除いた10人全員がかなりご機嫌が悪い状態です。
そして赤シャツが意味不明なことを言ってきました。
ビザを持ってないやつはここでビザを発行しろ!
50ドルだ!
10人中ビザを事前にとっていたのはドイツ人の2人だけ。
残りの8人のうちイギリス人かと思われる20歳くらいの血の気の多そうな3人はこれで完全にブチギレです。
放送禁止用語を多用しまくりながら
もともと彼らは車内から
人乗せすぎ!
エアコンないのかよ!
と怒り心頭でついにここで我慢の限界に達したのかと思われます。
しかし赤シャツはひるむ感じを見せません。
これが彼の仕事。
毎日こうやっているのでしょう。
そしてイギリス人3人は
と言い残し、その場からいなくなってしまいました。
そして残ったのは我々日本人3人とポルトガル人2人。
赤シャツはあれだけ揉めたにもかかわらず平気な顔をしています。
おとなしそうなポルトガル人ふたりは
みたいな顔でひとり50ドルずつ支払い、ビザをゲットして車内に戻ります。
しかし倍の値段なんか絶対に払いたくない我々日本人チーム。
とサラ髪君が発言した瞬間、赤シャツは豹変し怒り出しました。
これは恐怖です。
外国でこれは怖すぎですよ!
結局バス内の10名のうち
ドイツ人2名 ビザ持ち
イギリス人3名 脱落
ポルトガル人2名 50ドルでビザ発行
日本人3名 国境でのビザ取得予定
という状態でカンボジア国境に向かいました。
ぼったくり2-国境
国境?と思われる場所に着きましたが、実際降ろされたのはまだまだ手前。
ビザを発行する場所などあるはずもないような農道でした。
ここぞとばかりにトゥクトゥクドライバーが集まってきます。
お前らビザ取るんだろ?
ここからビザ取りに行けカス共が!
ちなみに俺は優しいから1時間だけ待ってやる
国境越えたカンボジア側のロータリーにいるから、これからちょうど1時間後までに来なかったらあとは知らん!クソが!ニヤニヤ
しかしここまで来たからにはビザを取りに行くしかありません。
トゥクトゥクに乗ってビザ発行事務所みたいな場所に行きました。
そしてこんなちゃんとした場所であるにもかかわらず真面目な顔で5ドルぼったくり。
頑張ろう!あと少しだよ!
ぼったくり3-謎の国営バス
なんとかカンボジアビザを取得してイミグレーションも問題なくクリア。
そして約束の時間の15分前にはカンボジア側に入ることができました。
しかしドイツ人2人とポルトガル人2人は浮かない顔。
そのうちのひとりが小さな声で私に呟きます
そしてイギリス人3名を除く7名で赤シャツを待つこと30分。
約束の時間を10分以上過ぎた頃、やつはなぜか徒歩で現れました。
もう1時間過ぎてるから残念だけどお前らはシェムリアップまで行けない!じゃあな
これは問題発言ですね⁉︎
さすがに温厚なサラ髪殿もこれにはご立腹の様子。
時間には間に合っていたし、遅れてきたのは赤シャツの方です。
英語の達者なサラ髪君は赤シャツに文句を言いに行きましたが状況は変わりません。
赤シャツはどこかに消えてしまいました。
そして知らないカンボジア人のおっさんに誘導され、どこに行くかも分からない謎のカンボジア国営大型バスに乗ることになりました。
私たちが乗ってきたバンは最初からここまでだったんだよ
チケットを買う時から騙されてたってわけ
安かったでしょ?
ぼったくり4-意味不明なバスターミナル
バスが走り始め、同時にGoogleMapsで現在地を追いました。
シェムリアップ方面ではありますが、少しずつルートを逸れ始め北側に向かいます。
もはや意味不明状態。
ともにバンコクから移動してきた7名はもはやアンコールワットなんてどうでもいいといったような雰囲気。
訳わかんないところに着くのも旅っちゃあ旅でしょ
最悪命あればもうなんでもいいよ
あとでバンコクに帰る方法を考えよう
そして着いた場所は民家もお店も農地すらも何もないようなところにひとつだけ建てられたデカい建物。
バスを降りるとまたタクシーやトゥクトゥクのドライバーがピラニアのように寄ってきてストレス全開です。
どうやらここからまた違う乗り物に乗り換えて金を使わされるようです。
酷い国だよ
でも貧困国だから旅行者から外貨を落とさせないと市民が生きて行けないのかもね
私はサラ髪君はとても器の大きい人間だとつくづく思います。
もし私がひとりで旅行していたら国境手前のイギリス人3人と一緒にバンコクに帰っていたかもしれません。
結局そこからまた15ドル払ってシェムリアップの街まで到着することができました。
スポンサーリンク
カンボジアに着いても気分は悪い?
嘘ばっかりの国民
予想はしていましたが、やはりシェムリアップの中心地のだいぶ手前でバスは止まりました。
トゥクトゥクピラニアがエサを見つけ大勢寄ってきます。
その中のひとりの「笑顔に好感が持てるドライバー」に決めてまずはサラ髪カップルが予約しているホテルへ。そのあとに私が泊まるどこか安い宿をお願いします!
という約束でトゥクトゥクは走り出しました。
10分ほど走りサラ髪カップルはホテルにチェックイン。
なかなかいい部屋です。
サラ髪君が私の宿の場所を把握しておきたいということで、カップルは荷物を降ろしてまた3人でトゥクトゥクに乗ります。
このタイミングでお金を払ったのが間違いでした。
着きました。
お土産屋さんに。
これは途上国あるあるのひとつ。
『勝手にお土産屋さんに連れて行かれるやつ』です。
ハイクオリティだよ!
日本じゃ買えないし!
”いいよ〜安いよ~!
こういうときに我々旅行者が物販を断る理由って
- 頼んでないから
- 欲しくないから
- 時間の無駄だから
だと思うのです。
しかし彼らはしきりに
- これはモノがいい
- これはいい素材
- これはかなり文化的
など売り物のことばかりを言ってきます。
どんだけいいものが安く売ってたとしても、このタイミングで買うことなんて絶対にないのに。
なんとかお土産屋さんタイムを諦めてもらい、トゥクトゥクは再び走り出しました。
ついに着きました!
ちょっと違うタイプのお土産屋さんです!
もうすでにチェックイン済みで一旦落ち着いているカップル2人に対し、まだ荷物を持ったままの私はイライラMAXであります。
このゾウの置物はハンドメイドで…
ホテルの値段はいくらなのか教えろよ!
ついに声を荒げたこの私!
しかしそれまで笑顔に定評のあったドライバーの表情は一変。
あの悪魔のような男・赤シャツと同じ顔付きになりました。
お前ら裕福な国の人間はなんか買って金使えよ!
お前らは黙ってカンボジアでいっぱい金使いやがれ!
ボケェ!
そう言い残し笑顔に好感が持てなくなったドライバーはどこかに立ち去って行きました。
カップルのホテルに到着した時点でトゥクトゥク代を払っていたので、その後私のホテル決めなど彼にとってはどうでもいいこと。
安宿を紹介してもらうという約束は果たされず彼は消えてしまいました。
「なんとかなるやろ」
ということでカップルとは結局ここで解散。
私は泊まる宿も決まらぬままひとりシェムリアップの街に取り残されてしまったのです。
唯一良い人がいた
[19:00]
まだ宿は決まっていません。
もう空は真っ暗ですが、丸一日のバンコクからの移動で疲労困憊の私は水を買って街のなんでもないところに寝転がってしまいました。
と開き直ってしまう私の良くない癖です。
するとそこへ
とキレイめカンボジア人お父さんに話しかけられました。
状況を話すと
なんとあちらから誘ってくれたのです。
しかも3ドルで!
すでにカンボジア人を少しも信用できなくなっていますが、このお父さんはいい人そうなのでとりあえず半信半疑でついていきます。
するとそこは
日本人の感覚でこの国で普通と思うということはかなり綺麗だということ。
普段はAirbnbで宿泊者を募ってるというカンボジアのお金持ちの人の家でした。
エアコンが効いててWi-Fiを使わせてもらって、しかも夜はバーベキューをしながら家族とパーティ。
朝からかなり気分が悪い1日となりましたが、このお父さんのおかげでなんとか無事にカンボジア初日を終わらせることができたのでした。
前回▼
次回▼