ついに始まってしまったオーストラリアのワーホリ。
降り立った地はオーストラリア最大の都市・シドニーです。
人生2度目のワーホリですが、残金400ドルからのスタートで初日から大ピンチ!
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シドニーでお仕事探し
[シドニー到着2日目]
一刻も早く収入源を確保するために朝から行動を開始しました。
まずは「先人からのアドバイス」を仕入れたほうが早いということで、2013年のアジア編の相棒・サラ髮君に連絡しました。
海外1カ国目であるフィリピンのセブ島で私はサラ髮君と知り合いましたが、彼はその前に2年間のオーストラリアワーホリ生活を終えてきていたのです。
そこでオーストラリア情報をゲットすべく頼りになるこの男に連絡してみます。
オーストラリアのワーホリを昨日から始めたんだけど、サラ髮君はどうやって仕事探してた?ちなみに私はシドニーにおります
僕シティジョブほぼしたこと無いんすよ
ファーム(畑仕事)するなら絶対車が必要ですよ
3,000ドルくらいで買えちゃうんで、いっそのこと車買ってフルーツピッキング探すのどうですか?
季節と場所によりますけど稼げますよ!
私290ドルしか持ってませんけど⁉︎
オーストラリアのワーホリではファームジョブが有名。
彼はシドニーやメルボルンなどの大都市には滞在せず田舎町で荒稼ぎしていたようです。
しかし何も考えず大都会シドニーに来てしまっている私にはファームジョブをする選択肢はありません。
しかしやはり頼りになるサラ髪君。
仕事探しにおいて有力なWebサイトを教えてもらったのでこれらをチェックしてみました。
オーストラリア最大の情報サイト。
求人情報から物の売買、家探しまで何でもできます。
日本人向けの生活情報サイト。
主に日系の求人が載っています。
Jamsと似たようなもんです。
こっちはシドニーの情報多め。
怪しいファーム情報や、韓国人系の情報もあります。
私が得意な仕事は飲食業、特に調理場です。
しかしカナダと違って移民やワーホリの人でもあらゆる職種につけるチャンスがあるオーストラリアに来ているのです。
せっかくなら料理以外の仕事をしてみたいところ。
さらに私はカナダの時とは比べ物にならないほど英語が上達しています。
時給が高いローカルジョブ(移民系ではなくオーストラリア企業、オーストラリア人オーナー)の職に就くことを強く希望している次第です。
またこのオーストラリアでの生活を経て、更なるコミュニケーション能力の向上と掛け替えのない出会いに期待したいので職探しには慎重にならなければなりません。
って!
言うてる場合か⁉︎
残金290ドル!
今日からでも働かな死ぬわい!
ということでレストランだろうがクリーナーだろうが日系だろうがチャイナだろうがおかまいなしに求人リストの上から順に履歴書のデータとアツい想いを文に載せてメールを送信しまくりました。
その数50件!
Restaurant Sakura-咲良レストラン
鬼の形相でメールを作っては送りを繰り返していると早くも1件の返信がありました。
こんにちは。
今日の11時までに面接に来れますか?
ご連絡お待ちしています。Restaurant Sakura
Yasue
あまりにも同時にメールを送り過ぎて「こんなとこメール送ったっけ?」と軽い記憶喪失のようなものを感じながら私はこう思いました。
ジャパレスとはジャパニーズレストランのことです。
乗り気になれない理由はこちら。
- 日本語環境に抵抗を感じる
- そういうところは給料が安いと聞く
- なんかダサいしなんかやだな
しかしそのしょうもないこだわりのせいでカナダでは仕事が見つかるまでに20日もかかってしまったし、今回にいたってはほぼ無一文状態なので選り好みしている場合ではありません。
時間は10:00。
指定された時間は11:00まで。
もう1時間しかありません。
ということでせっかく来たチャンスを逃すまいと勇み足で『Restaurant Sakura』へ向かいました。
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おばあちゃん
お店は宿からは歩いて20分ほどの場所にありました。
仕事の面接なのにあずき色のパーカーしかないのが非常に恥ずかしいのですが仕方がありません。
そこは想像していたよりも随分とこじんまりとしたレストランでした。
早速入店すると日本食レストランのスタッフとは思えないダラっとした男が入り口の横に座っています。
へぇほんとに来たんだ
やすえさ~ん
面接の人来たよ
スカしてる
少年漫画とかの爽やかスカしイケメンのようなカッコつけた態度が気に入りません。
すかしが呼んだやすえさんとはどうやらここのオーナーのようです。
「はいはいはい~!」と元気な声で返事をしながら階段を駆け足でくだってくる音がします。
わざわざ来てくれてありがとうね!
オーナーのやすえです!
じゃあ少しお話しましょうね!
ほら!すかし!お茶出して!
ハキハキと喋り、めちゃめちゃ元気で背筋がピンと伸びたやすえさんはなんと70歳だというから驚きです。
挨拶をして男のように片手でグッと握手をしたあと、隅っこのテーブルに通されます。
私の分もお茶!
お茶入れてぇー!
すかしがダルそうにお茶を持ってきて日本語で面接が始まりました。
※TFN(Tax File Number-タックスファイルナンバー) オーストラリアでの納税者番号のこと。こっちで働く際には必ず必要。
ただ…恥ずかしながら本当にお金が無くて…
とにかくすぐにでも仕事をしないと生きていけないんです!
何でもやりますんでどうかお願いします!
あなた、料理の経験がお有りね?
日本で6年とカナダで1年やりました!
しかし今どきあなたみたいな子も珍しいわ
みんなお金あるみたいだからちょっとしかシフトに入ってくれないのよ
昔は一文無しで仕事探しに来る人も少なくなかったけどね
最初に握手した時に手を見ずに私の目を見て挨拶してくれたでしょ?
その時にもう採用と決めたわ!
うふふふふふ!
私は意識して彼女の目を見たわけではなく、あまりにもカッコよすぎるおばあちゃんの登場に目を奪われたのです。
とにかく仕事が欲し過ぎる想いから必要以上に目ヂカラを放出していたのでしょう。
なぜかそこが評価され、シドニー到着2日目にして仕事をゲットしてしまいました。
連絡取れないのは困るから今日これから電話を準備しなさい!
そして今日中に私に電話していただけるかしら?
それで採用してあげる!
ありがとうございます!
やったー!
ということで電話番号を取得すべく、その足でSIM屋を探しに行きます。
やるじゃん
あんた敬語使いなさい!
OPTUSにしたかったのに!
オーストラリアではスーパーなどで簡単にSIMカードを購入することができて、自分の端末からアクティベート(有効化)して契約が完結します。
日本はプリペイドで電話番号を取得することが難しい国なのでいちいち審査を通して郵送を待ってとやらなくてはならないのですが、海外ではプリペイドが主流なのでバックパッカーの私には好都合だと言えるでしょう。
オーストラリアの3大通信会社
店舗多いし多分こっちの最大手だよ
俺もオプタス
とすかしに教えてもらったのでOPTUSにすることにしました。
SIMはスーパーなどで買えるのですが、私のボロボロのiPhone5はSIMロックが解除されていないため使えません。
なので格安端末も同時に購入すべくOPTUSの店舗へ行きました。
咲良レストランから歩いて10分ほどの場所に店舗があったので入店します。
店内には店員1人と女性客ふたりのみ。
すんません
この店で一番安いスマホを…
こっちは忙しいんだよ!
今この子たちの相手してるからさ!
ちょっとあっちで待っとけよ!
何やその態度!
この鼻毛男、忙しいらしいのですが彼女たちは真剣に何か書類のようなものに目を通しているだけで別にそうは見えません。
どう?ふふふ♡
まだ選んでるから
ふふふ♡
…。
…。
…。
今そのタイミングで私に
「Can I help you?」でしょうが!
店員は女性客に夢中で貧相なアジア人男など眼中にないといった様子。
我慢ならないのであたかも母国語の挨拶であるかように日本語で「鼻毛角刈り野郎!」と言い残してOPTUSの店を出ました。
そしてすぐ近くにあった『amysim(アメイジム)』とかいうめちゃくちゃ小さい謎のケータイショップで激安スマホとSIMを購入したのでした。
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早まった感
やすえさんですか?
ちゃんと電話買えたわね
そしたらさそく明日の16:00からいらして!
よろしく~!
無事やすえさんに電話をすることができたのでこれで本当に仕事が決まりました。
ついに私は収入源をゲットしたのです。
感謝しかありません!
ささやかながら祝勝会を開催したいところですが、いまだ貧乏には変わりないのでカフェでコーヒーを飲むくらいにしておきます。
優しそうな東南アジア系のおじさんがひとりでやっている小さなカフェです。
あれ?日本人?ワーホリかい?
フルタイムだけど
なんということでしょう。
たった今『咲良レストラン』で仕事が決まったばかりなのに、こんな所でめっちゃめちゃ良さそうな仕事のオファーがきたのです!
しかしやすえさんを裏切るわけにはいかない!
ということで万が一咲良レストランが私に合わない、もしくはまったく稼げないことも想定して、おじさんには「考えときます」とひとこと添えてカフェをあとにしました。
宿に戻ってPCを開くと20件ほどメールが来ていました。
それはどれも朝送りまくった求人情報へのメールの返信です。
中には「こんな仕事に就けたら良いな」と思いながらメールを送った所からの返信もあり、急いでジャパレスに決めてしまったことを少し後悔するのでした。
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