アジアでほぼお金を使い果たした私は、新たなバックパッカー旅行の資金作りと英語力向上のためにワーホリビザ(Working Holiday)でカナダに入国しました。
世間知らずと準備不足が相まって入国審査で一悶着。
なんとか入国するも、冬のカナダ・トロントの寒さとネイティブの英語に完全に萎縮していまい、初日から生命の危機を感じるのです。
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ここでも自分の英語力でヘコむ
空港バスを降りトロントのど真ん中『Young×King 』に到着しました。
※トロントの街は縦横のストリートの交わる場所を『ストリート名×ストリート名』で呼んだりします。縦×横でだいたいの位置を示します。
みたいな感じ。
予約していた1泊$20の宿は『Spadina×King』の交差点のあたりにあります。
▼このへん
トロントのイケてる街並みなどには目もくれず、ただただ雪で足を滑らさないように下を向いて歩くのみです。
-20℃の中凍えながら雪が積もったKingストリートを約30分間歩き、なんとか宿の前に着きました。
時間は22時前、中に入ると受付には誰もおらず呼び鈴が置いてあるのみです。
そして鳴らしても誰も来ません。
日本からの長時間移動と、入国での一悶着により疲労困憊の私は早く休みたいので呼び鈴を鳴らし続けました。
すると数分後、明らかに酒を飲んでいるダルそうなタラコ唇のカナダ人スタッフが機嫌が悪そうに出てきました。
何度も鳴らしてんじゃねぇぞ
パスポート出せコラ
すごい態度ですね!
「これだからアジア人は」といったような馬鹿にしたあからさまな呆れ顔と態度。
それ以降は一切声を発することなく枕カバーとシーツと部屋のカードキーをカウンターの上にポイっと置いてまたドアの奥に消えていきました。
タラコ野郎に横柄な態度を取られたことによる怒りなど感じることはなく、ただただ『これからこの国で1年間もやっていけるのだろうか』という不安に押しつぶされるのみでした。
全裸でスクワット?カナダで水シャワーを浴びた
タラコが無言で置いていったカードキーに『15』と書いてあったので、多分『15』という部屋だろうと思い、行ってみました。
カードをかざすと鍵が開きどうやら正解だったようでホッとしましたが、室内は『完全なる養鶏場のニオイ』だったのです。
※ドミトリー系の安宿はカナダやアメリカやイギリスなどの先進国のほうが圧倒的に不潔です。
2泊くらいですぐに出て行こうと決めて、すぐさまシャワーに向かいました。
カナダは日本のようにエアコンで室内を温めるわけではなく、壁や床など建物自体を温めるシステムを多く取り入れており、室内では薄着でも問題ありません。
しかしシャワールームは別の話。
換気扇などなく、上のほうにある小窓で換気するだけという安宿らしいシステム。
室内は暖かいのですが、その小窓から-20℃の外の冷気がヒューヒュー入り込んできて、服を脱げたものではありません。
さらに!
初めて見るタイプのシャワーで、お湯の出し方が分かりません!
いろんな方向や角度を試してみましたが
暖かくなりません!
※これは通称アメリカタイプ。反時計回りに12時くらいの位置で待ち続ければ確実にお湯が出るのに、この時は初めてで知らなかった。
お湯など出ない場所が多い、つい最近までいたアジア。
アジアでは何度も水シャワーを浴びてきました。
しかしここカナダはもちろん先進国で、お湯を出すインフラ設備などは整っているはずです。
ですがそれでも外国、それでも安宿。
私には理解があります!
日本での便利な生活が普通だとは思っていません!
いくらカナダが先進国であろうと日本の便利さには勝てないのです!
カナダは世界の中でもトップクラスに寒い国のひとつですが…
私は勇敢なる冒険者・バックパッカーである!
水だろうが氷だろうがシャワーはシャワー!
部屋の養鶏場のような悪臭を漂わせるわけにはいかない!
体が熱ければ冷水など気にならんのだ!!
私は全裸のままその場で30回ほどスクワットをして、体を温めたあと、寒いシャワールームで一気に水シャワーを浴びたのでした。
地獄です!地獄です!
日本からの長時間の移動の後なので絶対にシャワーを浴びたかった私。
さらに入国からチェックインまで自分の英語力の無さに絶望し、自分の不甲斐なさに完全にキレてるので水シャワーを浴びる程度のことなどなんともないのです!
オラオラオラ~!
なるべく体を冷やさないようにいつもより多めに体を動かしながら体を洗い、終える頃には肩で息をする私でした。
はぁはぁ!
はじめてシャワーで息切れた!
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不安の波に飲まれる
30日しか生きられない計算
震えながら水シャワーを浴び、養鶏場のようなニオイが漂う部屋に戻ってきました。
水シャワーといえど、かなりスッキリした私は一旦冷静になりお金の計算をしてみました。
私のリアルな残金は10万円。
カナダドルで約$1200。
例えばこの『1泊$20の水しか出ないクソ宿』に泊まり続けたとすると
宿代$20
食費$10
その他生活費$10
合計1日$40。
1200÷40=30
これはつまり『30日間しか生きられない計算』です。
この現実に気付いた時にふと良からぬことが頭をよぎりました。
帰るなら今だよな…
10万でワーホリなんてそもそも無理だよ…
水シャワーを浴びる気合いはあってもお金の問題はどうにもなりません。
本気でワーホリ終了を考えてしまいました。
ネイティブの英語に完全萎縮
そしてさらなる問題がこれ。
日本でも仕事探しに苦労するろくでもないこの私が、英語で仕事などできるわけがありません。
空港や宿のチェックイン時に『ネイティブの英語』や『英語のできない人間に対する態度』にビビってしまって明日からの生活が不安でしかないのです。
もし1カ国目がカナダであればここまでへこむことはなかったでしょう。
しかしアジアを4カ月旅して少なからず英語力が上がっていると思っていた私は、現実を知ったときに仕事探しに対しての自信を完全に失ってしまったのです。
帰りたい
カナダ寒すぎ!オーストラリアにしときゃ良かったよ!
そして極めつけはこれ。
二大ワーホリ人気国・カナダとオーストラリア
カナダ初日、この時点でオーストラリアには行ったことはありませんでしたが
- 過ごし易い気候
- 人が大らか
- ファームや工場などいろんな仕事がある
となんとなくのイメージで思っており、あろうことかカナダを選んだことを大後悔していたのです。
仕事探しも簡単なんだろうなぁ
『ニューヨークに近いから』という安易でカッコつけた理由だけでトロントを選んでしまった私は
と完全に後悔するのです。
※オーストラリアは特別仕事を見つけやすいということはありませんが、このときはそう思っていた。
本来オーストラリアドルとカナダドルはだいたいいつも同じくらいのレートで、現在もほぼ同じなのですが
当時2013年~2014年
オーストラリアドル105円
カナダドル88円
と大きく開きがあり、これから外貨を稼いで食っていかなければならないとなったときにオーストラリアでワーホリをしていた方が圧倒的に有利だったのです。
またフィリピンで知り合ったメガネ君は私と同時期にオーストラリアへワーホリに行き、いとも簡単に高時給の仕事をゲットしていました。
こういった理由もあって、カナダに来たことを悔やみ、オーストラリアでワーホリしている人たちを羨むのでした。
次回おしんぽこリタイアせず!?
流れに逆らい反撃を選択!
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