オーストラリア西海岸の小さな町バンバリーに滞在しています。
この町で最初にできた私のお友達メタルちゃん。
良き飲み友達として昼夜問わず乾杯するほどの仲ですが、彼女はある一定の量を超えてアルコールを摂取すると豹変してしまうという問題があります。
第一形態▶︎第ニ形態▶︎第三形態▶︎第四形態
私は彼女の第三形態の時に理不尽にぶん殴られました。
しかしいくら酒が強いとは言え彼女も人間です。
今回はそんな彼女の伝説的失敗集の話。
前回▼
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オーストラリアの地図
ある日の朝メタルちゃんが起きて朝食を食べていたところ、彼女を見ながらまわりの宿泊者がクスクスニヤニヤ笑っています。
あんた昨日のこと覚えてる?
ウィスキーのボトル1本を1人で飲んでも平気な顔をしているほどの酒豪であるメタルちゃんですが、早い段階で記憶が無くなるという弱点がありました。
- [黄緑エリアの段階で記憶が無い事もしばしば]
そしてジワジワと限界を迎えるのではなく、いきなりぶっ壊れてしまうのです。
昨晩何かあったに違いないとソワソワしはじめたのも束の間、宿の管理人がメタルちゃんのもとへ現れました。
起きたね?こっちに来なさい
とにかく優しいで評判だった彼ですが、珍しくムッとした表情でメタルちゃんを受付前の共有スペースへ連れて行きます。
良いデザインだろ?
昨晩キミはここで寝てたんだよ
誰かがベッドまであなたを運んで行ってくれたみたいだけどね

おし…っこ…?
なんと昨晩飲み過ぎてついに限界に達した彼女は宿のソファで寝てしまい、そのままものすごい量のおねしょをしてしまったのです!
自分で綺麗にしてカバーを全部付け替えてくれるかな?
やらせていただきますぅ〜!
あかん!これは恥ずかしい!
ほんまにすみません!
顔を真っ赤にしてソファを綺麗にするメタルちゃん。
基本的にはお上品な京都の女であるため、こういった失態は隣国(大阪)の面白い人たちのように「おいしい」とはならないそうです。
しかしここからがメタルちゃんのすごいところ。
朝4時まで飲み続け朝5時にお漏らししてその3時間後の8時に起きている彼女。
まだアルコールは体内にしっかりと残っているし睡眠が足りていないため、なんとその場でビショビショのソファに横たわって寝はじめたのです!
むにゃむにゃ…
しかし優しい管理人さんはしょんべんまみれのメタルちゃんの体を抱きかかえて、彼女が起きないようにそっとソファから下ろし、結局自分でカバーを替えてくれたのでした。
これはかわいいメタルちゃんだったからギリギリ許されたのでしょう。
おじさんだったら1発退場です。
病院とトーマス
トーマスという男
長期宿泊者の中にトーマスというアフリカ系ドイツ人がいます。
- [トーマス]
彼は31歳、ワーホリ民の中では最年長で優しいアニキとしてみんなの人気者でした。
見た目とは裏腹に虫1匹で
(裏声)
と乙女が出てしまうところにも好感が持てます。
みんなに優しくてみんなから好かれているトーマスですが、特にメタルちゃんは
と発言するほどトーマスに懐いています。
そして、ワンダーインの中で唯一あのメタルちゃんよりも酒が強かったのがトーマスです。
そんなトーマスとメタルちゃんのお話。
第4形態
この日もいつも通り飲みまくったメタルちゃん。
気分が良くなりオシャレして宿のメンバーと歩いてクラブへ向かいます。
すると宿での宴会の時点ですでに第三形態にまで進化していた彼女は、近づいてくる男たちに蹴りを入れる遊びを始めてしまったのです!
バキッ!
バキッ!
しかし13cmのヒールを履いていた彼女はバランスを崩し、蹴りの勢いのまま激しく転倒。
その瞬間一気に第四形態へ進化したのです!
この状態になるともはや会話は不可能!
脈拍を確認できること以外はもはやただのタンパク質の塊です!
- [メタルちゃん第4形態]
さらに頭を強く打ち、一部がパックリと割れてしまって大量出血!
血まみれのまま気絶してしまいました!
ちょっと…血出すぎじゃない?
焦りはじめた男たちですが、ここでみんなのアニキトーマスが現れたのです!
俺の車に乗せろ!
病院へ向かう途中、メタルちゃんは気を失ったまま彼の車の中で激しく嘔吐し、おしっこまで漏らしてしまいました。
そんなことなど気にしないトーマスにメタルちゃんは病院に運ばれてて、頭を数針縫う緊急手術を施され、一命を取り留めました。
そのまま1泊入院し朝になるともちろん彼女は何も覚えていません。
頭に手術痕、全裸、ビニール袋に入った嘔吐物まみれの自分の服、そして朝まで病院にいてくれたトーマスおじさん。
これらを見てある程度を察したメタルちゃんですが
となぜか全裸で病院を出ようとするのです!
見かねたトーマスは自分が着ていたタンクトップを彼女に着せて、宿まで連れて帰るのでした。

仏のような独
ほんまにごめんなさい!
くるま掃除します!
とにかく助かって良かった
仏のような優しいジャーマン・トーマスはこれらもすべて許したのです。
ちゃんとトーマスに謝った?
仲良しであるワンダーインのチバギャルに説教されて反省したメタルちゃんは、走ってスーパーへ行き、車用の消臭剤となぜかりんご2個をトーマスに渡して平謝りするのでした。
請求書
傷も癒えぬまま早くも飲酒を再開する困ったメタルちゃんですが海外旅行保険に入っていませんでした。
海外の病院は日本では考えられないほど高いのですが、彼女は生死をさまよったにも関わらずあろうことか酔った勢いでトーマスにキレはじめたのです。
めっちゃ高いんやで!
さすがの仏のトーマスもこれには反論せざるを得ません。
しかし状況を知るまわりの人間全員から本気の説教を受けて自分の失態を受け入れるメタルちゃん。
ごめんなさい…
後日届いた請求書は3,100ドル(当時のレートで25万円)
カルテには
- 頭に大きな傷
- 意識が無い
- 大量のアルコール摂取
等と記載されていて、最後に『Strong vomiting odor-強い嘔吐臭』と書かれていたのが思い出深いです。
下品な話ですみませんが、彼女の伝説はこれだけではありません。
続く…
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