セカンドビザを取得すべく西オーストラリア州のパースに降り立ったこの私。
目的は車の購入そしてセカンドビザの取得であります。
2nd Working Holiday Visa
通称セカンドビザ。
オーストラリアのワーホリにのみ適用されるシステムで、政府指定の農場や工場で88日以上働くともらえる2年目のワーホリビザのこと。
なんとなく到着したバンバリーという町で1泊した話。
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Wander Inn-ワンダーイン
アツいファームがあるらしいとのことでパースからマーガレットリバーを目指して高速道路を南下していましたが、前夜の飲み会による二日酔いによりボーっとして道を間違えてしまいました。
これ以上の運転は危険と判断し、ハングリージャックスというハンバーガー屋で休憩。
マーガレットリバーへ行くのは次の日にして,Agodaでその日最安だった「Wander Inn-ワンダーイン」という宿に今夜は泊まることにしました。
『Wonder-不思議に思う』ではなく『Wander-さまよう』のほうのワンダーです。
などと思いながら到着しました。
途中通って来た道が美しくて、バンバリーの第一印象がかなり良かったのを覚えています。


駐車場に車を停めて受付に行くといろんな国からのワーホリだと思われる若者がたくさんいました。
そのほとんどはイギリス人やフランス人などのヨーロピアンのようです。
チェックイン待ちしている人が数人いたので私も列に並んでいたところ、ソファーに座っていた宿泊者の女の子から話しかけられます。
って日本人か
チェックインですか?

そうです日本人です!
あとでお話しましょ
は…は…はい!
まさかこんなへんぴな所に日本人がいるとは思わなかったので童貞のようなリアクションをとってしまうお恥ずかしい私。
彼女は見た目によらず(もしくは見た目通り)メタル音楽が好きな日本人メタルちゃん。
このホステルに住みながらバンバリーのレストランで働いているそうです。
私今日休みやねん
まあ仕事の日でも飲むけど
全然知りませんでしたがここバンバリーはファーム探しの中継地のような町で、セカンドビザ取得のための仕事やその情報を求めている人間が多く集まって来るようです。
中にはメタルちゃんのように仕事を見つけてもなお完全に住み込んで生活をしている人もいます。
と言うよりは。
そうです。
おそらく宿泊者の8割はシェアハウスなどには住まずにこのホステルを住処として長期的に滞在しています。
いつも通りだよお腹すいた〜
じゃあ私ビール持ってくるね
飲むでしょ?
チェックインした時間は15:00。
仕事帰り風の人たちばっかりだったし、宿泊者同士が異常に仲が良い。
まるで家族のように暮らしている彼らを見て、次の日マーガレットリバーに行くのが惜しいと思ったほどに私はワンダーインを気に入ってしまいました。
受付のお姉さんから部屋の鍵をもらって、とりあえず荷物を中に入れます。
「8」が私が今夜泊まる部屋。
ガチャ…
目に染みるほどの悪臭!
呼吸すると味がしちゃうほどの悪臭!
私のバックパッカー人生で一番くさい部屋でした。
Bunbury-バンバリーの住人
くさ部屋でしたが1泊だけなので我慢です。
外の庭のような場所に出ると多くの人が食事をしたりビールを飲んだりとなんだか楽しそうな雰囲気。

チェックイン時に知り合ったメタルちゃんが
と3人の日本人を紹介してくれました。
石川県出身、ものすごい天然の石川ちゃん(29)
- [石川ちゃん]
あれー?
ケータイがおらんくなったー
あれー?
千葉のツンデレ、チバギャルちゃん(25)
- [チバギャル]
つーか…日本人増えすぎじゃね?
…楽しくなりそ…グフフ
獣医を目指している男どうぶつくん(23)
- [どうぶつくん]
この日は金曜日だったので宿全体がゆる〜いパーティー会場のようになっていて盛り上がっています。
ほとんどの宿泊者が外のテラスで飲んでいて,この日多くの人と知り合うことができました。
都市部によくある『爆音ガンガン大騒ぎ系パーティーホステル』とはまた違ったゆるりとした雰囲気です。
韓国人や台湾人などのアジア人はジャックやデイヴィッドなどのイングリッシュネームを持ちます。
しかしここで私は非常に珍しい『カズユキ』というジャパニーズネームを持つ韓国人の男と知り合ったのです。
- [カズユキ(27)]
シンです
よろしくね
石川ちゃんとどうぶつくんのルームメイトで、カズユキやメタルちゃんともとても仲が良いらしいデンマーク出身で陰キャラ丸出しのスネオ(26)
- [スネオ]
▼この日は主にこのメンバーと酒を飲み、とても楽しい夜でした。

ほかにもたくさんの人と知り合いとても気分が良かったです。
最高!
ワンダーイン!
最高〜!
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バンバリー最高?
もともとの目的地はマーガレットリバーです。
「マーガレットリバーはワーホリ民の間で有名になりすぎて人が殺到、近年はエージェントを通さないと仕事が無いのであんまり良くない」
と教えてくれたのはどうぶつくん。
もういっそのことバンバリーで仕事探したらどうですか?
このへんもいっぱいファームとか工場の仕事ありますよ!
全然知らなかったよ
どうやらマーガレットリバーが穴場でアツいファームスポットだったのは過去の話のようです。
私は彼らと酒を飲み酔っ払いながらも真剣に今後のことを考えました。
もしどうぶつくんが言うように現地で仕事が見つからなかった場合、また情報を探しに違う場所へ移動しなければなりません。
しかしバンバリーのようなほどよく人がいてほどよく何でもある町に住んでしまえば、このWander Innを拠点として周辺の街で仕事を探すことが可能なのです。
また人が多いということはそのぶん情報も多いはずです。
しかもこの宿全体に漂う平和でハッピーな雰囲気。

シドニーで泊まった宿やパースで泊まった宿、その他各国で私は数多くのバックパッカー ホステルに泊まって来ました。
その中で仲良くなる人はもちろんいましたが、それ以外は名前も知らないし喋ったこともないような人たちがほとんどです。
宿ごとに雰囲気は違いますが、だいたいがそうだし、中には挨拶をしても無視するような人間も多くいます。
日本では同じホテルの宿泊者同士が喋らないのは普通ですが、海外ではドミトリー(相部屋)に泊まることが多いので、ハローすらも言えないような人間がいるとちょっと空気悪くなりますよね。
しかしこのWander Innという宿は今まで感じたことが無いほどの人の温かさを感じました。
下手すりゃ全員と親友に慣れるんじゃないかと思ったくらいで、ツンツンして無愛想な人間がいません。
- 皆が稼げる仕事を持ちお金のストレスがない
(WA州の時給はオーストラリアNo.1) - バンバリーという絶妙な田舎具合でのんびり
(徒歩2分で綺麗なビーチ) - いつでもパースに戻れる安心感
(2時間で都市部へ行ける)
おそらくこの3つの要因がこのワンダーインの人たちのハッピーな雰囲気を作ったのではないかと私は思いました。

なんとなく寄った町のハンバーガー屋。
そしてそこでなんとなく宿泊を決めたワンダーイン。
『縁』という言葉はまさにこの時に使うのでしょう。
良い縁があって私はこれからバンバリーに住むことに決めたのでした。
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