とにかく楽しかった台湾5日間の旅を終え、再びフィリピンに戻ってきます。
その目的はシンガポール行きの飛行機に乗るため。
フィリピン到着は9月4日の23時、シンガポール行きの飛行機は9月10日です。
とても不安ですが、台湾旅行のおかげでなぜか楽しめる自信がありました。
しかしあとあと気づきます。
それは台湾だったからなんです。
そもそも航空券捨てて台湾に飽きるまでいれば良かった!
と何回考えたか分かりません…。
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久しぶりの「アジアの感じ」
クラーク国際空港まさかの閉店?
台湾桃園空港から飛び2時間後、クラーク国際空港に戻ってきました。
乗客はほぼフィリピン人です。
外国人は自分だけかなとまわりを見渡すと1人だけ若いイケメン白人バックパッカーを発見しました。
そもそもここフィリピンは、7000以上の島で構成されていると言われていて、国内どこに行くにも飛行機しかないのです。
なのでバックパッカーにはそんなに人気の国ではないです。
入国審査を終えて台湾で計画した通りに動きます。
ウロウロしていましたが、ベンチどころか人がまったくいません。
電気も半分以上消えていて、空調も止められかなり蒸し暑い状態でした。
まさか…とは思いましたがそのまさか。
クラーク国際空港は、夜は閉店なのです。
国際空港なのに。
これは完全に調査不足。
そして航空券の購入ミス。
いや、私のテキトーすぎる旅プランによるものでしょう。
早々と空港のスタッフに追い出されてしまい、外は真っ暗の状態。
全員空港を出たところで電気もすべて消えて、完全に閉まってしまいました。
普段から空港を利用し慣れているフィリピンの民はそそくさとバスやタクシーお迎えなどで空港を離れて行きます。
状況はこちら
- 夜11時
- マジの真っ暗
- とても静か
- あたりには何もない
そしてその場に残ったのは
- ホームレス
- 怪しいバイタク屋が数人
- ヤバそうな野良犬
- 獲物を狙うかのような目で私を見るストリートチルドレン風のキッズ4名
- そして1分後の予定も決まっていないアホな私
想像して下さい。
怖すぎです。
そのへんにいないかな?
同じ外国人だというだけの赤の他人でさえも頼りにしたいほどの恐怖です。
とにかくこの場から離れたい!と思いましたが
ここよりもそこは安全そうですか?
と完全に路頭に迷い、自分がアジアにいることを再確認しました。
そうやって呆然と立ち尽くしていると、乗り合いバスの勧誘が来ました。
と言われ、そのまま流れで乗り合いバスに乗ることになりました。
ゲートまで!てどういうことなん?
と思いながらも空港から離れることはできました。
そして私はふと思ったのです
懐かしのJolibee
乗り合いバスはちょいちょい止まり、ちょいちょい人が降りていきます。
しかし何もない真っ暗な場所でゾロゾロと降車していくのです。
と思いながら私は乗り続けました。
あとで分かったのですが、ゲートというのは街から空港に行くための一本道の入り口のあたりのことで、そこらへんに行けばホテルなり飲食店なりあるようです。
しかしこの時の私は何も知りません。
と思いました。
すると見覚えのある灯りが近づいてきてきます。
フィリピンのファストフード店のJolibee(ジョリビー)です。
マクドナルドみたいな感じなのですが、米のメニューなんかもあります。
バギオに住んでいた時に何回か行ったことがあったので、ジョリビーごときに親近感が湧いてしまいました。
そのままゲートまで行けば良かったのにアホの私はビビりすぎて
とジョリビー前で降りてしまいました。
ジョリビー以外何もないのに。
お腹空いてるっちゃ空いてる
『ここで降りたのは別に間違っていない』ということを自分に言い聞かせるように空腹を確認し、ジョリビーの入り口に向かいました。
不安そうにキョロキョロしているとバイタクの勧誘や怪しい人たちが近づいて来るので
みたいな顔で入店。
店内は全ての椅子がテーブルの上に上げられ、客はひとりホームレス風のじじいがずっと独り言を言っているだけ。
店員はなぜか5人ほどいますがスマホをいじったり喋ったり。
そして私が入店するとみんなでチラチラ見ながらニヤニヤするだけ。
すんごい嫌な感じです。
もっと賑わっていればどさくさに紛れて仮眠できたのですが…。
とりあえずパンケーキとコーヒーを注文しますが、考えられないほどの不味さ。
と思いながらももったいないので完食しました。
かなりヤバそうな宿に一泊する事に
中岡似の激渋男
激マズパンケーキを完食し、もはや何汁なのかも分からない酸っぱいコーヒー汁を飲み干して、どうしよっかなぁ〜と考えてふと窓の外を見ると、ロッチの中岡さんをもっと男前にしたような渋めのメガネ男が笑顔でこっちに来いと手招きしていました。
店内の嫌な雰囲気が耐えれない私は外に出ることに。
アジアのドライバー特有のあのギラギラした感じは無くあっさりとした男。
みたいな悪役っぽいのを想像してたんですが、そのシブい男は落ち着いた低い声で私の緊張を解いてくれました。
ん?おいおいそんなに構えるな
ここは安全な地域パンパンガだからリラックスだぜボーイ
はっはっはっ
その激渋メガネと会ってからはなぜか不安感が無くなり、リラックスして話すことができました。
「台湾から飛んできて、こんな夜中に到着しちゃってどこで寝ようか考えてた」
今の状況を話しました。
行ってみたいね
ホテル探してるなら300ペソ(650円くらい)のとこのあるけど行ってみる?
汚ねえけどな!
はっはっはっは
まったく無理矢理感のない感じで提案してくれたのです。
しかも300ペソはかなり安い!
そして彼のバイクに乗りその300ペソの宿に向かいました。
着いたところは
と思うくらいズタボロの建物が乱立している場所でした。
激渋メガネとふたりで受付のような場所に行くと、老婆がひとり薄暗い中でスマホをいじっています。
タガログ語(フィリピンの公用語)か何なのか分かりませんが、現地語でスマホ老婆と話しています。
そして300ペソを渡して鍵を預かりました。
いくら渋メガネでも結構タクシー代とるんやろな~と思っていくらか聞いてみると
ボーイが困ってそうだったから助けただけだ
いくらでも嬉しいぜ?
勤務中ではなかったらしくどこまでも渋い男だったので、ポケットに入っていた100ペソ札(200円ちょい)を渡しました。
すると
と50ペソを返金されました。
後にも先にも、フィリピンでこんなに渋い男を見たことがありません。
そして別れ際。
シェイシェイ!
と言い残し、その場を立ち去って行きました。
いや私、台湾人じゃないんですけど。
やばすぎる宿
渋メガネと別れて、階段を上り部屋に向かいます。
広いシングルルームだったのですが、何もかもがヤバすぎて呆気にとられました。
- 鍵がかからない
- シャワーの水チョロチョロ
- トイレがただの穴(外が見える)
- マットレスがシミだらけ
- 部屋がくさい
- 壁に放送禁止用語の落書きだらけ
まるで「こんなホテルは嫌だ」の大喜利の回答を全部取り入れたようなモダンデザイン。
せめてセキュリティだけはちゃんとしたいと、いつか使えるかもと思ってバックパックの奥底に仕込んでいた自転車用のワイヤーロックがここで役に立ちました。
チョロチョロの水シャワーで汗を流しスッキリ。
時間は深夜1時、髪はビシャビシャのまま
と考えながら、なんとか無事にフィリピン入りできて安心して爆睡するのでした。
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